ブルージェイズのボー・ビシェット(左)とブラディミール・ゲレーロJr.(右)(C)ロイター/	USA TODAY Sports

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ア・リーグ東地区最下位に沈み、好転の兆しが見えないブルージェイズ。今夏のトレード市場では「売り手」に回るとの見方が有力になってきたが、27日(日本時間28日)には中心選手の1人である遊撃手のボー・ビシェット内野手が「自分がトレードに出されても驚かない」と発言。移籍の可能性を示唆した形となり、米複数メディアが報じた。
現地7月30日のトレード期限まで残り1カ月ほどとなり、各球団の動向から目が離せなくなってきた。

■アトキンスGM「市場を理解することは重要」

26日(同27日)を終えた時点で36勝43敗となったブルージェイズ。17日(同18日)から24日(同25日)には7連敗を喫するなど不調が続き、ア・リーグ最下位に沈んでいる。
トレード期限(現地7月30日)が迫る中、注目を集めているのが、現状を鑑みたチームが「売り手」に回るのか、「買い手」に留まるのか、という点。26日(同27日)に取材に応じたロス・アトキンスGMは「我々は明らかに厳しい状況に陥った。10日ほど前はチームに前向きな勢いを感じていたが、それは消え去ってしまった」と語り、7連敗を悔やんだ。
その上でトレード市場にも言及。「今後数日間は、我々にとって非常に重要。市場を理解することも同様に重要だ」と話し、「我々は勝利することに集中している。今年できるだけ良いチームを作り、そのチームを最大限にサポートすることに集中している。しかし、もし調整が必要な段階に達した場合には、それを行う準備もできている」とした。
この発言を受けて、MLB公式サイトが「アトキンスGM、最下位のチームは難しい決断を迫られる可能性があると認める」と報じるなど、米複数メディアが「ブルージェイズは売り手に回るという予想が急速に増えている」と伝えた。

■米記者「ビッグネームもトレード対象」

27日(同28日)には、スポーツキャスターのヘイゼル・メイから「トレード期限までに移籍することになったら驚くか」と問われたビシェットは、「まったく驚かない」と返答。ビシェットと同じくチームの主力あるブラディミール・ゲレーロJr.内野手も先日、「例えニューヨークの地区ライバル(ヤンキース)でも、必要としてくれたチームの手助けは喜んでするよ」とコメントし、ヤンキース移籍に前向きと報じられたばかり。
2人のビッグネームから相次いで飛び出した“移籍容認発言”。米紙『ニューヨーク・ポスト』のジョン・ヘイマン記者も「ブルージェイズはトレード期限に向けて売り手に回る可能性が高まっている。もし売り手になる場合、ビシェットやゲレーロJr.(および他の選手)がトレードの対象になるかもしれない」と指摘。「ビシェットは現在、ドジャースにとってより価値が高くなっている。ゲレーロJr.はマリナーズ、アストロズ、パイレーツ、その他のチームにとって価値がある」と続けた。
遊撃を守るムーキー・ベッツ内野手が離脱したドジャースと、遊撃を本職とするビシェットは相思相愛なのか。そして、ブルージェイズとしては、来季終了後に何の見返りもなくフリーエージェント(FA)で出て行かれるくらいなら、今夏に若手有望株と交換するのも手と考えるのか。刷新に動く可能性が日増しに高まっている。