おうち料理研究家としておなじみのみきママさん。今は大学1年生の長男、高校1年生の次男、そして小学生の長女を育てながら、管理栄養士の資格取得を目指して、自身も大学に通っています。アラフォーからの学び直しの理由や久しぶりの学生生活、大人になって勉強することの楽しさについても教えてもらいました。

みきママさんインタビュー。10代に混じって、大学で学び直し中!

――「おうち料理研究家」として絶大な支持を得ているみきママさん。子育ても多忙を極めている中で、大学へ再入学を決意した理由はなんだったのでしょうか。

【写真】42歳で合格した大学の入学式

みきママさん(以下・みきママ):管理栄養士の資格は、ずっと前から取りたかったんです。料理の仕事をしている以上、栄養の面についても、もっと専門的に語りたいという思いがありました。自分の体力・気力を考えると、40代で大学に再入学が最後のチャンスかなと考えて、挑戦してみることにしました。

――入学の準備などはどうやってされていたのでしょうか?

みきママ:ひたすらガリ勉をして受験しました(笑)。かつて通っていた大学は文系の学部でしたが、栄養について学ぶ学部は、理系の試験勉強が必須。まさにゼロからのスタートだったんです。化学などはYouTubeに上がっている動画を、家事をしながらひたすら耳で聴く…の繰り返しでした。耳で聴きながらの学習は今も続けています。まとまった勉強時間をとるのが難しい大人世代にはおすすめの方法です。英語は長男に教わったりもしました。

●栄養についてもっと語りたい、極めたい

――この春から大学2年生。今は管理栄養士の試験に向けて、ひたすら勉強中とか。

みきママ:4年生になると国家試験を受けるのですが、2年後に備えて、人生でいちばんかもしれないというぐらい勉強しています(笑)。覚えなきゃいけないことは、キッチンのシンク脇の壁に貼り、洗い物や料理をしながら再確認。栄養の基礎知識はもちろん、体の回路についても理解を深めなくてはならないので、時々ワーって、脳内がパニック状態に。そんなときは、カルシウムたっぷりのシラスを食べて、自分で自分を落ち着かせています(笑)。

なにしろ、18歳や19歳の同級生たちがすら〜っと吸収していくことが、43歳になると、3倍ぐらいかけないと覚えられないですからね。焦らず、でも着実に単位は取っていきたい…と思っていたら、同級生の中でも成績がいい部類に入っていました! 大人でも努力次第で勉強についていける、と自分をほめたいですね。

●年齢の離れた同級生たちには自分から話しかけて、今では一緒に勉強をがんばる関係に!

――朝起きて、子どもたちを送り出してから、ご自身も学校へ。キャンパスライフをどう過ごしているのかも気になります。学び直しをしたくとも「親子ほど年の違う人達と一緒に学べるのだろうか」と、不安を感じてしまう人も少なくありません。

みきママ:私は、めちゃくちゃ自分から話しかけています。最近の子って、わりとシャイなので、自分から輪をつくっていこう! と思いました。「みんな〜一緒にご飯食べよ!」って声かけて、友だちがたくさんできました。個別で「今日は楽しかったです!」とLINEが来たりして、みきママは昭和生まれの女なので(笑)、みんなの前で楽しい! って言えばいいのに〜なんて思ったりもするんですが、世代の違いを感じるのもおもしろいんです。

また、みんなの話に耳を傾けることで、若い子の暮らしぶりや考えていることをリアルに感じ取ることができ、そこにも学びがありますね。私が18歳だった頃からは信じられないぐらい、みんな勉強もバイトもがんばっていると尊敬しています。

――10代後半の人の中に40代が混ざることで、新たな刺激も生まれそうです。

みきママ:つい最近も、19歳の同級生と一緒に勉強したんですよ。私が「10代に負けてられないよ〜!」とか言いながら勉強しているから、同級生たちも「40代がこんなにがんばってるんだから、自分も単位を落としたくない」と、いい意味で私の存在を励みにしてもらえているみたいで。年齢が離れている私とも仲良くしてくれて、同級生のみんなには感謝しかないです。

 

●長期的には学びを活かし、健康や美容と、栄養学をつなげていきたい

――最後に、学び直し真っ最中の今、感じること、この先に目指すことを伺いました。

みきママ:大学の授業を終えてから18時頃に帰宅すると、子どもたちはおなかがペコペコ状態。15分でつくれるレシピで勝負! みたいになっているのですが、おかげで短時間でつくれる料理のバリエーションが増えました。新レシピはYouTubeでも発信しています。

将来的には、やはり食はすべての基本になると思うので、栄養学の知識を活かしながら、健康や美容などとも絡めたアドバイスができれば、と思っています。