DropboxがAI機能を試験的に導入した2カ月後、ユーザーのデータをOpenAIと共有する設定がデフォルトで有効になっていると指摘されたため、Dropboxが詳細を説明しました。

Dropbox spooks users with new AI features that send data to OpenAI when used | Ars Technica

https://arstechnica.com/information-technology/2023/12/dropbox-spooks-users-by-sending-data-to-openai-for-ai-search-features/

問題の設定は以下。「サードパーティパートナー(OpenAI)の人工知能(AI)を利用することで、Dropboxでの作業がより速くなります。私たちは、私たちが吟味したテクノロジーパートナーのみを使用しています。お客様のデータがパートナーの内部モデルのトレーニングに使用されることはなく、30日以内にサードパーティのサーバーから削除されます」と書かれています。



この設定を見たアーティストのカーラ・オルティス氏は「ユーザー全員のデータを共有するものだ」と指摘し、当該投稿はX上で200万回以上閲覧されました。





この後、DropboxのCEOであるドリュー・ヒューストン氏が声明を発表。「設定メニューはAI機能へのアクセスを有効または無効にするもので、Dropboxの顧客データをサードパーティのAIサービスに自動的にも受動的にも送信するものではありません」とコメントしました。





記事作成時点で、DropboxのAI機能はアルファ版として提供されています。Dropboxによると、アルファ版に参加した場合に上記の設定がデフォルトでオンになるとのこと。この設定をオンにすることにより、AIへのリクエストまたはコマンドに関するコンテンツがサードパーティに送信され、それによりAIから応答を得られるようになっているそうです。この際、送信した内容はモデルのトレーニングには利用されません。

ただし、ファイルについて質問した場合などに、Dropbox内のファイルがサードパーティのAIに送信される場合があるとも明記されています。こうしたプライバシーに直結するような設定がデフォルトでオンになっていたことに対し、AI研究者のサイモン・ウィリソン氏は「今回の件は、AIによる個人データへのアクセスについて企業がいかに注意深く、明確に状況を伝えるべきなのかを教えてくれる素晴らしい例だ」と意見しました。