ここ数年、韓国では数多くの無人店舗がオープンしましたが、その中でも人気を集めているのが「無人インスタントラーメンコンビニ」です。2024年には国内外で爆発的にヒットするかもしれません。

 

K-インスタントラーメン

↑スパムのせ韓国インスタントラーメン

 

韓国で無人店舗が増える背景には従業員の時給高騰があります。2014年には5210ウォン(約573円※1)だった最低時給は、2024年には9860ウォン(約1085円)になり、10年間で約2倍に増加。そんなトレンドを受けて、スーパーやコンビニ、カフェ、ゲームセンターなどの業種でさまざまな無人店舗が増えており、その中で続々と開店しているのが、無人のインスタントラーメンコンビニなのです。

※1: 1ウォン=約0.11円で換算(12月15日現在)

 

無人インスタントラーメンコンビニはセルフでインスタントラーメンを調理し、店内で食べることができるシステム。韓国でインスタントラーメンは国民食といわれるほど大人気ですが、インスタントラーメンの種類は20種類ほどあり、卵やチーズ、ねぎやもやしなどの各種トッピングも用意されています。

 

どの店舗にも置いてあるトッピングは、キムチ。韓国ではラーメンは必ずキムチと一緒に食べる習慣があり、キムチなしではラーメンは食べないという人もいるほどです。たくさんトッピングしても価格は4000ウォン(約440円)程度なので、若者を中心に人気を集めています。

↑不可欠の脇役

 

韓国発の無人インスタントラーメンコンビニは、米国のニューヨークでも評判。香港人経営者が韓国の外食産業をヒントにオープンしたため、基本的なシステムは韓国の店舗と同じになります。しかし、韓国店舗との違いは、アジアを中心に世界中の100種類を超えるインスタントラーメンを置いている点。トッピングも鴨モモ肉やシュウマイ、豆腐など珍しいものが揃っています。価格は2.4ドル(約338円※2)からと良心的で、ねぎやコーンなど無料トッピングを3つまで選べます。間もなく2号店をオープンするそう。

※2: 1ドル=約141円で換算(12月15日現在)

 

一方、韓国のインスタントラーメンコンビニは、すでに日本にも進出しています。千葉と神戸にオープンしており、20種類近い韓国ラーメンやインスタ映えする韓国製ドリンクなども販売しています。トッピングもできてイートインスペースもあるラーメンコンビニは珍しいので、日本でも増えていくかもしれません。

 

新たな観光スポットに

↑すでに日本で目撃したことがあるものも

 

韓国にたくさんあるインスタントラーメンコンビニの中で、現在最も話題になっているのが、2023年12月に大手コンビニチェーンのCUがソウル市にオープンした「ラーメンライブラリー」。CUのコンビニに併設され、およそ100種類の韓国ラーメンをはじめ、日本やアジア各国など合わせて約225種のラーメンを楽しめます。

 

壁一面の超大型専用棚にはさまざまなラーメンがパレットのように陳列され、調理器や立ち食いテーブルが置かれたラーメン体験スペースも。韓国人だけでなく、外国人観光客の人気スポットにもなりそうです。

 

物価の急速な高騰により、韓国では外食店でも値上げが続いています。リーズナブルな価格で手軽に楽しめるラーメンコンビニはこれからますます需要が高まっていきそうです。