アニソン界を代表するロックユニット・GRANRODEOが2月、3月と立て続けに、ファン待望の強力な2作をリリース!1作は、2月22日に発売された2枚組ライブアルバム『GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.2』。もう1作は3月15日に発売となるファン待望のシングル、『黒子のバスケ』アニメ10周年を記念して、同作の主人公を演じる小野賢章と初コラボしたGRANRODEO feat.小野賢章「ゼロステップ」だ。あらゆるジャンルとスタイルを横断するGRANRODEO最新作の制作エピソードと、3月11日に開催を控えた全曲アニメタイアップによる日本武道館ワンマンライブ「GRANRODEO LIVE 2023 “Rodeo Jet Coaster”」への意気込みを、KISHOW(Vo)とe-ZUKA(Gt)に聞いた。

INTERVIEW&TEXT BY 阿部美香

爆音ロックバンド・GRANRODEOのイメージを覆す極上のライブ盤



――GRANRODEOの2023年がいよいよ本格始動しました。2月22日にリリースされた『GRANRODEO Live Session “Rodeo Note” vol.2』は、昨年9月に東京・ブルーノート東京で行った同名のアコースティックバンドによるライブセッションを収録した豪華2枚組アルバムですね。

e-ZUKA そうですね。僕らは、2020年から、あのブルーノート東京で“Rodeo Note”というアコースティックバンド編成でのライブセッションシリーズをやっていまして。

KISHOW そうそう、おこがましくも“あの”ブルーノート東京でね。

――ジャズを中心に、あまたの海外トップクラスのアーティストが伝説的ライブを行ってきたという。

e-ZUKA そうなんですよ。1回目は2020年の11月にやらせてもらって、その時の演奏も『vol.1』としてリリースしたんですけど、その第2弾がこれですね。基本的には、いつもはロックバンドとして演奏している自分達の楽曲を、ジャズだったりファンクだったり、ゲストミュージシャンを迎えて全く違うアレンジでお届けしようという企画でして。

KISHOW その前から、アレンジを一新した曲を交えてファンクラブ限定でのアコースティックライブというのは、折に触れてずっとやっているんだけどね、“プラグナシ”っていうシリーズとか、“ Naked Show ”というタイトルでだったり。そこでもGRANRODEOナンバーを、アコースティックな感じで全くアレンジを変えてやることはしてきたんだけど。

e-ZUKA “Rodeo Note”のほうは、タイトルにも“ノート”と名付けたくらいなので、まず会場もブルーノート東京限定。GRANRODEOの曲だけでなく、こっちはカバー曲を交えて、ジャズ・ハウスであるブルーノートにふさわしく、小編成でよりセッション感を高めたライブをちょっと格式高くお届けしようという試みですよね。ドリンクをたしなみながら。

KISHOW 『vol.1』の時はコロナ禍まっただ中だったもんだから、無観客のCSテレビ生中継でお届けしたんですけど、今回の『vol.2』のほうはお客さんにも来ていただいて。ようやくちゃんと“ライブ”ができた気がしてうれしかったし、やっぱり目の前にお客さんがいてくれるとこっちのテンションも上がった。よりいいものをお見せできたんじゃないかという、自負はあるかな。

――GRANRODEOといえば、ハードな爆音ロックバンドのイメージが強いですが、“Rodeo Note”を聴くと同じバンドとはとても思えない。お二人の音楽がお得意のハードロック/ヘヴィメタル一辺倒ではないことは、ファンはよくご存じですが、ここまでジャジーでアダルト、ラグジュアリーなセッションライブを初めて耳にした方は、とても驚くと思うんですよ。

KISHOW うん、そうだよね。僕も自慢のシャウトを封印してますし(笑)。

e-ZUKA それぞれの曲のアレンジ自体も、ロックバンドの演奏を単純にアコースティック楽器に置き換えただけじゃ、面白くない。イントロを聴いただけじゃ原曲が分からない、KISHOWの歌が始まってようやく「あ、あの曲なんだ!」と驚いてもらえるように、ジャンルも様々なアレンジを心掛けてますね。僕らは、“あの曲がこんなになっちゃった!シリーズ”なんて呼んでますけどね(笑)。その上で、『vol.1』は初の“Rodeo Note”でもあるので、ジャジーでおとなしめのアレンジが多かったですが、今回はお客さんもいらっしゃるということで、ファンキーな感じを意識しました。

