来週の株式相場に向けて=GW明けの日経平均は一段の上昇目指すか

写真拡大

 日経平均株価は2日に前日比34円高の2万9157円と4日続伸。終値ベースでは22年8月17日高値(2万9222円)更新が目前に迫っている。

 4月以降の日経平均は17勝5敗と連日の上昇を演じている。この上昇の要因は、春闘の賃上げが堅調だったことに加え、4月28日の日銀金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正が見送られ、低金利政策の持続が示されたことが大きい。足もとの日経平均の騰落レシオ(25日ベース)は138.00と高水準にある。また、日経平均と移動平均線との乖離率も膨らんでいる。

 当然、一服はいつあってもおかしくない状況だ。ただ、日経平均は22年8月抜けが目指されているが、TOPIXはすでに21年9月下旬以来、1年8カ月ぶりの水準に上昇している。21年9月と言えば、日経平均は3万円台乗せを達成した時期だ。

 米国市場の動向にも左右され、目先は調整もあり得るが、足もとの株価は3万円を意識する展開とみていいだろう。特に、イオン<8267.T>やローソン<2651.T>、キッコーマン<2801.T>や山崎製パン<2212.T>など内需消費関連株に力強い動きが見えていることは注目できる。

 東京市場は3日からゴールデンウイーク(GW)の連休に入るが、海外市場は通常取引で注目イベントが目白押し。今週の最大の焦点は2~3日にかけての米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%利上げが確実視されるなか、これで打ち止め感が出るかが焦点だ。また、3日には米4月ISM非製造業景況感指数、4日には欧州中央銀行(ECB)理事会、5日には米4月雇用統計が予定されている。4日には米アップル<AAPL>が決算発表を行う。

 来週は、海外では10日に米4月消費者物価指数(CPI)が発表され、12日に米5月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。国内では、8日から新型コロナウイルスの感染症法上の分類が「5類」に引き下げられる。9日に3月家計調査が発表される。8日に丸紅<8002.T>、9日に任天堂<7974.T>、三越伊勢丹ホールディングス<3099.T>、10日にトヨタ自動車<7203.T>、日本製鉄<5401.T>、11日に東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、12日に日本電信電話<9432.T>、楽天グループ<4755.T>などの決算発表が予定されている。来週の日経平均の予想レンジは2万8900~2万9600円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS