山形放送

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家族同然のペットを絵に残したいー。そんな要望に応えるため、新たなサービスを立ち上げた若き起業家がいます。サービスの背景にあるのはアーティストも一緒に支援したいという思いです。

立体感のあるネコの絵の作品に、色合いが鮮やかなかわいらしい犬の絵。ペットアートと呼ばれる作品です。
事業を立ち上げたのは東北芸術工科大学の卒業生で、山形市在住の高橋駿斗さん(26)。高橋さんは在学中の2019年にアート関連企業の「EnoGG」を創業しました。きっかけは同級生の一言だったといいます。

EnoGG高橋駿斗社長「同級生が絵を描くことで生活はできないから『諦める』という言葉に衝撃を受けた」

芸術の道を諦めてほしくない。そんな思いから、いくつかの事業を立ち上げ、ことし9月にペットアート事業を開始しました。「EnoGG」には現在、芸工大の現役の学生や卒業生を中心に20人が所属し、依頼主の要望を聞いた上で、作品を描きます。

EnoGG高橋駿斗社長「丹精込めて、誰かのために1つ1つ魂を込めて筆入れをすることが、今後の需要と考えて始めた」

所属アーティストとして活動している志水みかんさんは芸工大の現役の大学院生。写実的な雰囲気の作品や独自の世界観を表現したものまで、さまざまな表現方法を駆使しアートを追及する芸術家です。

志水みかんさん「苦しい時の感情的な支えにもなりたいし、楽しい豊かな時間の時も支えるような、時間を彩れるような存在として作品を発信したい」

これまで、駆け出しのアーティストは、作品の準備から始まり、創作活動や展示、それにPRまですべてを1人で行うことが求められていました。しかし、高橋さんと活動することで、創作活動に集中できる環境が整いつつあるといいます。

志水みかんさん「高橋さんはアートを外につなげる。アーティストは創ることに専念できる。それぞれが得意なことにしっかり向き合って創っていく方がいい」

ペットアート事業は現在、クラウドファンディングで支援を募っている他、ホームページなどで依頼を受け付けています。

EnoGG高橋駿斗社長「ペットの他にも、共感を得られるアート作品を県内のアーティストが手掛け世界に発信していきたい」

芸術の裾野を広げ、アーティストが活躍しやすい社会を目指すー。新たな挑戦はいま、始まったばかりです。