――ゲストミュージシャンは、GRANRODEOのライブサポートでおなじみの瀧田イサムさんのベースのほか、ドラム&パーカッションにはe-ZUKAさん、瀧田さんと共に栗林みな実さんのバンドでも叩かれている岩田ガンタ康彦さんが。

e-ZUKA はい。この日はSHiNくんがスケジュールの都合で参加できなかったもんですから、GRANRODEOのレコーディングにも以前よく参加してくれていて、ジャジーな曲もお得意な人ということで、ガンタさんにお願いしたんです。ジャジーな曲でいうと、僕らの「進化と堕落の二元論」はガンタさんが叩いてくれてるんですけど、4ビートになるところなんて、やっぱりすごく上手いんですよね。パーカッションもできますし、適任だと思いましたね。

――ピアノ&キーボードは、こちらもGRANRODEOのアコースティック系のライブによく参加されているMaoさん。そしてサックスは、ヒロムーチョさんが担当されました。

e-ZUKA Maoくんは、去年1月の代々木第一体育館での“G16 ROCK☆SHOW”の時、コロナで本人が参加でいなかったというアクシデントがあったので、リベンジしてもらいました(笑)。ヒロムーチョくんは、Adoさんや大黒摩季さん、Superflyのサポートもやっていて、若いけど経験抱負。ソプラノ、アルト、テナーと曲に合わせてサックスを持ち替えてもらえる上に、フルートもクラリネットも吹ける。管楽器をあんなに一度にたくさん持ってくるのは、めちゃめちゃ大変そうでしたけど(笑)、すごくいい演奏をしてくれました。

KISHOW そうそう。やっぱりサックスやフルートが入ると、グッとブルーノートっぽい雰囲気になるし。リハーサルから、気持ち良く歌わせてもらってましたね。

e-ZUKA 今回も1曲目の「アサメシマエのヤサシイセカイ」なんかは、ビッグバンド風のスウィングジャズにアレンジしたんですけど、ヒロムーチョくんがクラリネットができるからというので、似合う曲は何だろう?と選曲したりしましたね。

ジャンルを超えた珠玉のアレンジと名曲カバーも聴きどころ



――今言われた「アサメシマエのヤサシイセカイ」も「BEASTFUL」のカップリングだったり、収録曲を見ると、選曲もシングル曲にこだわらず、幅広くセレクトされていますね。

e-ZUKA そうですね。前回の『Vol.1』もそうでしたけど、こういうジャンルのアレンジがやりたいな、というのが先にあって、それに合う曲はどれかな?と、選んでいった感じですね。シャッフルブルースなら「CRACK STAR FLASH」、ボサノバなら「慟哭ノ雨」、アフロビートなら「フォルテ」、ダンサブルな曲をよりファンキーにしたかった「オレンジピール」、もともとファンクな曲をジャズっぽくした「Soul crazy」、90年代に一世を風靡したアシッドジャズなら「Treasure Pleasure」がいいかな……といった感じで。

KISHOW だから歌うほうも、「こう来たか!」とすごく新鮮でね。アレンジは全部e-ZUKAさんがやってくれてるけど、こういうライブだとなおさら、音楽の引き出しの広さと多さにはいつも驚かされる。オリジナルを聴いたことがなければ、「元々こういう曲なのかな?」と思わせちゃうかも知れないよね(笑)。

e-ZUKA いやそこは、サブスクにもGRANRODEOの曲はあるので、聴き比べていただきたいですよ。あと「JUNK-YARD DOG」「オレンジピール」「Rain Beat」「Soul crazy」や「welcome to THE WORLD」なんかは、今までこの編成のアコースティックバンドでやったことのない曲も多かったので、僕らを知ってる人にはそこも楽しんでいただきたいなと。

