キュルキュル!タイヤの音 立体駐車場でなぜ出やすい? ハンドルを切るとすぐ摩擦音
ショッピングモールなどにある立体駐車場走行すると、ハンドルを切る時にタイヤから「キュルキュル…」といった摩擦音が上がります。なぜ駐車場では鳴りやすいのでしょうか。
アスファルトとは違う感触のワケ
ショッピングモールなどにある複数階の「立体駐車場」。そこを自動車で走行すると、ハンドルを切る時に「キュルキュル…」といった摩擦音が上がります。公道のアスファルト上ではめったに耳にしない音ですが、なぜ駐車場ではこういったタイヤ音が鳴るのでしょうか。
立体駐車場のイメージ(画像:写真AC)。
駐車場などの設計を多く担当する設計事務所によると、これは床面に塗布された「防水塗料」が原因だそうです。高層構造でありながら内部まで雨ざらしになりがちな立体駐車場では、床面のコンクリートやその下の鉄骨構造が雨で浸食されないよう、防水対策を施す必要があるといいます。
この防水塗料は主にウレタン樹脂が原料で、骨材むき出しのアスファルトとは違い、塗布面が滑らかになっています。これにより、タイヤとの間で独特の摩擦音が発生するのです。「キュルキュル音」が鳴っても、タイヤへ通常以上のダメージがあるわけではないといいます。
防水塗料のほかに「防水シート」として、ゴム系アスファルトや繊維強化プラスチック製のシートを敷設することもあります。
表面が一般的なアスファルトに比べて「つるつる」になっていますが、立体駐車場では低速走行が基本となるため、クルマの制動距離に影響するほどではありません。もっとも、駐車場の区画を示す白いラインもまた、特に雨天時には滑りやすくなるため、注意が必要となってきます。これは一般の道路でも同様で、特に横断歩道や路側帯でのスリップには十分気を付けましょう。