地震の揺れが収まってから取るべき行動を被害の度合いや時系列ごとにまとめました。自分や家族、地域の生活を守るため、なにができるでしょう。防災システム研究所 所長・山村武彦さんからのアドバイスとともにご紹介します。

地震発生〜30分「家の状況確認をして家族に連絡する」

身の安全が確保できても、引き続き、自分と家族の命を守るために行動します。

●パターンA/家の安全が確認でき、津波の心配もないとき「余震に備えつつ、自宅で生活する」

自宅で安全の確保ができれば、在宅避難に入ります。

「インフラが止まったとしても、住み慣れた家の方が心理的な負担は軽減されます。ただし、家族分の十分な備えがあることが大前提です」

●【ポイント】震度6弱以上の地震後はトイレを流さない

地震の影響で、配管が破損している可能性も。

「そのまま水を流すと、汚水が流れ出たり、逆流したり、つまったりしてしまいます。安全が確認できてから流しましょう」

●パターンB/家が被害を受けたとき・津波の危険性があるとき「地域の避難所に行く」

自宅にとどまるのが危険な場合は、避難所へ向かいます。

「津波警報が出ているなど緊急性のある場合は、身ひとつで避難を。周囲にも声をかけ、助けが必要な人にはできる範囲で避難の手伝いを」

●【ポイント】避難する前にはブレーカーを落とす

通電火災防止のため、ブレーカーを切ってから避難を。

「帰宅後は、すべての電化製品のコンセントプラグを抜き、安全を確認してからブレーカーを上げましょう」

●家族との連絡方法は事前に決めておく

メールやSNSなどの連絡手段を家族と決めておくことが大切。

「それらが使えない場合は、災害伝言ダイヤル(171)や知人・親せき宅を中継所にした『三角連絡法』を活用できるようにしておきましょう」

地震が落ち着くまで「地域で協力し、復旧を目指す」

緊急性のある状態を脱したら、みんなで少しでも健やかに過ごせるよう、主体的に動きましょう。

●家の写真を日付入りで撮影する

復旧作業に入る前に、家やクルマなどの被害状況を写真に撮っておきます。

「写真は罹災証明書や保険の請求に必要な場合があります。日付入りで複数枚、いろいろな方向から撮影することがポイント」

●ラジオやSNSなどで災害情報を確認する

給水などの生活支援や復旧に関する情報は避難所の防災掲示板のほか、ラジオや行政のSNSなど、さまざまなメディアを通じて告知されます。

「定期的に確認し、周囲と情報を共有していきましょう」

●積極的に地域の復旧に関わる

避難所の運営は、基本的に地域住民が主体となって行います。

「みんなが過ごす場所をみんなでよくしていくという意識が大切です。体を動かすことで気が紛れ、ストレス解消にもなります」