女子ワールドカップで日本(上)と韓国(下)は明暗が分かれた。(C)Getty Images

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 明暗がはっきりと分かれた。

 熱戦が繰り広げられている女子ワールドカップで、韓国代表はグループステージ初戦でコロンビアに0−2で敗れると、格下のモロッコにも0−1で敗北。最後は強豪ドイツに1−1のドローと意地を見せたものの、1勝もできずにグループHの最下位で大会を去った。

 かたや、なでしこジャパンはグループステージを3連勝で首位通過。ラウンド16でも難敵ノルウェーを3−1と撃破し、世界から注目を集めている。

 そんななか、韓国のメディア『OhmyNews』は「日本はさらに成長しているが、『井の中の蛙』である韓国は心配だ」と見出しを打った記事を掲載。今大会で韓国唯一のゴールを決めたMFチョ・ソヒョンの「韓国はまだ井の中の蛙だと思う」という帰国後の発言を引き合いに出して、次のように主張した。

「韓国女子代表は2019年のW杯で3戦全敗1得点8失点という惨めな成績で無気力に大会を終えた。4年が経ち、今回のW杯ではコリン・ベル監督体制で着実に準備を続けてきて、『黄金世代』の選手たちが全盛期を迎え、内心ベスト8以上の成績を期待した。だが、2大連続グループステージ敗退という結果を避けられなかった。無得点・全敗という最悪の結果を免れただけで、準備したプロジェクトは明らかに失敗に終わった」

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 同メディアは「ベル監督の発言を聞くと、失敗の原因を主に選手たちの経験不足や精神的問題、あるいは韓国サッカーの構造的限界に責任を転嫁している。しかし、成績において最初に最大の責任を負うのは当然監督だ」と指揮官を批判。「大会を通じて、ベル監督の戦術的はいい点数を与えられない」とこき下ろした。

 そして、「韓国選手団が酷いドイツの足首をつかんだことで満足して自画自賛しているに間、ライバルの日本はさらに成長している」と皮肉っている。。

「日本は今大会、ザンビア(5−0)、コスタリカ(2−0)、スペイン(4−0)を連破して無失点の3連勝でC組の1位となった。ベスト16では優勝候補の一つに挙げられていたノルウェーでさえ3−1で完勝して8強進出に成功した。4試合でなんと14ゴールを挙げ、このうち5ゴールを決めた宮澤ひなたは得点ランキングとトップに立った)
 
 さらに、「男子でも事情は大きく変わらない」とし、「カタール・ワールドカップ以降、2023年に入って両国の歩みは逆を行っている」と見解を続けている。

「2023年に入って韓国と日本の最近4回のAマッチは、すべてホームで同じ相手(コロンビア、ウルグアイ、エルサルバドル、ペルー)だった。両チームの力と現在地を比較せざるを得ない状況だった。森保ジャパンは2勝1分け1敗、12得点4失点の一方で、ユルゲン・クリンスマン監督が新たに指揮を執った韓国は2分け2敗、4得点6失点にとどまり、まだ1勝も収められていない。日本は、韓国が0−1で敗北したペルーに4−1で完勝し、韓国が1−1のドローだったエルサルバドルにはなんと6−0で圧勝した」
 
 記事は「以後の準備過程でも日本の積極的で素早い動きが目立つ。両国はともに9月のAマッチ期間で欧州遠征の準備しているが、日本はすでに欧州の強豪であるドイツとトルコとのマッチメークに成功した。一方、韓国はウェールズとの試合が確定しただけで、メキシコとの試合が流れ、まだ相手が決まっていない状況だ」と指摘。こう締め括っている。 

「韓国サッカーは最近、全般的に日本に明らかに押されている様相だ。男女のA代表だけでなく、年代別代表も国際大会のたびに日本との対戦で大きな点差で連戦連敗を喫しているのが実情だ。これから日本を超えなければ杭州アジア大会や次のオリンピック、来年のアジアカップでの優勝なども難しいと憂慮される。世界制覇を目ざして勝ちを續ける日本に比べて、韓国サッカーはいまどこに向かっているのか冷静な分析が必要と思われる」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部