私たちは、所得税や住民税、消費税といった様々な税金を納めています。そのうち所得税と住民税は、所得に対してかかる税金です。所得税は国税のため税務署に、住民税は地方税のため居住する自治体の役所に届け出る必要があります。住民税を申告しなければならないのはどんな人でしょうか。また、所得税は確定申告で申告をしますが、住民税はどのように申告をすればよいのでしょうか。

住民税の申告が必要なのはどんな人?

確定申告や年末調整で所得税を申告した人は、その情報が税務署から市区町村へ送られて、住民税の計算が行われます。そのため、確定申告や年末調整をした人は住民税の申告が必要ありません。住民税の申告が必要な人は、確定申告や年末調整をしておらず、主に下記の条件に当てはまる人です。

・配当所得、事業所得、雑所得など、20万円以下の給与所得以外の所得がある人
・年金受給者の確定申告不要制度を利用した公的年金受給者で、年金以外の所得があった人
・課税(非課税)証明書の発行が必要な人

課税(非課税)証明書は、医療費控除などの各種控除を受けようとする場合、児童手当や奨学金などの申請、公的年金の受給手続き、保育園などの申し込み、住宅ローンの借り入れ時、所得制限がある公営住宅の入居申し込みなど様々なシーンで必要になります。該当する人は住民税を申告しましょう。

また、配偶者控除を受けるため、給与所得を年間でギリギリ103万円以下に抑えている人は要注意。所得税の基礎控除額が48万円なのに対し、住民税の非課税限度額は45万円と3万円の差があるため、年間100万円以上の給与所得がある人は、所得税は非課税ながら、住民税は課税対象となる可能性があります。

住民税の支払い方法は?

住民税の申告には、以下の源泉徴収票や帳簿、領収書など所得を証明する書類と受けたい控除に関する書類、マイナンバーカードや運転免許証といった本人確認書類が必要です。

住民税の支払い方法は、普通徴収と特別徴収の2通りです。
給与所得者の場合は基本的に「特別徴収」に該当し、毎月の給与から天引きされます。その他の人は「普通徴収」が適用され、毎年5月から6月頃、区市町村から自宅へ送付される納税通知書に基づき、一括もしくは年4回の分割払いで支払います。特別徴収に該当する人でも、給与からの天引きに抵抗がある人や一括で支払いたい人などは「普通徴収」を選ぶことができます。

所得税を申告する必要がない人でも、住民税は申告が必要なケースがあり、申告を怠ると延滞金が発生する可能性があります。申告の義務がない場合も、住民税を申告することで保険料が算定され、課税・非課税証明書の発行も可能になります。前年に収入がない、もしくは公的年金収入のみといった理由で確定申告が不要な人も、住民税の申告を忘れないようにしましょう。詳しい対象者や申告方法は、最寄りの自治体でお確かめください。