――縦横無尽なアレンジを軽々と弾きこなすバンドのグルーヴも楽しいですが、どんな曲調でも歌いこなしてしまうKISHOWさんもすごいですね。

KISHOW お褒めにあずかり光栄です(笑)。僕はもともと、普段のライブでも歌い方を変えたり、フェイクを入れたりして歌うのが好きだし、頭で考えてこうしてやろうと思っていつも歌ってるわけじゃないから、その場でバンドの音に乗せられてるところはありますよね。でも何でも変わったことをやりゃあいい、というわけでもなくて。僕が敬愛する玉置浩二さんなんかも本当にライブが素晴らしいんだけど、フェイクを入れて崩して歌うにしても、聴き手が納得できるものじゃないと意味がない。

e-ZUKA その意味でも、“Rodeo Note”というのは、いわゆるマスターリズムというか。こういう感じですよというアレンジの譜面は僕が作ってますけど、ライブセッションと銘打っているだけあって、演奏の中身はミュージシャンの皆さんの技量とセンスにお任せですからね。僕も「ああ、この時もっとこう弾けたなぁ」という反省も常にあるけど(笑)、ライブ盤というのはそういう一期一会が楽しめるところがいいですよね。

――初回限定盤には当日のライブ映像も同梱されていますしね。

KISHOW そう! 音源で聴くのもいいんだけど、ライブ映像も僕は大変気に入ってますね。リリース前にチェックする段階から、何度も繰り返し観ちゃってたな。

e-ZUKA この音が、どんな風に演奏されてるとか、そういうのが確認できるのもいいですよね。楽器が好きな方にもオススメですし。

――音源だけでも全16曲入りと大ボリュームなんですが、中でもオススメしたい楽曲は?

e-ZUKA KISHOWが選曲したカバー曲は、ここでしか聴けないから貴重ですよね。ロックバンドスタイルのワンマンでは、カバーはめったにやらないですし。

――『Vol.1』の時も、椎名林檎さんの「丸ノ内サディスティック」の映像が公式YouTubeチャンネルでも公開されて話題でしたね。

KISHOW 今回も4曲ほどカバーさせてもらったんだけど、今回はなぜか、何曲か候補を出した中からスタッフに選ばれてしまって、今まで避けていた久保田利伸さんの曲「Missing」も歌わせていただいちゃったんですけど(苦笑)。

――避けてたんですか?(笑)

KISHOW 玉置浩二さんと久保田利伸さんは、手を出しちゃいけないって思ってたんですよ。ご本人の歌唱が素晴らしすぎるから。まぁ思い切って歌わせてはいただいたんで、あとは聴く方に判断はお任せしたい(笑)。

――とても素敵でしたけど。ほかにもKISHOWさんがお好きな桑田佳祐さん、KUWATA BANDの「スキップ・ビート (SKIPPED BEAT)」や女性曲だと一青窈さんの名曲「ハナミズキ」を原曲キーのまま歌われているのも、KISHOWさんらしい。

KISHOW まぁ「スキップ・ビート」も、僕のタイム感というか、もっとブルージーなグルーヴが出せたらなとは思ったりもしましたし。女性の曲を原キーで歌うというのは、僕にとってのこだわりではあるんでしょうね。そのほうが気持ち良く歌えるもんだから。「ハナミズキ」も一青窈さんの島唄感のある独特の節回しも頑張りました(笑)。

e-ZUKA 「スキップ・ビート」も「ハナミズキ」も改めて楽曲の良さを再確認しましたし、GAOさんの「サヨナラ」は、大ヒット曲だったのに僕はちゃんと聴くのが初めてだったから、すごく新鮮でした。カバー曲というのは、そういう意味でも新しい発見があって楽しい。アレンジもできるだけ、オリジナルだったり、その方のライブバージョンを聴き漁って参考にしていますから、GRANRODEOを知らない方にも十分に楽しんでいただけるんじゃないですかね。

