本州の平野部でもまとまった積雪が予測されるなか、冬タイヤへの交換が十分に進んでいないこともあり、道路管理者が警戒を強めています。場合によっては、高速道路と国道の双方が長距離にわたり通行止めとなる可能性があります。

タイヤ交換、進んでない! 雪予報にNEXCO警戒

 2022年12月1日から2日にかけ、東北地方の日本海側を中心に、平野部でもまとまった積雪が予測されています。
 
 このためNEXCO東日本は11月30日現在、「降雪状況により、通行止めによる集中除雪を実施する場合があります」とし、冬タイヤ装着とタイヤチェーンの携行、広域迂回の実施や通行ルートの見直しなどを呼び掛けています。


東北道の青森県内、碇ヶ関IC〜大鰐弘前ICの様子。11月30日16時頃(画像:NEXCO東日本)。

 近年、大雪による車の立ち往生が頻発していることから、道路管理者も対策を強化し、早め早めの広報を行うようになっています。これからの冬期間に向け、NEXCO各社が雪氷対策の取り組みなどを相次いで発表するなかで到来した降雪予報です。今回は、特に注意が必要かもしれません。

 というのも、冬タイヤの装着などがあまり進んでいない可能性があるためです。

 NEXCO東日本新潟支社は11月、2回に分けて管内のSA・PAで冬タイヤの装着率調査を行っています。11月15日の段階では全車平均で46%、22日の段階では同58%という結果でした。大型車は87%に達していますが、小型車はまだ40%にとどまります。

 冬タイヤ装着率調査についてNEXCO東日本は、「高速道路を利用される前の方に向け、(冬タイヤ装着などを)強く呼びかける」ものだと話します。

大雪による通行止め範囲も拡大へ?

 積雪した道路では、1台の立ち往生が、何千台を巻き込む大規模な車両滞留につながりかねません。このため道路管理者も、車両滞留を防ぐ観点から、集中的な除雪を行う「予防的通行止め」を行うようになっています。

 さらに、通行止めは高速道路だけでなく、並行する国道なども同時に行われる可能性があります。相次ぐ車両滞留を受け、2021年度から国を始めとする道路管理者は、高速道路を止めても国道は通すといった「ネットワークを確保する」観点から、「躊躇なく止める」という方針へ転換しているのです。


冬の新潟県内の高速道路では、ノーマルタイヤの普通車によるスリップなどが多発しているという(画像:NEXCO東日本)。

 近畿では、北陸地方に接する滋賀県と国、NEXCOなどが合同で、「大雪時における名神高速の通行止め範囲を拡大する」旨の発表を11月28日に行ったばかりです。

 従来は八日市ICから東を通行止めにしていたところ、より京都寄りの栗東湖南ICから通行止めとするとしています。八日市ICから国道8号経由で北へ向かうクルマが、降雪地域で相次ぎ立ち往生した事例から、非降雪地域の栗東湖南ICで降りてもらい、迂回経路の選択を可能にするとしています。