今や私たちの生活にスマホは欠かせない存在です。一方で、スマホを使うときの姿勢が悪いとストレートネックになり、肩こりなどを引き起こします。整形外科医の竹谷内康修先生に簡単トレーニングを教えてもらいました。

ストレートネックにつながる「スマホ首」の正体

スマホ首とはどんな首のこと? 整形外科医の竹谷内先生によると、「首の骨(頸椎・けいつい)はやや前に反るようにカーブしていますが、スマホを見ているときは頭が下に垂れ、首の骨がまっすぐになります。これが固定化した状態がストレートネックで、スマホ首が大きな原因のひとつです」

スマホ首になると肩こり、首こり、頭痛など多くの不調が。これは、首の骨がまっすぐになることで、頭の重さ以上に大きな負担が首にかかるから。

「その結果、首や肩周辺の筋肉が常にかたく緊張して、首、肩、頭などにこりや痛みが発生するのです。スマホ首の改善は、まずスマホを見るときの姿勢の見直しから。さらに、筋肉をほぐす首トレやストレッチも行ってみてください」

●スマホ首チェックリスト

1つでも当てはまったらスマホ首かも?

・背中を壁につけたとき、壁に後頭部がつかない
・寝違えやすい
・肩こりに悩んでいる
・首を上下左右に動かしたとき、痛みを感じる

●スマホ首を放っておくと…

・呼吸が浅くなる
・シワやたるみが増える
・手がしびれる
・圧迫骨折の危険も

スマホ首を治す3つの簡単首トレ

1日のなかでこまめに首トレを行って、筋肉が固まる前にリセットしましょう。

●チンタック

首の前側の筋肉を鍛えて、前に傾いた頭の位置を体の真上にリセット。頸椎の自然なカーブを取り戻します。

1セット10回、1日3セット。

(1)背筋を伸ばす。スマホ首の人は頭が前に出るが、そのままでOK。

(2)首の前側に力を入れてあごを平行に後ろに引き2秒キープ。10回行う。

●胸伸ばし

猫背だと胸や背中の筋肉がかたくなり、スマホ首に。胸を伸ばすストレッチで猫背を予防。

1セット5秒×5回、1日3セット。

足を肩幅に開いて立ち、両手をお尻の後ろで組む。腕を斜め下へ引っぱり、正面を向いて胸をはる。5秒キープ。

●首伸ばし

手で首を倒して伸ばし、首の後ろや肩回りの緊張をほぐし、肩こり、首こりをラクに。首の角度をずらして、気持ちいい場所を伸ばしても。

1セット10秒×3回、1日3セット。

(1)イスに座り、左手で座面のヘリを持つ。立って行ってもOK。

(2)一度、首を前に倒したら、首を右に向ける。

(3)右手を頭の左側に当てる。ゆっくりと右手で首を右斜め前に押して10秒キープ。

正しいスマホの持ち方

スマホを適切な高さで見て首や肩の負担を軽く!

●スマホ画面を目の高さとそろえる

スマホは高く持ち上げ、できるだけ目の正面で見る。腕が疲れる場合は、逆側の手でひじを支え、指が痛い人はスマホリングを活用すると指の負担が軽くなる。座っているときは机にひじをつき、スマホ画面が目の正面にくる高さをキープする。

●下向きで見るのはNG

スマホをのぞき込む角度が急になるほど、首に負荷がかかる。下を向いたときの首の角度が60度になると、首への負担は約27kgに。