『女神[テミス]の教室〜リーガル青春白書〜』(フジテレビ)

写真拡大

2022年10月クールのドラマで、特に人気だったのが『silent』と『エルピス-希望、あるいは災い-』。久しぶりに民放の連続ドラマにがっつりハマったという人も多かったようだ。では、2023年も2月に突入するが、1月クールのドラマはどうだろうか?第1話から見始めたものの、脱落してしまった作品も有れば、一方、ネットでの評判や友人・同僚からの口コミで、途中参戦した作品も有るかも知れない。今回は、3つのキーワードを元に、今期のドラマに注目してみよう。

【関連写真】距離感に熱が出そう、門脇麦×山田涼介の『親僕』カット

まず、最初のキーワードは「声優の躍進」。『DEATH NOTE』の主人公・夜神月役をはじめ、『機動戦士ガンダム00』、『文豪ストレイドッグス』、『ハイキュー!!』など多くの人気アニメに出演して来た声優・宮野真守が、現在、フジテレビの月9ドラマ『女神[テミス]の教室〜リーガル青春白書〜』に出演中だ。

しかも、北川景子が演じる主人公の親友役という重要なポジション。宮野は昨年、『DCU』、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』、『君の花になる』という3作品に出演。2020年には、あの『半沢直樹』にも出演していた。そもそも、最近の人気声優の多くは、アーティスト活動もしており、ライブはもちろん、ミュージカル等、人前でのパフォーマンスを普通に行っているので、テレビドラマに進出して来ても何ら不思議ではない。もっと早く、もっと多くの声優が進出して来ても良かったのではないか?と思うほどだ。

もう1人、ベテラン声優で言うと、津田健次郎も最近よくドラマで見かけるようになった。津田は『テニスの王子様』や『僕のヒーローアカデミア』、『呪術廻戦』といった多くの人気アニメに出演して来たが、俳優としても、最近では『最愛』や『オールドルーキー』、『クロサギ』などに出演。そして、今期は、日本テレビ『リバーサルオーケストラ』に出演中だ。もはや、名バイプレイヤーか?といった存在感を醸し出している。あまりアニメや声優に詳しくない視聴者は、「この俳優、最近よく見るようになったな…」と思っているかも知れない。

そして、もう1人。『ドラえもん』のジャイアン役や『ヒプノシスマイク』の山田一郎役、最近では映画『THE FIRST SLAM DUNK』で桜木花道役を演じた木村昴にも注目したい。木村は、俳優でもなかなか前例が無いと思われる2期連続での大河ドラマへの出演を果たしている。前作『鎌倉殿の13人』では、以仁王役を演じ、今回の『どうする家康』では、渡辺守綱役を演じているのでこれからの活躍が楽しみだ。

今回紹介した3人は本業が声優であるゆえ、ドラマ内でもセリフ一言の表現で、視聴者を惹きつける。さらに、木村は、彫りが深い端正な顔立ちなので、大河ドラマでは、そのビジュアルでも存在感を示していけそうだ。芸人が当たり前のように俳優としてドラマに出演するようになって久しいが、今後、声優陣が進出してくるとドラマがますます面白くなるに違いない。ちなみに、宮野は日本テレビ『ぐるナイ』の人気企画「ゴチ」へのレギュラー出演が決定。木村はPrime Videoで配信される令和版『風雲!たけし城』への出演が決定しており、2人は今年、バラエティ番組でも、お茶の間に浸透していくことだろう。

続いてのキーワードは、「ネット漫画原作」。これまでにももちろん、漫画原作のドラマは山ほどあったが、今は、スマホで手軽に漫画が楽しめる時代。年末年始のテレビCMを思い出してみて欲しい。「ブックライブ」、「コミックシーモア」、「Renta」、「めちゃコミック」といった漫画アプリのCMが大量に流れていた。そして、そんな漫画アプリで人気を博した作品がドラマ化される…というのも時代の当然の流れと言っていいだろう。

そんな中、今回ジワジワと盛り上がっているのがNHK『ワタシってサバサバしてるから』だ。各漫画アプリで配信されている人気作品だが、主人公・網浜奈美を演じたのは、丸山礼。原作ファンも納得のハマり役である。

他にも、現在放送中のMBS『あなたは私におとされたい』やBSテレ東『わたしの夫は-あの娘の恋人-』といったドラマも漫画アプリで人気だった作品だ。今はまだ、深夜帯などが中心だが、いつか月9や日曜劇場といった枠で、ネット漫画原作のドラマが放送される日が来るかも知れない。

そして、最後は、やはり「主題歌」に注目したい。今も昔もドラマのビッグヒットには、欠かせない要素。去年ブレイクしたアーティストが着実にドラマ主題歌へと進出してくるのも面白い流れだ。例えば、今期で言うと、マカロニえんぴつとVaundyが主題歌に起用されている。マカロニえんぴつは、TBSの金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』の主題歌を担当。『リンジュー・ラヴ』という楽曲をドラマのために書き下ろした。

Vaundyは、前述した月9で、主題歌『まぶた』を歌っている。こちらもドラマのための書き下ろしだ。一昔前であれば、若手アーティストがドラマ主題歌を担当するとなると、大抜擢と言われたかも知れないが、実は、Vaundyは既に何度もドラマ主題歌を担当している。前クールでも、ドラマ版ファーストテイクと言われた仲野太賀主演の『ジャパニーズスタイル』の主題歌を担当。さらに、2020年には、令和版『東京ラブストーリー』の主題歌も担当している。既に、ドラマの力を借りなくとも大ブレイク中の2組ではあるが、改めて、ドラマに寄せて書き下ろされた主題歌からも、その魅力を感じてみて欲しい。

他にも、今クールの主題歌では、草磲剛主演の『罠の戦争』の主題歌、香取慎吾とSEVENTEENの『BETTING』や吉高由里子と北村匠海主演の『星降る夜に』の主題歌、新人の由薫が歌う『星月夜』などが話題だ。ドラマとの相乗効果でのヒットに期待したい。

今回は、3つのキーワードを元に、この冬のドラマに注目したが、あと1か月もすれば、4月期のドラマ情報が出てくるだろう。既に、スペシャルドラマとして放送されていた木村拓哉主演の『教場』が、月9枠で連続ドラマとして放送されることが発表されている。木村の久しぶりの月9出演ということで、大きな話題を集めそうだ。今回挙げたキーワード以外にも、「脚本家に注目」、「芸人俳優に注目」、「バイプレイヤーに注目」など、自分なりの注目ポイントをいくつか用意しておくと、毎クールの楽しみが広がるかも知れない。

誰もがリアルタイムで見ずにはいられない、続きが気になってしかたない、Twitterでつぶやかずにはいられない…、2023年は、そんな社会現象となるような大ヒットドラマの誕生に期待しよう。

【あわせて読む】『リバーサルオーケストラ』主演・“カメレオン女優”門脇麦、服より釣りのギャップに満ちた素顔