宗教やマルチ商法、儲け話やセミナーの悪質な勧誘が社会問題になっています。怪しい勧誘を受けたことがあるESSE読者にアンケートをとったところ、勧誘してきたのは学生時代などの友人だったという人が、意外にもたくさんいました。どのように断ったのか? その後の人間模様などもご紹介します。

学生時代の同級生から突然の連絡。本当の目的は?

進学や就職など、新しい生活をスタートさせる人が多い春。心があわただしくなっているとき、ふと懐かしい友達から連絡がきたらうれしくなりますよね。でもその連絡、もしかしたら裏があるかもしれません。

●同級生と久しぶりの再会。でも向こうの目的は宗教勧誘

「短大のときのお友達から久しぶりに電話がかかってきました。ところが内容は宗教の勧誘だったので『忙しくて〜』と電話を切って着信拒否しました」(北海道・35歳)

「何年も会っていない学生時代の友人から久々にお誘いが。会うとお友達がたくさんできる、会費が安いなどの文言から入り、粘り強く新興宗教に誘われたんです。後から知りましたが、周りの友人も被害に遭っていました」(沖縄県・44歳)

「久しく会ってなかった高校の同級生にバイト先でばったり会い、『ごはんに行こう』と誘われてうれしくなりました。1回目は普通の食事だったのですが、その次に行ったら途中で知らない男の人が出てきて商品の説明をされました。それから信じられなくなり、連絡を断ちました。後日その店に行くと、別の女の子を勧誘していてびっくり」(大阪府・31歳)

学生時代の友人はなんの利害関係もないので、懐かしい気持ちでついつい心を許してしまいがち。でも向こうは組織ぐるみで心の隙を狙っている場合があるので、注意が必要です。

●高校時代のクラスメイトからネックレスを買わされそうに

「話をしたことはあるけれど、それほど仲がよかったわけではない高校時代のクラスメイトから突然連絡が来て、『お茶しよう』と誘われました。とてもうれしかったので行ったのですが、会うと別の人が一緒にいて、話すうちに儲かる話があると言われました。そしてアジトみたいな所に連れて行かれ、ネックレスを買わされそうに。『友達を紹介したらお金が入る』『ほかにもやってる子がたくさんいて、もうかっている』などという話をされました。『友達を紹介して欲しい、彼氏はいるの? 彼氏もやればいいんじゃない?』なども言われました」(北海道・38歳)

この方はうまく断わりきれずに契約しようと話が進んだそうなのですが、印鑑を持ち合わせておらず、後日しっかり契約しようと言って無事に逃げることができたそうです。

「いやだったのでそのまま連絡拒否にしました。会社の人に話したら、それねずみ講でしょ! と言われて。当日印鑑がなくて本当によかったと思いました」

●実家に電話。スキンケアをすすめてくる同級生

「小学校の友人が実家の親に電話してきて、私の携帯番号を聞き出したそうです。その後久々の再会。ところが、友人から出てきた言葉が『私、肌キレイになったと思わない?』。久々に会ったから前の肌なんて分からないと言っているのに、その後も自分が使ってるスキンケアがいかにすばらしいかを延々と説明してきました」(神奈川県・39歳)

この方は、とにかく早く帰りたいというオーラを出したものの「とにかく使ってみて」としつこかったのでサンプルを渡されてしまったそう。もちろんその後のメールはすべて無視したといいます。

●「これ俺のおごり!」マルチの高額なドリンク

「同じゼミの男の子とお茶しようということになり、連れて行かれたのは、マルチ商法で有名な健康食品会社のビル。『これ俺のおごり!』と、その会社が発売している高額なエナジードリンクをくれました。

そのときはすぐ帰りましたが後日、『悩みはないか?』と連れ出され、カフェに行ってみると…。俺の先輩という男の人がいて、『今度パーティがあるから来てみない?』と言われ怖くなって断りました」(福井県・31歳)

●“無料”のエステやスキンケアも要注意

「『エステの練習台になってほしい』と頼まれたのですが、結局、化粧品をすすめられ、セミナーにも誘われました。当時はすっかり染まってしまい、少しの間ですが会員にもなって自分も友達にエステをして化粧品を購入してもらったこともあります。けれど、化粧品にも飽き、これをビジネスにするなんて難しいと気がつき、情熱も冷めていきました」(滋賀県・41歳)

「中学校の同級生から『無料でエステができるよ』と誘われて出かけたら、そこは普通のアパートの一室。エステ後『これを使うと今の美肌をキープできる』とスキンケア一式を紹介されました。商品は自分に合っていると思ったので、結局1万円程のクレンジングを購入。高校卒業後すぐに正社員で働いており、当時はそこそこお金を持っていたのでまったく知らないメーカー品だったにも関わらず即決してしまいました」(長崎県・34歳)

じつはこの無料エステも有名なマルチ商法でした。このケースも、初めに紹介をしてきた中学の同級生が見事にハマり、その後、エステの機器などに100万円近くをつぎ込んでしまっているそう。

「当時はマルチと言う言葉すら知りませんでした。今振り返ると、私の行動もまだ社会の怖さを知らない浅はかなものでした」といいます。

●大切な友人関係を破綻させてしまう勧誘

「友達が、昔の友達からすごく久しぶりに連絡が来て、話を聞いたらマルチだったらしく、とてもショックを受けていました。友達にカモに選ばれたことがなによりショックだと言っていました」(千葉県・43歳)

怪しいと勘づいていても、もともと友達だったから話を聞きに行ったり、助けようと試みた人も。妄信的になっている状況の人を救い出すのは家族でも困難です。

まずは自分が怪しい団体や組織に引きずり込まれないように近づかないことを徹底し、友人の目が覚めたときに助けてあげられるようにする方がいいかもしれませんね。