「 楽天ファッション・ウィーク東京 2024 AW」フィジカルな体験とAI活用が焦点に:マリメッコによるショーも開催
![](https://image.news.livedoor.com/newsimage/stf/f/c/fc735_1631_04bf81cd9548a9f21059532891a02cf3.jpg)
「フィジカルな体験の場」を重視
Rakuten Fashion Week TOKYOは、日本ファッション・ウィーク推進機構が年2回開催するファッションイベント。ランウェイショーをはじめとするファッションデザイナーのコレクション発表の場の提供、一般参加可能なコンテンツの拡充などを通して、日本のファッション業界の底上げを図っている。2024秋冬は、会期前日の特別イベントとして、FASHION PRIZE OF TOKYO*2024を受賞したエムエーエスユー(MASU)が仏パリで発表したコレクションの凱旋ショーを実施するほか、会期初日には、ユニフォームデザイン集団ハイドサイン(HIDESIGN)がサステナブル素材を使ったルックやワークウェアを再構築した1点ものピースなどを披露する。JFW NEXT BRAND AWARD** 2024を受賞したカナコ サカイ(KANAKO SAKAI)や、TOKYO FASHION AWARD*** 2024を受賞したフォトコピュー(PHOTOCOPIEU)やミスターイット(mister it.)を含む8ブランドもコレクションを発表する。そうしたアワード受賞やby R(バイアール)****などを機に活動の幅を広げているブランドが多数参加しており、JFWOは、「初参加から実力のあるブランドまで、層の厚さが感じられるラインナップ」だという。全43ブランドのうち38ブランドがフィジカル、5ブランドがデジタルでのコレクションを発表する予定で、前回の2023春夏(全50ブランドのうち35ブランドがフィジカルで発表)よりも参加ブランド数は減少したが、フィジカルで発表するブランドは増えた。JFWO事務局長の古茂田博氏はその理由について、「今回は、フィジカルな体験の機会創出に力を入れるなか、申込みブランドをPRやビジネス、ショー設計の側面から厳しく審査した。東京ならではの力強さのあるブランドにフォーカスした」と説明した。会期中は、森永邦彦デザイナーによるアンリアレイジ(ANREALAGE)が初のメンズコレクションを披露することも決定している。*東京都とJFWOが主催するファッションプライズ。すでに国内外で知名度のある東京のファッションデザイナーを1組選定・表彰し、パリでのコレクション発表をサポートするなど国際的ブランドへの成長を支援する。**JFWOが2023年に発足したブランドサポートプログラムで、ファッション業界でのグローバルな活躍が見込める新しい才能を育成・支援していくことを目的としている。***東京都とJFWOが主催するファッションアワード。国際的な活躍が期待される東京のファッションブランドを選定・表彰し、パリでの展示会参加など国内外での事業成長を支援する。****RFWTの冠スポンサーである楽天グループ(以下:楽天)が、日本のファッション業界のエンパワーメントを目的として実施するプロジェクト。2021春夏にスタートし、これまでダブレット(doublet)やトモ コイズミ(TOMO KOIZUMI)、トーガ(TOGA)など13ブランドのコレクション発表を支援している。初の試み「AIのファッションウィーク」
ファッション×AIをテーマにした関連イベントも充実させた。江戸時代の着物の図案を生成AIに機械学習させ、廃棄率ゼロのパターンメイキングや革新的グラフィックの実現を目指した「未来の羽織物」を製作・展示するAlgorithm-Formed Kimono(Sync Fabric Studio主催)や、ファッションビジネスにおけるAIの利活用について考えるTOKYO AI Fashion Weekなどを実施する。TOKYO AI Fashion Weekは、ファッション業界への生成AI導入を推進するOpenFashion社が初めて開催するもので、AIを使ったファッションデザインコンテスト、コンテスト応募作品20点を展示するエキジビション、「ジェネレーティブAIとファッションの未来 #3」と題したセミナーの3つのコンテンツで構成する。古茂田氏は、あくまでフィジカルでの体験に価値を置くとしながらも、AIは、「加速度的に成長している分野であり、ファッションとも切り離して考えることはできない。AIに対してネガティブな考え方も見られるが、新しい業種や産業が生み出されることをポジティブに捉えていきたい」と話した。Rakuten FWT 2024 A/WのキービジュアルもフルAIで制作した。ビジュアル制作のための撮影は行わず、3人のモデルの顔写真をAIが学習してビジュアル内に取り込んでいる