「M-1ファイナリスト」さや香が本格東京進出で“見せ算”新山の「オンナたち」に開かれるブレイクへの道

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 さや香(石井、新山)が今春、活動拠点を地元の大阪から東京に移した。さや香といえば、「M-1グランプリ」の2年連続ファイナリスト。ウエストランドが優勝した22年は準優勝で抜群の漫才センスを見せつけたが、昨年はファイナルラウンドで披露したネタ「見せ算」が大スベり。新山の独壇場だったネタを、審査員の山田邦子は「おもしろくなかった」とバッサリ。Xで関連ワードが複数トレンド入りして、時の人となった。

 そんな新山には、「新山ガールズ」がいる。みずから名づけたLINEグループの仲間は、大阪吉本の芸人たち。男性だけであるにもかかわらず「ガールズ」と命名するのが、新山のセンスだ。メンバーは、よしもと漫才劇場出身の後輩であるダブルヒガシ・大東翔生、豪快キャプテン・山下ギャンブルゴリラ、カベポスター・永見大吾、真輝志、ドーナツ・ピーナツなど。いずれも全国的知名度は低いが、ここへきて押し並べてブレイクの兆しを見せている。

 ダブルヒガシは昨年、「第12回 ytv漫才新人賞決定戦」と「第44回ABCお笑いグランプリ」でダブル優勝。ytv優勝を祝して、2人の顔のイラストがプリントされたパック「ダブルヒガシの顔サイコロ」を公式グッズとして発売して、好セールスにつなげた。

 カベポスターは、22年に「第11回ytv漫才新人賞」と「第43回ABCお笑いグランプリ」で優勝。同年末には、「M-1グランプリ2022」で決勝戦に初進出。昨年は「第58回上方漫才大賞」で新人賞を受賞して、M-1には2年連続ファイナリストとなった。永見は昨年、かねてからの夢であった「探偵!ナイトスクープ」(ABCほか)の探偵に抜擢。関西の知名度が爆上がりだ。

 真輝志は今年の「R-1グランプリ」で、決勝舞台を初めて踏んだ。ドーナツ・ピーナツは今春、関西の大人気番組「マルコポロリ!」(関西テレビ)の新レギュラーになった。これまで準レギュラーの立ち位置だったが、ビスケットブラザーズが東京進出したことで、空いたポストに収まった。過去に霜降り明星、見取り図がいた“若手リポーター”の枠だけに、ブレイク確定といえよう。

「大阪の人気吉本芸人には、後輩を従える“〇〇会”のようなものがあります。ボスが拠点を関西から東京に移す時、持っていたレギュラー番組を一掃し、かわいがっていた後輩に譲渡することが少なくありません。だから、関西の人気ローカル番組はネクストブレイクの宝庫。これまでに千鳥やかまいたち、見取り図や霜降り明星もそうしてランクを上げていき、東京進出で成功しました」(お笑い評論家)

 現在、在京テレビマンがこぞって注目しているのはさや香。見せ算ではスベったが、見せ場を作ってほしいものだ。

(北村ともこ)