KISHOW まぁ手前味噌になっちゃうんで口にするのは恥ずかしいけど、これを聴いたら、皆さんのGRANRODEOに対するイメージも、ちょっと変わるんじゃないかな。リリース日は2月22日で、e-ZUKAさんの誕生日だったから、いい記念になると思うし(笑)。

e-ZUKA 誰の? 俺の?(笑) まぁ、この“Rodeo Note”シリーズも幸い、ファンの方にもとても評判がいいですし、できれば続けていきたいですよね。KISHOWが次に何をカバーしたいと言い出すか、気になるし。

KISHOW うーん、そうだなぁ。場所がブルーノート東京だけに、ジャズのスタンダードナンバーとかもいいんじゃない?

e-ZUKA まだ予定はないですけどね!(笑)

KISHOW 僕らも楽しみに待ちたいですね(笑)。

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『黒子のバスケ』10周年記念ソング「ゼロステップ」は原点回帰の1曲



――そして3月15日にはシングルをリリース。GRANRODEO feat.小野賢章「ゼロステップ」は、TVアニメ版だけでも「Can Do」〜「メモリーズ」まで6曲、『劇場版 黒子のバスケ LAST GAME』の「Glorious days」を合わせて合計7曲の主題歌提供を続けていた『黒子のバスケ』のアニメ10周年記念アニバーサリーソングです。

KISHOW これはもう、じつにありがたい。

e-ZUKA 劇場版が2017年3月だったので、『黒バス』とGRANRODEOがコラボさせてもらうのも、ちょうど6年ぶりくらいになりますが、「ゼロステップ」の情報が出た時も原作ファンの皆さんが喜んでくれていたのが伝わりましたし。

KISHOW 僕は氷室辰也という役でも出演させていただいていましたし、いかに『黒バス』が根強い人気の作品なのかと感慨深く思うと同時に、そこに僕らの曲を求めていただけるのは、うれしいことですよ。GRANRODEOのキャリアにとっても「Can Do」を筆頭に、『黒バス』楽曲は今や僕らの代表曲ですからね。まぁ途中、「メモリーズ」の時はe-ZUKAさんがすごく曲をこねくり回しながら完成させてたなぁという思い出も、印象深く残っていますしね(笑)。

e-ZUKA あはは、そんなこともありましたっけ(笑)。でもそれ以外の曲は、スポーツアニメということもあって、世界観が分かりやすいですからね、意外とすんなり書けてた気はしますよ。

KISHOW あと、黒子曲に関しては、僕がバスケットボールがもともと好きだというのも、良かったんですよ。作詞の際にもパッションやエナジーを、より注げたので。

e-ZUKA たしかにKISHOWの言う通りで、GRANRODEOの歴史は、明らかに2012年の「Can Do」以前、以降で分かれますからね。

KISHOW それより前、2010年にワンマンライブ“G5 ROCK★SHOW”を日本武道館でやれたことも節目ですけど、その後を『黒バス』の曲たちに方向づけてもらえた感じはありますよね。あえて言わせてもらうなら、『黒子のバスケ』がGRANRODEOにとっての「ゼロステップ」だったんだな、と。そこから、僕らの第2章的なものを加速度を付けてスタートできたんで。

e-ZUKA おぉっ!(笑) 曲と繋がった。

KISHOW いや、今ふと思い付いただけなんだけどね(笑)。

――そもそも「ゼロステップ」は、FIBA(国際バスケットボール連盟)やJBA(日本バスケットボール連盟)が5年ほど前あたりから採用した、トラベリングに関する新ルール、新しい概念ですよね? “ボールをキャッチするのと同時に踏んだ足は0歩目(ゼロステップ)として数える”ようになり、トラベリングの反則を取られるまでのステップを、1歩多く使える。選手同士の駆け引きが豊かになり、よりスピーディーに展開できるようになったとか。

KISHOW お、勉強しちゃいました?(笑)

――はい(笑)。それ以降、KISHOWさんが大好きなNBAでは、ユーロステップやステップバックショットなど、ゼロステップを活用したオフェンスパターンが浸透したそうで。

