玄関にシュークロークがあれば、靴はもちろん、掃除道具、子どものおもちゃ、アウトドアグッズなどがきれいに片づきます。日刊住まいライターは、シュークローク内の収納棚のレイアウトをフレキシブルに対応できるよう設計。一部、土間収納を取り入れて、汚れがちなものを扱いやすい工夫も。その仕組みを詳しく教えます。

大容量のシュークロークで、玄関回りをすっきりしたい

わが家は夫、筆者、小学生の息子2人(8歳、6歳)の4人家族。2年前にハウスメーカーで2階建ての注文住宅を建てました。

<間取り>
1階:広い土間のある玄関、手洗い場、トイレ、LDK、楽器も演奏できる趣味室
2階:洗面所、浴室、ランドリールーム、主寝室、ウォークインクローゼット、子ども部屋

家を建てる際、玄関に収納力が欲しかった筆者がこだわったのが、シュークローク。ゲタ箱ではなく、クローゼットのような形にしました。

ハウスメーカーの設計士と相談しながら、既製品を組み合わせているので、セミオーダーに近いですね。ウォークインのタイプではなく、かつ、扉つきにしています。

 

こちらがシュークロークの設計図。新居でシュークロークにこだわったのは、とにかく玄関周りをすっきりとしたかったからです。

2人の子どもの成長とともに、靴の数や玄関に置きたいものは増える一方。それに玄関掃除に必要なチリトリやホウキなども、見えない場所に収めたい…。問題解決のためには、ゆったりとしたシュークロークがピッタリ。

また、ゆったりとしまえる容量があると、はきたい靴や使いたいものがサッと取り出せます。それに、靴だって(たとえば丈の長いブーツや長靴など)傷みにくくなります。

以前の賃貸暮らしでは、パンパンにしまっていたため、ものを取り出すのにひと苦労。おまけに、形を崩してしまうリスクも。お手入れするのも、おっくうになりがちですよね。

そんなわけで、シュークロークには、以下のようなものをしまうこと想定し、大容量にすることにしました。

・家族の靴
・玄関回りの掃除道具
・傘
・外遊び用のためのおもちゃ(フリスビーや縄跳び、シャボン玉など。土汚れなどが気になるもの)
・自転車関連のグッズ(ヘルメット、夜間ライト、鍵など)

 

とくに最近では、自転車用ヘルメットの着用が努力義務になったこともあり、「購入したものの、どこに置こう…」という人もいるのでは? ヘルメットはサイズが大きいので、ゲタ箱には入らないケースも。

わが家は奥行きの深いシュークロークをつくっておいて、結果的によかったです。

 

シュークロークのサイズや仕組み

シュークロークは、玄関の壁の1面を使って設置。ウォールナットの折り戸が2つあるので、収納スペースが2つあるように見えますが、実際は中でつながっています。

クローズドタイプだと、中になにを置いても隠せます。整理が多少行き届いてなくても平気。筆者は来客前に大きな荷物が届いた際は、こちらに荷物を隠すことも。

 

こちらの写真は引き渡し時のもの。奥行きは内寸43.5cm(扉ギリギリまでなら約53cm!)、つながった左右の幅は239cm。可動式の棚が複数取りつけられていて、収めるものに合わせてカスタムしやすいようになっています。

背面の壁紙は、スレにも強い少し固めの素材の壁紙を採用。色も濃いネイビーにして、土汚れがついても気にならないように。

2つあるように見えるデザインの理由は、広くて構造上1枚の扉ではつくれなかったためと、土間部分の収納が欲しかったから(後ほど解説)。

土間収納があると、ラフに使えて便利

土間の収納スペースがあると、土や雨水などで汚れたものも、そのままラフに置けます。ちりとりやほうき、空気入れ、傘…。この手のものを、バタバタして忙しいときに、わざわざきれいにしなくてもしまえるのはありがたい。

また、ラフに置いたせいで土間が汚れても、土間なら掃き掃除をすれば大丈夫です(汚れがひどくなったら、筆者はタイルブラシを利用することも)。

とにかくストレスがありません。

 

靴をはかずに取り出せる設計に

土間とは逆の折り戸のほうは、玄関ホールの床と連続させています。その理由は、土間に下りることなく、はきたい靴をピックアップするため。靴下のまま土間を歩いて、収納から靴を取り出す…という事態を避けることができます。

以前の賃貸暮らしでは、何度注意しても子どもがこれをやめなくてストレスでした。わざわざサンダルをはくのって、意外に手間なんですよね。

 

ちなみに、靴をはく前の段階で取り出したいもの(たとえば段ボールを縛るヒモや、来客用スリッパなど)も、こちらへ収納。ちょっとしたことですが、とても快適です。

可動棚なら、暮らしに合わせて収納方法を見直せる

片づけたいものに合わせて棚の位置を調節できるよう、全面を可動棚にしました。これがとても便利です。実際2年暮らしている間も、何度か棚の調整をしました。ものが増えても、そのたびに収めることができました。

 

ちなみにこの棚のシステムは、住友林業クレストの商品。棚は好みのものを選んで、枚数を調節して購入できます。筆者は、靴用の樹脂でできた棚板、普通の収納に使われる木製の棚板、ポールがついている棚板の3種類を使っています。

靴用の棚板は、靴の先が壁にあたって汚れないようにデザインされていて、とくに筆者のお気に入り。また、樹脂素材の棚板は、汚れが落としやすいのもうれしいです。

可動棚は全部同じ幅なので、どの場所にも棚を入れ替えることが可能。たりなかったら、棚板を追加購入できます。

 

じつは、引っ越してきてから趣味が増え、山登りのための靴(4足分!)、スキー用の靴(2足)、スケボーグッズ(写真中央にスケボー板が3枚)などが増えました。いらないものがないか見直して、棚をパズルのように入れ替えて、それぞれの収納スペースをつくりました(このときは、棚板を買いたさずにやりくり)。

奥行きが深いうえに、大容量。おまけに、収納レイアウトをフレキシブルに変えられるわが家のシュークローク。おかげで、玄関はいつもすっきりです。大満足の結果となりました。