浦和L対ベレーザは2−2の引き分け。勝点1を分け合った。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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[WEリーグ第17節]浦和L 2−2 ベレーザ/5月7日/浦和駒場スタジアム

 5月7日、今季のWEリーグの行方を占うビッグゲームが行なわれた。首位を走る三菱重工浦和レッズレディースと、これを勝点9差で追う3位・日テレ・東京ヴェルディベレーザの直接対決。WEリーグカップと皇后杯全日本女子サッカー選手権の勝者を迎える、浦和駒場スタジアムは、生憎の雨と強風、寒さに見舞われた。

「今日は、浦和との大一番。しっかりと覚悟して臨んだ」というベレーザの竹本一彦監督。立ち上がり、ベレーザが慎重に試合へ入っていったが、これは予定通りだったという。

「雨と風が強くて、前半は、意図的に風下を取ったんです。前半は0−0でいい。とにかく守備を固めて、というところで。相手の菅澤、猶本、清家がWEリーグの中でも非常に怖い選手なので、その選手たちをしっかりと見ながら、安易なラインの上げ方をしないということで、試合に入りました」(竹本監督)

 想定を上回ったのは、浦和Lの守備強度だった。1ボランチとして、最終ライン前での守備においても、果たす役割が大きくなってきているベレーザの木下桃香は、「特別に自分のところへ来ているという感覚はなく、チーム全体に対する圧が凄いなという印象でした」と振り返った。
 
 浦和Lは、ゴールデンウィークでの消化試合数が1試合多い側、勝点でリードしている側とは思えない積極性を見せた。前線から流動的に動きながら、ベレーザのビルドアップ開始地点に圧力をかけ、スムーズにボールを運ばせない。この守備の連動について、猶本光は、強行日程が利した部分もあるという。

「前線から連動して追い込んでいく守備ができた。(アンカーのところは)前線ふたりと、プレスがかかったらボランチが出て行って、誰が誰を見るかということはできていた。試合がポンポンポンとあった(8日間で3試合)ので、それが良かったんだと思います」

 それでも29分、ベレーザが先制点を奪うのだから面白い。1、2度、左サイドの北村菜々美が絡んでのカウンターを見舞っていたベレーザだが、ここでは右サイドの松永未夢の仕掛けが起点になった。

 松永自身は、浦和Lの守備ブロックに防がれ、ペナルティエリアに入れなかったが、サポートに来た木下へボールを残す。守備側が「防いだ」と思った次の瞬間、木下が虚を突いて、最終ラインの裏へボールを入れる。これを、植木理子が頭で叩きこんだ。「あのシーンだけ、スキがあったのかなと思います」とは浦和Lの猶本。
 
 殊勲者のひとり、木下は「点は入りましたけれども、ラッキーの一言」だという。「1本のクロスと植木さんのヘディングシュートでゲームを動かせたというのは大きかったんですが、本当はもっと自分たちのペースで試合を進めたかった。相手ペースの中で進んでいれば、簡単に試合はひっくり返されてしまうので」。木下の言葉どおり、後半に入ると浦和Lが底力を発揮した。

 今季、リーグカップ、皇后杯も含めて1失点以下の試合では、1度の引き分けもなく、全勝という浦和Lには、勝者のメンタリティが植え付けられている。この試合でも、ほとんど焦りを見せず、風やグラウンド状態でベレーザのパスが流れるところはしっかりと奪い、相手側のスローインでもボールの受け手を完全に包囲する。

 そして、58分、長嶋玲奈と角田楓佳の投入で布陣を変え、清家貴子をよりゴールに近い位置へ上げる。同点ゴールが生まれたのはその3分後。浦和Lのフィードを一度はカットした木下に、3人で寄せて取り囲み、柴田華絵がボールを足に当てる。

 転がったボールは清家の足もとへ。「自分のスピードを警戒して、相手のディフェンダーが下がった」(清家)ことでコースが生まれた瞬間を見逃さず、ペナルティエリアの外から右足を振り抜いた。