「四角い」イメージがある道路標識で、「角が丸い」ものが増加しています。名刺などでは、ちょっと柔らかなイメージを与えるなどといわれますが、道路標識でなぜ角を丸くする必要があるのでしょうか。

やけに角が丸い道路標識を発見

 ビジネスシーンなどで「角が丸い」名刺を目にすることがあるかもしれません。「角丸」や「角R」と呼ばれる処理ですが、実は、名刺よりはるかに大きい道路標識でも、角が丸いものが増えているようです。


角が丸い案内標識の例。国道42号バイパス有田サンブリッジ南詰(和歌山河川国道事務所の映像より)。

 2023年2月、和歌山県を流れる有田川の河口部に国道42号バイパスの新しい橋「有田サンブリッジ」が開通しました。その橋の南詰、T字路に設けられた横長の方面案内標識が、やけに角が丸い、見慣れない形状をしています。地名の文字と標識の端の間隔も狭く、文字が詰まっているようにも見えます。

 このような「角が丸い標識、けっこう使っています」――国道42号を管理する和歌山河川国道事務所はこう話します。四角い標識の角を丸くしたものは、大小問わず増えているのだとか。

「内規でも角にRをつけてよいとしています。一定以上の大きさのものは、Rも大きく見えるので、丸っこい印象を受けるかもしれません」とのこと。

 こうした角が丸い道路標識は、すでに高速道路では一般的なものになっています。NEXCO中日本によると、2002(平成14)年に標識類の設計に関する要領が改訂され、それ以降、基本的に角が丸いものを使っているそう。ただ、NEXCO発足前の日本道路公団時代に改訂されたため、詳細な経緯はわからないといいます。

 では、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 和歌山河川国道事務所は、「角が丸いと取扱いがしやすいです。(架設や点検の際)何かにぶつけにくいですね」と話します。角を丸くするというより、角が立たないことがメリットのひとつのようです。