《復活してほしい音楽番組》2位『夜のヒットスタジオ』を抑えて1位に輝いたのは伝説の番組
好きな歌手の登場にワクワクした、あなたの心に残る音楽番組は何ですか?
昭和〜平成に放送され、お茶の間をにぎわせた数々のテレビ番組。今月10日には『クイズ!年の差なんて』(フジテレビ系)がSPとして『クイズ年の差だよね』で復活し、話題になった。
そこでかつて人気を集めた音楽番組を調査。選ばれた番組を、さっそくチェキラ!
「タカさんと中居くんのおかげで売れたアーティストも」
第5位は1995年〜2002年放送の「見たい、聴きたい、歌いタイ!」という合いの手と鯛のオブジェでおなじみだった『THE夜もヒッパレ』(日本テレビ系)。
「三宅裕司さんの司会が好きだから」(東京都 女性58歳)
「本人以外の人が歌を歌うのは面白かった。またSPEEDみたいに番組からスターが出るのもいいと思う」(東京都 男性58歳)
という意見があった。
「'90年代にカラオケが一般的になって人前で歌う機会が増えたこともあり、難曲を見事に歌い上げる尾崎紀世彦さんや渡辺真知子さんらプロの歌唱力に圧倒された方も多いでしょう。一方で紗栄子さんのように破壊的な歌声を披露する方もいらっしゃいましたね」
とテレビ番組に詳しいライターの成田全さんは苦笑い。第4位は'96〜'10年に放送された、石橋貴明と中居正広司会の『うたばん』(TBS系)。
「タカさんと中居くんのおかげで売れたアーティストもたくさんいると思う」(宮城県 女性43歳)
という声のとおり、モーニング娘。やEvery Little Thingなど、司会の2人にいじられる面白トークで知名度を上げた人も。
「元モー娘。の保田圭さんや、ELTのギターの“いっくん”こと伊藤一朗さんらはおふたりの大好物でしたね。そのツッコミを大げさなCGで加工する映像も人気でした。
またTBSには午前0時で収録スタジオの電源が落とされる取り決めがあって、“てっぺん(0時)になっちゃうから!”とタカさんがせかすのですが、突然ガシャンと電気が消えてしまうことも時にありました」(成田さん、以下同)
第3位は'94〜'12年放送の『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)。
「ダウンタウンとアーティストのトークでの掛け合いが最高に面白かったから」(福岡県 女性46歳)
「アーティストの素の部分が見られたから」(神奈川県 女性51歳)
などトークへの熱い支持があった。
「歌唱前に浜田雅功さんによる容赦ないツッコミと松本人志さんのボケ、イジりで展開するトークが、ある意味メインでした。知名度の低い歌手を紹介するコーナー名が『誰やねん!?』だったりなど関西のノリが強く、同時期に放送された関東ノリの『うたばん』と双璧をなす番組だったと思います」
毎週『FNS歌謡祭』をやっていたような感じ
131票を獲得した第2位は、美しいハープの音色で始まる『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)。
「出演者の番組にかける情熱が高く、衣装も特別で緊張感もあって歌を聴かせる番組だった」(広島県 女性61歳)
「生放送、フルバンドで、最初に出演歌手が他人の持ち歌をメドレーするのがよかった。芳村真理さんと井上順さんの司会もよかった」(埼玉県 女性45歳)
と往年の名歌番組を懐かしむ声が寄せられた。
「'68年に前田武彦さんと芳村さんの司会で月曜夜10時にスタートし、その後井上さんと芳村さんのコンビが長らく続き、人気を博しました。'85年に水曜夜9時からの2時間番組『DELUXE』、'89年からは水曜22時の『SUPER』となって'90年まで22年放送された長寿番組です。
豪華なセット、生のオーケストラ演奏でフルコーラスの歌唱、幅広いジャンルの歌手や曲、コラボレーション企画、華やかな衣装など、ぜいたくでクオリティーが高く、大げさに言うと毎週『FNS歌謡祭』をやっていたような感じでしたね。
またオーストリアのホーエンザルツブルク城やパリのシャイヨ宮トロカデロ広場から衛星生中継するなど、今では考えられないスケールの大きな音楽番組でした」
そして第1位は圧倒的に403票を獲得、「今週の第◯位!」のかけ声でパタパタ動くランキングボードが懐かしい'78〜'89年放送の『ザ・ベストテン』(TBS系)。
番組独自の集計で決まるランキング形式を根づかせた
「毎週ランクが出るのを楽しみにしていた。ドキドキさせる要素と司会進行の面白さがあった」(兵庫県 女性69歳)
「飛行場や新幹線の中からの中継シーンなど、いろいろ画期的だったなと思い出す」(神奈川県 女性64歳)
と、木曜21時からの生放送を夢中で見ていたというコメントが多い。
「番組独自の集計で決まるランキング形式を根づかせ、レギュラー放送された音楽番組で歴代最高の世帯視聴率41.9%を記録した番組ですから、1位は当然の結果でしょう。順位発表後に歌手がミラーゲートから登場、司会の久米宏アナ、黒柳徹子さんとトークをして、その後ワンコーラスの歌唱というのが基本形でした。
またコンサートの終了後や移動中、ドラマ撮影や海外ロケの合間など、松宮一彦さんら“追っかけマン”による各所からの中継もありました。
久米さんは'85年から始まった新番組『ニュースステーション』に専念するため降板、代役が間をつなぎ、小西博之さん、松下賢次アナ、渡辺正行さんらが黒柳さんと司会を務めました」
また当時は中島みゆきや山下達郎、オフコースなど、ニューミュージック系のアーティストはテレビに出ない人が多く、ミラーゲートが空回りして出演しない旨を伝えるなどしていたが、松任谷由実は1度だけ『守ってあげたい』で出演している。
「ユーミンが夫の松任谷正隆さんから“出演してみたら?”とすすめられたと話すと、黒柳さんが“あら、あなたご主人がおっしゃると、そういうふうにされる方なの?”と発言してスタジオ中を凍りつかせたとか(笑)。
以後『ベストテン』出演もなく、10年以上共演がなかったそうですが、最近ラジオで共演し、『徹子の部屋』(テレビ朝日系)最終回への出演を約束するなど関係は修復しているそうです」
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成田 全 雑誌編集者、漫画編集者など経て、フリーに。インタビューや書評を中心に、幅広い分野について執筆活動を行う