KISHOW そうそう。ゼロステップは、NBAのPhiladelphia 76ers(フィラデルフィア・セブンティシクサーズ)のジェームズ・ハーデン選手のプレイが発端で、そこから国際ルールへと波及したと記憶してるんだけどね。

e-ZUKA ほう……今ちゃんと把握しました、バスケの専門用語だと(笑)。僕はタイトルをKISHOWから聞いた時、10周年を機に原点回帰するような意味で、ワンステップより前のゼロステップという言葉を選んだのかと思ってました(苦笑)。

KISHOW そう捉えてもらっても全然OK。確かに『黒バス』サイドからも、今回のアニバーサリーソングは“原点回帰”的なキーワードをもらっていたとe-ZUKAさんも言ってたし。

e-ZUKA ルールを知ると、さっきの『黒子のバスケ』がGRANRODEOにとっての「ゼロステップ」だったというのも、なおさら納得だな。

『黒子のバスケ』とGRANRODEOらしさを全開に!

――『黒子のバスケ』の制作チームからは、具体的にはどういうオーダーがあったんですか?

e-ZUKA いや、まさに今言った通り、原点に立ち返って、「Can Do」のイメージのスポーティーな楽曲がいいというのと、黒子テツヤ役の小野賢章くんのボーカルをフィーチャーするという話はまずありました。なので僕の感覚としては、GRANRODEOの曲ではあるけれども、キャラソンとまではいかなくても、完全にアニバーサリーソング、“『黒バス』の曲”として作ろうと思いました。なので、ヘンなプレッシャーは逆に全くなかったですよね。

――プレッシャー?

e-ZUKA GRANRODEOの完全新曲です!ということだと、今までやってこなかった新しい要素だったり、「あー、こう来たか!」と、いい意味で聴き手を裏切るフックやチャレンジを盛りこまなくちゃいけないんですよ、やっぱり。でも「ゼロステップ」の役割は、まずは作品のファンの人達に喜んでもらうこと。この10年間を懐かしく振り返って、「『黒子のバスケ』ってこれだよね!」と言ってもらえる曲にしたかったので、メロディーやトラックも原点回帰した「Can Do」っぽさ、アメリカン・ハードロック感を、あえて表に出しました。

KISHOW イントロからもう「Can Do」っぽいもんね(笑)。

e-ZUKA そう。「Can Do」のイントロのギターのリフは、メロが下から上に音が上がっていく感じですけど、「ゼロステップ」は逆に上から下に音が下がっていく感じにしたとか。そういうセルフオマージュ的な要素は、随所に盛りこませてもらってますね。

KISHOW だからね、去年第一報としてYouTubeで「ゼロステップ」の新作アニメ映像によるMVというのが公開された時もそうだったし、ラジオとかでかけてもらってからもそうだけど……。

e-ZUKA 初めて聴いた曲なのに、みんな「懐かしい」「GRANRODEOらしい」と言ってくれますよね。

KISHOW そうそう。僕も同じような経験があるのよ。2000年にサザンオールスターズが「TSUNAMI」を出したじゃない? 完全新曲だけど、サザンらしさが全開で、最初から懐かしさを覚えた。「ゼロステップ」もそういう曲なんだと思ったんですね。僕らもデビューから18年ほどになるけど、GRANRODEOブランド、『黒子のバスケ』ブランドという“らしさ”を、皆さんに知ってもらえているし、皆さんの中にちゃんと存在してるんだなと。「初めて聴いた気がしない」という感想をもらった時、サザンの「TSUNAMI」を思い出して、胸が熱くなりましたよね。

――KISHOWさんの歌詞のほうで、意識したことは?

