by Marco Verch Professional Photographer

アメリカの医薬品メーカーであるモデルナは、新型コロナウイルスワクチンの価格設定を、接種1回あたり現在の約26ドル(約3400円)から110ドル(約1万4500円)〜130ドル(約1万7200円)の範囲で値上げすることを検討していることを明らかにしました。この価格設定について、モデルナのCEOであるステファン・バンセル氏は「適正価格です」と述べています。

Moderna CEO: 400% price hike on COVID vaccine “consistent with the value” | Ars Technica

https://arstechnica.com/science/2023/01/moderna-may-match-pfizers-400-price-hike-on-covid-vaccines-report-says/

これまで、モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンはアメリカ政府に購入され、国民に無料で提供されてきました。モデルナとアメリカ政府が2022年7月に結んだ契約では、接種1回あたりワクチンの価格が約15ドル(約2000円)から26ドル(約3400円)に値上げされています。

新型コロナウイルスワクチンの値上げは、アメリカの医薬品メーカーであるファイザーも2022年10月に発表しています。アメリカ政府との契約終了後、ファイザーはワクチンの価格を接種1回あたり約30ドル(約4000円)から110ドル(約1万4500円)〜130ドル(約1万7200円)に値上げして市販することを発表しています。価格調整を伴うワクチンの商用市場への移行が進む中で、モデルナもファイザーの値上げに追従したというわけです。



バンセル氏はアメリカの経済新聞であるウォールストリートジャーナルのインタビューの中で、「この価格設定は価値に見合っていると思います」と述べています。

一方で、2022年12月にはファイザーのアルバート・ボーラCEOに対して上院議員のエリザベス・ウォーレン氏やピーター・ウェルチ氏が「見苦しい不当な利益を上げている強欲な企業です」と痛烈に(PDFファイル)批判し、新型コロナウイルスワクチンの値上げの撤回を求めています。

モデルナは2023年1月9日に、2022年の新型コロナウイルスワクチンの売上高が合計で約184億ドル(約2兆4300億円)で、2023年には最低でも50億ドル(約6600億円)を計上すると発表しています。