デ・ブライネの負傷がマンCに与える影響は? 不在時の成績や“代替案”を徹底予想

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 今季のマンチェスター・シティはUEFAスーパーカップを制しただけでなく、プレミアリーグ開幕2連勝と好スタートを切ったが、果たして彼らは絶対的ゲームメイカーの穴を埋めることができるのか?

 マンチェスター・シティは今季のプレミアリーグ開幕戦となった今月11日のバーンリー戦でチームの主軸を失った。前半23分にベルギー代表MFケヴィン・デ・ブライネが負傷交代したのである。ハムストリングを痛めて手術まで受けたデ・ブライネは、長期離脱を強いられることになった。最長で6カ月の離脱になるとも予想されており、ジョセップ・グアルディオラ監督もクラブ首脳陣と連絡を取り合って「私は(スカッドの)少数精鋭を好むが、ケヴィンの離脱で状況が変わった。誰かを獲るかもしれない」と代役の獲得を示唆した。

 では、プレミアリーグ史上初の4連覇を目指すマンチェスター・シティにとって、デ・ブライネの離脱はどれほどの痛手なのか?そしてどうやって彼の穴を埋めるのか?絶対的ゲームメイカーの長期離脱がチームに与える影響を見てみよう。

■デ・ブライネの実績

 グアルディオラ監督が「大きな痛手」と認めたように、マンチェスター・シティほどの戦力を有していてもデ・ブライネの不在は大問題だ。それは彼のアシスト数を見れば一目瞭然である。2015年夏にマンチェスター・シティにやってきたデ・ブライネは、これまで同クラブでプレミアリーグ240試合に出場して64ゴール101アシストを記録。チェルシー時代を含めると通算アシスト数は102にも上り、これはかつてマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元ウェールズ代表FWライアン・ギグス氏の162アシスト、アーセナルやチェルシーで活躍した元スペイン代表MFセスク・ファブレガス氏の111アシスト、エヴァートンやマンチェスター・ユナイテッドで活躍した元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏の103アシストに次いで、プレミアリーグで歴代4位の記録である。

 今年4月にはプレミアリーグ史上最速での100アシストを達成した。237試合での100アシスト記録は、セスク・ファブレガスが293試合で達成した記録を56試合も更新する新記録だ。さらにデ・ブライネは1シーズンのプレミアリーグ最多アシスト記録も保持している。2019−20シーズンに20アシストを達成し、アーセナルの英雄である元フランス代表FWティエリ・アンリ氏が2002−03シーズンに成し遂げた記録に並んで見せたのだ。

 デ・ブライネは、2017−18シーズンにプレミアリーグが正式に「最多アシスト賞」を導入して以降、6シーズンのうち3シーズン(2017−18、19−20、22−23)で最多アシストをマークしている。まさに究極の“クリエイター”である。

 昨シーズンもリーグ最多の16アシストを記録。そのうち半分の8本が、プレミアリーグ年間最多ゴール記録を達成したノルウェー代表FWアーリング・ハーランドへのアシストだった。ハーランドは36ゴールという驚異的な記録を打ち立てたが、もしデ・ブライネのアシストがなければ、30ゴールを挙げて得点ランクで2位だったトッテナムのイングランド代表FWハリー・ケイン(現:バイエルン所属)に得点王の座を譲っていたことになる。

 無論、デ・ブライネはアシストだけの選手ではない。抜群の展開力と確実なボールキープ、そして試合のペースをコントロールする知性を併せ持つ。過去にプロ選手協会の年間最優秀選手を2度も受賞しており、昨年のバロンドール賞ではフランス代表FWカリム・ベンゼマ、セネガル代表FWサディオ・マネに次いで3位に入った。今年3月にはベルギー代表のキャプテンに就任し、マンチェスター・シティでも今夏にドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンが退団したあとは腕章を巻いていた。