立派な道路がプツリ 横浜の住宅街「恩田元石川線」のナゾ どこへ延ばす? 反対側で動きアリ
横浜市の郊外の住宅地、青葉区荏子田2丁目地区に、中央分離帯のある2車線道路が突如として行き止まりとなる場所があります。先は崖と藪。ただし市の都市計画図を見ると、この先への整備計画はあるようです。
道路の名称は「恩田元石川線」
横浜市の郊外、青葉区荏子田2丁目地区に、中央分離帯のある2車線道路が突如として行き止まりとなる場所があります。周辺は住宅地ですが、以上の理由からクルマは滅多に通りません。高規格にも見えるこの道路には、延伸計画などがあるのでしょうか。
横浜市青葉区荏子田2丁目の行き止まり道路。道路は「恩田元石川線」(2023年3月、大藤碩哉撮影)。
道路の名称は「恩田元石川線」。同区鉄町(くろがねちょう)から、この行き止まり地点まで約2.7kmを結びます。横浜市道路局によると、2003(平成15)年11月に都市計画を決定した際、最終的に同区すみよし台〜元石川町間を結ぶ、延長5.86km 幅員22mの路線とするものでした。
しかし、行き止まり地点から北を、つまり計画のある元石川町方面を見ると、そこは崖になっており、上を横断している尾根道の先は竹藪が広がっています。地図上で行き止まりの先をなぞると、約400mのところで日吉元石川線という南北方向の幹線道路にぶつかります。計画はまさに、この道路につなげるというものです。
ただ2023年3月現在、工事などが進行しているようには見受けられません。しかし、崖上の尾根道が橋になっていることを考えると、将来的に恩田元石川線が橋の下をくぐるようになると考えられます。
鉄地区では拡幅事業が始動
一方、この行き止まりの反対側、南に目を向けると進展がありました。
恩田元石川線の中央分離帯は、行き止まり地点から南へ約1.5km進んだ辺りで途切れ、以降は谷筋に沿う曲がりくねった道になります。この中央分離帯が途切れた辺りから横浜上麻生線(新道)との交点まで約1.2kmについて、横浜市道路局が2022年11月、道路整備事業に着手したのです。
鉄地区は谷筋に沿う狭い道だ(画像:横浜市道路局)。
一部には歩道もない曲がりくねった道を、直線に近いルートとしたうえで、自転車通行帯や歩道も設けた幅員22mの道路にする計画です。事業期間は2030年度まで。横浜市道路局は整備効果について、歩道整備による歩行者の安全性向上に加え、幹線道路ネットワークが構築されることで移動路交流の円滑化が図られ、特に災害時には緊急輸送路の機能が強化されるとしています。
また嶮山(けんざん)付近で建設が予定されている、市営地下鉄ブルーライン新駅へのアクセス性も向上するとしています。ただ、用地測量や取得などは今後行われるため、着工はまだ先となりそうです。