KISHOW サビの頭に全てが集約されてますよね。〈ゼロステップなスローモーション 一歩目の大切は〉という。10年経った今だからこそ、初心に戻ってかけられる言葉というのかな。僕らが『黒バス』に提供してきた曲に登場するいろんなワードも入れましたし、原点回帰という意味でコーラスに僕らのデビュー曲の「Go For It!」というフレーズを忍ばせてもいます(笑)。とにかく、「Can Do」再び!は意識しつつ、同じようにみんなに前向きになってもらえる『黒バス』曲を目指しました。歌詞も多分ね、初めて聴いた気がしない感じになってるんじゃないかな(笑)。

――ちなみにGRANRODEOの楽曲で、KISHOWさんとどなたかがデュエットするのも初めてですよね?

e-ZUKA そうですね。FLOW×GRANRODEOで3人ボーカルというのはありましたけど、GRANRODEO名義の曲では初ですよね。小野賢章さんとは、アニサマ(「Animelo Summer Live 2015 -THE GATE-」)で、僕らの「変幻自在のマジカルスター」をコラボしたことはありましたけど。

KISHOW 懐かしいな。まぁ、曲を作ったのがGRANRODEOなんで、“feat.小野賢章”という書き方にはなってますけど、『黒バス』視点からいうと賢章がメインであってほしいと思ったので、キーも彼に合わせてe-ZUKAさんが書いてくれたし、僕はサポート役に回る感覚で歌わせてもらう気持ちで。だから、本当はもっと、賢章が歌うパートが多くて全然良かったんですけどね。

――KISHOWさんと賢章さんの歌い分けも、掛け合いをしている感じで楽しいですよね。

e-ZUKA 僕がレコーディング当日に、掛け合いを多くしちゃったんです。一緒に歌って、お互いソロがあって、また一緒に歌って、みたいなほうが、聴いてても楽しいじゃないですか。

KISHOW それが良かったよね、こう……お互いの個性がチーム感みたいなものを醸し出して。

e-ZUKA そう、とくにAメロの後半の〈泣きそうなんです 僕はまだ やれそうなんです もう少し〉のKISHOWと賢章さんの掛け合いは、さっきの“Rodeo Note”じゃないけど、セッション的にしたかったんですよ。二人の後ろでギターでリフを鳴らしてるんですけど、君たち2人だけじゃないんだよ、僕も一緒にギター弾いてるんだよ! 俺たち仲間じゃん!とね(笑)。

KISHOW なんか、すごくいい話っぽいぞ!(笑)

――賢章さんのレコーディングは、e-ZUKAさんがディレクションされたそうですが、いかがでした?

e-ZUKA やっぱりね、声優さんだけあって、いい声ですよね。KISHOWと比べると可愛いらしい感じなのも、二人が合うといい感じにミックスされますし。基本的には賢章さんの感覚を大事に歌ってもらったんですけど、2ヵ所くらいだったかな? どうしても歌い直したいと、こだわっていたのが印象的ですね。

KISHOW ボーカルレコーディングは別々だったので、僕も後から賢章の歌を聴いたんだけど、今回、GRANRODEO盤という方には、僕が全部を歌った「ゼロステップ -GRANRODEO ver.-」というのがカップリングされるんですけど……逆にね、全編を賢章が歌ってる“小野賢章ver.”も聴きたかったな。

e-ZUKA それでいうと、他の声優さんにも、それぞれのキャラクターで「ゼロステップ」を歌ってもらえたら楽しいでしょうけどね。

KISHOW それはいいな。あとキセキの世代の6人全員で歌う「ゼロステップ」とかね。テーマソングっぽくていいじゃない。きっと売れます!(笑)。



FLOWをゲストに迎えて贈るアニメタイアップ全32曲を放出!



