【松本 洋】都内の高級タワマンを”私物化”する、女理事長「暴走の一部始終」…ママ友を巻き込み「フロントに食ってかかった」

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電気代をめぐる、管理組合のトラブル

円安も進み、物価やガス代、電気代などが高騰している日本。そのなかでも最近とりわけ注目を浴びているのが電気代の値上がりです。

過去数年と比較すると著しく値上げされ、これに政府は電気代・ガス代高騰対策として「電気・ガス価格激変緩和対策事業」を実施してきました。しかしそれも今年6月以降は終了するため、今後電気代の高騰が家計を直撃すると危ぶまれています。

現に一般のマンションでは共用部分の電気料金はうなぎのぼりで、単年度収支では赤字なることが多く、電気料金削減の相談件数が以前よりも多くなりました。

さらにエントランスホールにエスカレーターが設置され、内廊下のあるホテルのような大型のタワーマンションではこの影響をまともに受けています。

こういったマンションでは快適な空調設備はもちろん、噴水・人工せせらぎ・滝などの高級感を演出する水景が備えられており、それらを維持する電気代が前年よりも2,000万円増えた、3,000万円増えて予算オーバーしたという話も珍しくありません。

一見、そのような資産価値の高いマンションに暮らす人は、物件を買えるだけのステイタスやお金にも余裕がある方が暮らすと思われがちです。しかしながらひとつの棟に何百人、何千人と住む集合住宅。各居住者のほとんどが同じ所得、価値観であるわけがありません。そしてその格差によってもトラブルが発生します。

先日もホテル仕様のタワーマンションで輪番で理事になった酒井さん(仮名)から、これら電気代などの高騰をめぐるトラブルの相談がありました。

トラブルのきっかけはこうです。酒井さんがお住まいの築15年のマンションの総会で、昨年に適切な手続きで決議された大規模修繕工事に対し、

「管理会社の言いなりに多額の費用を支出した」

「当初の予算額は6億円だったのにいつの間にか11億円になっていた」

「管理費や修繕積立金は組合員の大切な財産なのでもっと節約に心掛けてほしい」

「管理会社は、理事会をそそのかすようなことはしないほしい」

と役員と管理会社のフロントに食ってかかった女性(以下、Aさん)がおり、方針に納得のいかないAさんが、管理費等の支出削減と管理会社にリベンジにするために『管理会社の変更』を掲げてマンション管理組合の理事長に立候補したのです。

管理組合の「私物化」がはじまった

さらに、組合運営と管理会社に同じ不満を持つ5名のママ友を集めて理事に立候補させ、合議制で決議される理事会の過半数をAさんの息のかかった人たちで固めました。

酒井さんがお住まいのマンション管理組合は、理事9名、監事1名で構成されており、総会でAさんと5名のママ友、そして輪番の3名と監事1名が賛成多数で可決承認され、役職を決める第1回目の理事会でAさんが理事長に選任されたそうです。

酒井さんも理事会で重要なポストの副理事長に立候補しましたが、それは無視され、Aさんのママ友が就任して、まさに理事会を“意のままに操る舞台”が整ってしまったといいます。

理事長になったAさん、そして5名のママ友たちはそこから管理委託費の見直しとして

・防災センターの深夜の警備員の人員削減

・午前中のコンシェルジェの在勤時間を廃止

・エントランスホールのBGMの契約解除と温度設定を送風のみに設定

・共用廊下や階段の間引き

など組合員の思いとは真逆の理不尽な費用削減の提案。それらは次々とされて決議していき、さらなる暴走がはじまりました。

その詳細は<都内の高級タワマンを“私物化”する「女理事長」の理不尽な要求…住民の意見は無視、あまりの圧に「何も言えない」>で明かします。

都内の高級タワマンを“私物化”する「女理事長」の理不尽な要求…住民の意見は無視、あまりの圧に「何も言えない」