鹿児島ならではの和菓子「ぢゃんぼ餅」をご存じだろうか。

ぢゃんぼ、という名称から、大きなジャンボサイズを思い浮かべるかもしれない。しかし、実物はいたって普通、ひとくちサイズの餅である。

ぢゃんぼ餅の由来は、南北朝時代にさかのぼる。

後醍醐天皇の皇子である懐良親王(かねよししんのう)が、現在の鹿児島市にある谷山城に滞在した時、2本の串に刺さった餅を差し出され、その名称を聞いた際に「両棒(ぢゃんぼ)」と言われたのがルーツとされる。江戸時代には、薩摩藩主の島津氏に献上されるようになった。

このぢゃんぼ餅(両棒餅)が食べられる店舗は、仙厳園から徒歩10分ほどの「磯地区」に集中している。ここは「ぢゃんぼ餅街道」とも呼ばれる。

また、仙厳園の園内でも、ぢゃんぼ餅を味わえる場所がある。

どのお店でも基本は同じ。焼いて焦げ目がついた餅に2本の棒にさし、たれをつけ、皿に盛って提供される。テイクアウトだとパックに入った状態で渡される。出来上がりは熱々だ。

1人で6本12個あったが、じっくり味わって食べ切れるボリュームだった。餅、焦げ、たれ、どれも絶妙で和菓子好きは絶対ハマる味だ。

定番は、砂糖しょうゆだれ。ほかに、みそだれ、黒糖、きなこなどもある店舗も。できたてがもちろん美味しいが、冷めても美味しい。当日限りで食べ切りたい。

明治初期から営業する「中川家」や「平田屋」など数店舗ある。目の前の海岸からは、雄大な桜島が眺められるビュースポット。店舗でのんびり食べてもいいし、テイクアウトして海岸で味わうのもいい。

鹿児島を訪れたら、仙厳園、磯地区まで足を運んででも、ぜひ味わってみてほしい。

じゃんぼ餅 鹿児島県 | うちの郷土料理(農林水産省)

https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/jambomochi_kagoshima.html


(Written by AS)