――そして間もなくやってくる3月11日、東京・日本武道館にて、2023年のワンマンライブ第一弾となる「GRANRODEO LIVE 2023 “Rodeo Jet Coaster”」が開催されます。このライブは、なんと全曲アニメタイアップのセットリストだという、豪華な内容が既に発表済みです。

e-ZUKA 2021年に僕ら、”Rodeo Coaster”というワンマン2daysをやりまして、そのうちの1日が、アニメタイアップを中心にしたシングルリードナンバーで構成したんです。で、今回はその”Rodeo Coaster”をさらにパワーアップして、僕らのアニメタイアップ曲32曲を全部やっちゃおう!という。だから、”Rodeo Coaster”に “Jet”を付けて、”Rodeo Jet Coaster”と名付けました。

KISHOW まだ誰もやったことのない、全曲アニメタイアップ!(笑)

e-ZUKA ま、FLOWがやってますけどね、“アニメ縛り”というのを(笑)。

KISHOW そのFLOWも、ゲストに呼んでますから、恨みっこなしな感じですよ(笑)。

――ということは、全32曲の中には、FLOW×GRANRODEO名義で『七つの大罪』の主題歌を歌った2曲も盛りこまれる?

e-ZUKA いや〜、それはどうかな!(笑)

――具体的なセットリストがどうなるかにも期待ですね。32曲って相当ハードですよ?

e-ZUKA そうなんですよね。タイアップ曲だけに全曲が強い曲ばかりですし、曲を並べてみたら、バラードっていうのがほとんどないんですよ。

KISHOW 気が抜けないよね。

e-ZUKA まさに体力と気力の勝負であることは確かなので、そのあたりは、上手いこと工夫してお届けできたらなと。

――武道館ワンマン自体も、“G12 ROCK☆SHOW”以来、約5年半ぶりですしね。

KISHOW そうそう。僕らの周年祭であるGナンバリングライブも、出発点は日本武道館だったし、ワンマンでもイベントライブでも何度も立ってきた会場ではあるけど、やっぱりね、武道館はロックバンドにとって特別な場所だから。そこで記念碑的なワンマンをやれる喜びというのを、噛み締めたいですよね。

e-ZUKA 皆さんがご存じの曲もたくさんやりますから、GRANRODEOのライブを観たことがないという方にもオススメです。お誘い合わせの上、ぜひ遊びに来てください!

●リリース情報

『GRANRODEO Live Session“Rodeo Note” vol.2』

2月22日発売

■mora

通常/配信リンクはこちら

【初回限定盤(CD+BD)】



品番:LACA-39952〜3

価格:¥4,950(税込)

【通常盤】



品番:LACA-9952〜3

価格:¥3,300(税込)

<CD>

[Disc 1]

01. アサメシマエのヤサシイセカイ

02. JUNK-YARD DOG

03. CRACK STAR FLASH

04. 慟哭ノ⾬

05. Rain Beat

06. サヨナラ

07. Missing

08. フォルテ

[Disc 2]

01. オレンジピール

02. phoenix

03. Passion

04. ハナミズキ

05. スキップ・ビート(SKIPPED BEAT)

06. Soul crazy

07. Treasure Pleasure

08. welcome to THE WORLD

<Blu-ray>

ライブ映像

『黒子のバスケ』アニメ10周年記念アニバーサリーソング

「ゼロステップ」GRANRODEO feat.小野賢章

3月15日発売

【『黒子のバスケ』アニメ10th盤】



品番:LACM-34351

価格:¥3,520(税込)

ゼロステップアクリルフレーム封入

<CD>

1.ゼロステップ

2.ゼロステップ(OFF VOCAL)

【GRANRODEO盤】



品番:LACM-24351

価格:¥1,430(税込)

ゼロステップアクリルフレーム封入

<CD>

1.ゼロステップ

2.ゼロステップ-GRANRODEO ver.-

3.ゼロステップ(OFF VOCAL)

●ライブ情報

GRANRODEO LIVE 2023 “Rodeo Jet Coaster”

2023年3月11日(土)

会場:日本武道館

開場 16:00 / 開演 17:00

チケット料金:
全席指定 9,800円(税込)

※枚数制限:お一人様1公演につき4枚まで

チケット一般発売中!

≪一般発売情報≫ (チケットぴあ/イープラス/ローチケ)

受付期間:3月11日(土)16:59まで

お申込みはこちら

・ぴあ Pコード:231-776

・イープラス

・ローチケ Lコード:73794

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GRANRODEOオフィシャルサイト

https://granrodeo.net/