京都丹後鉄道へ移籍の「キハ85系」新天地でどう″変化″? 実はもう2両導入 丹鉄に聞く
特急「ひだ」「南紀」などで活躍し、引退が近い「キハ85系」。先日、京都のローカル線へ移籍されることが明らかになりましたが、新天地でどう生まれ変わるのでしょうか。
日本海側のローカル線で「第二の人生」
JR東海の特急「ひだ」「南紀」で活躍した特急型気動車「キハ85系」が、新型ハイブリッド気動車「HC85系」に置き換えられる形で、間もなく引退を迎えます。
そのキハ85系が、京都府北部を中心に走る私鉄ローカル線「京都丹後鉄道」(以下、丹鉄)へ移籍することが明らかになりました。
特急「ひだ」からまもなく完全撤退するキハ85系(画像:写真AC)。
丹鉄の運行を担当するウィラーに取材したところ、2023年3月8日の時点で、「走るのは2両1編成で、内装や外装を変更する予定は無い、2023年度に車両整備を行う予定で、車両の活用法は未定」という回答を得ています。その後さらに取材を行ったところ、以下のことがわかりました。
――2023年度に行う「車両整備」というのは、具体的に何をするものでしょうか?
経年劣化等の通常の整備を行います。
――なぜ今回、キハ85系を導入することになったのでしょうか。
車両を保有する北近畿タンゴ鉄道が中古車両を探していたところ、JR東海さんの当該車両が更新されるにあたりお願いをしており、了承され譲り受けることになりました。
――移籍車がどう使われるのかは未定とのことですが、普通列車か特急列車、あるいは定期列車か臨時列車か、ということもやはり未定でしょうか?
未定です。
――今後、キハ85系をさらに追加で購入される計画はあるのでしょうか?
今回以外に追加の購入計画はありません。
※ ※ ※
京都府の2023年度予算案には「京都丹後鉄道の需要喚起に向けたイベント列車の運行等への支援」という項目で2500万円が計上されていますが、この「イベント列車」というのがキハ85系にあたるのか、 それも現時点では未定だそうです。
「キハ85系ファン」が気になる"あの装備"はどうなる?
――キハ85系のうち、具体的に車体番号何番の車体が、今回丹鉄に来たのでしょうか?
3番、12番です。
(※編集部注:キハ85形0番台、どちらも流線形のパノラマ型先頭車。いずれも1990年初頭に製造され、今年で33歳)
――丹鉄への導入は正式には「2両1編成」ということですが、他にも2両が導入されると聞いています、その2両は先頭車でしょうか、中間車でしょうか。またどんな役割があるのでしょうか?
残る2両も先頭車両です。役割はもっぱら「部品取り車両」で、実際に運行に就く1編成が故障や破損などで部品を必要とした場合に、その2両から部品を取って補充することになります。
※ ※ ※
そのほか、米カミンズ製のエンジン「DMF14系」を換装するか、展望席を含む座席を更新するか、行先表示をLED化するか、「ワイドビューチャイム」と呼ばれる独特の車内チャイムをそのまま使用するかも尋ねましたが、これらも未定ということです。
ひとまず「パノラマ車+パノラマ車」という夢の2両編成で走ることになる、キハ85系の「第二の人生」。運行開始は未定となっていますが、内装・外装だけでなく、さまざまな細かい点で「往時の姿」を残しつつ、日本海とのツーショットを私たちに見せてくれるかもしれません。