5年目を迎えた駒木結衣キャスター

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YouTubeやニコニコ生放送など複数のネット媒体で、24時間365日生配信されている気象情報番組「ウェザーニュースLive」。最新の天気予報もさることながら、ほのぼのとしたキャスターのトークに癒やされる人が続出中で、ファンによる切り抜き動画は1000万回以上再生されることも!

週プレNEWSでは、現在11名が出演中のキャスターの中から5名にインタビュー。第4回はこの10月で5年目を迎え、飾らない笑顔と素直な性格で視聴者から親しまれている駒木結衣キャスターが登場!

【画像】視聴者から親しまれている駒木結衣キャスター

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――まず最初にキャスターに応募したきっかけをお教えください。

駒木 地元の宮城県で東日本大震災を経験して、何か役立つ情報を伝える立場になりたいと思ったことがきっかけです。そこから就職活動でキャスターやアナウンサーを目指して、ウェザーニュースのオーディションに応募しました。

――この10月で5年目を迎えましたが、改めて番組の魅力はどういうところだと感じていますか?

駒木 予報センターと隣接したスタジオから24時間生配信でお送りしているので、常に最新情報を伝えられることが強みだと思います。あとはやっぱり、みなさんとの距離感ですね。視聴者の方々のコメントが常に表示されるので、参加型の番組になっていると思います。

――駒木さんは視聴者からのコメントに笑わされて、撃沈している場面も多いですよね。

駒木 そうなんです(笑)。みなさん本当におもしろくて、私の笑いのツボを押さえてくるんですよ。

――特に印象に残っているコメントはありますか?

駒木 私が失敗したときや、ハプニングが発生したときに、「ええんやで」とコメントしてくださる方がたくさんいて。「大丈夫だよ」とかもうれしいんですけど、「ええんやで」の5文字からは、やさしさやあたたかさを感じるんです。見守っていただいているなぁと思いますね。

――1人のキャスターが3時間を担当するので負担も大きいと思うんですけど、どんなことを意識して番組を進行しているんですか?

駒木 絶対にミスしないと思うと硬くなりすぎてしまうので、ミスしたときやイレギュラーな状況が起きたときに、どう柔軟に対応するかを意識しています。普段から先輩方の放送を見たり、自分の過去の失敗を見返したりして、イメージトレーニングしています。

――過去の失敗というのは?

駒木 笑いのツボに入りすぎて、視聴者さんを置いてきぼりにしちゃったこととか......。あと、地震の速報が入ってきたときに、しっかり伝えなきゃと思うあまり早口になってしまったり、声が上ずってしまったりしていたんです。そういうときこそ声のトーンを下げて、ゆっくり伝えなきゃいけないんですけど、ようやくこの1〜2年でできるようになってきたかなと思います。

――そう簡単にできることではないですよね。個人的には駒木さんは言葉遣いが素敵だなと思っていて。教育テレビを見ているような気持ちになるんです。

駒木 教育テレビですか(笑)。特に意識したことはないんですけど、日頃の言葉遣いが出てしまうのかも......。私は歳の離れた弟がいて、「かわいいね〜、よしよし」って、昔から自分のことを小さいお母さんだと思い込みながら接してきたので、その影響かもしれないです。一緒に教育テレビも見ていましたし。

――絶対その影響だと思います!

駒木 今ご質問いただいて気づきました。もう大きくなったので、赤ちゃん扱いすると怒られるんですけどね(笑)。

――きっと読者は弟さんがうらやましいと感じていると思います(笑)。番組内で好きなコーナーを教えていただけますか?

駒木 お天気が好きなのは大前提ですけど、おやつリポート、ランチリポートが私の元気の源です。あとはワンちゃん、ネコちゃん、お馬さんとか、動物のリポートをいただくと癒やされますね。やっぱり3時間ずっと真顔でやっているのもよくないと思うので、緩急をつけることは大事にしています。

――天気予報だけで3時間もたせるのも大変ですよね。

駒木 私も最初は「3時間も何を話すの?」と思っていたんですけど、全国の天気を扱っていると3時間あっても足りないくらいなんですよ。なので、どうしても主要都市の天気をメインに伝えることが多いんですけど、番組は全国から見ていただいているので、今日はここの天気を深掘れなかったなとか、申し訳ない気持ちになることもあるんですよね。

――そうだったんですね! この秋の天気で注目してほしいことはありますか?

駒木 「天高く馬肥ゆる秋」という季節の言葉があるんですけど、秋は空が高くなって、気候もちょうどよくなって、馬も食欲増進して肥えていくという意味なんです。その言葉通りに、秋の空の高さとか、雲の形とか、あとは秋の味覚をたくさん堪能していただきたいなと思います。

――空が高いというのは、どういう感じなんですか?

駒木 秋は移動性高気圧が西から覆ってきて、乾燥した空気の影響で空が澄んで青く見えるんです。その影響で他の季節よりも空が高く感じるので、ぜひ目で見て、写真で撮って楽しんでいただきたいです。

――やっぱり知識があると空の見方も変わるんですね。他にも、天気に詳しくない人におすすめの気象現象はありますか?

駒木 虹は虹でも、夕方に見える虹をおすすめしたいです。

――時間帯によって違いがあるんですか?

駒木 そのあとの天気の傾向が違うんです。夕方の虹は、西に沈んでいく太陽を受けて東の空に見えるんですけど、天気は西から東に変わっていくので、西が晴れているということは翌日は晴れになる。朝虹は逆で、天気の下り坂のサインなんです。

――同じ雨上がりでも、虹が出る時間帯によって先の天気が変わるんですね。

駒木 そうなんです。あと、一度生で見てみたいのが白虹。普通の虹は雨粒で光が散乱してできるんですけど、白虹は霧の粒によって見えるんです。レア度が高くて、私も視聴者さんからいただくリポートでしか見たことなくて。これが見られたら最高です。

――ユーザーのリポートでいろんな天気が見られるのは、ウェザーニュースならではですよね。

駒木 本当にそう思います。その土地に行かないと、なかなか見られない現象もあるので。リポートが番組で採用された方には、キャスターからお礼メールを送っているので、珍しい現象があったときは、ぜひ送っていただきたいです。私も日々リポートを送っているんですけど、番組で採用されたときのうれしさは格別なので。

――キャスターが送ったリポートにも、お礼メールが届くんですか?

駒木 来るんですよー。あいりん(山岸愛梨キャスター)さんから「ゆいちゃん、ありがとうねー」っていうメールをもらいました(笑)。

――定型文とかじゃないんですか?

駒木 それが違うんですよ。番組終わりに1件1件書いていて。私の場合はリポートの写真や文章を見返して、たとえば「今日は雲がわたあめのように見えた」というコメントだったら、「私もわたあめに見えました!」とか。多いときは1日50件くらい書いてますね。(※メールアドレスを登録されている方に届きます)

――そんなに書いているんですね! リポートはアプリ「ウェザーニュース」から送る形になりますけど、駒木さんおすすめの機能はありますか?

駒木 イチオシは雨雲レーダーです。視聴者のみなさんはもちろん、私の身近な友達や家族からも「30時間先の雨雲まで見られてすごいね!」と好評でして。無料会員は1時間先までしか見られないんですけど、私はファミリーパックに入って家族も使えるようにしているんです。自分含めて6人まで登録できて、1人あたりの料金が安くなるので、ご家族がいらっしゃる方には、ぜひおすすめしたいです。

――では最後に、どんなキャスターを目指していきたいか教えてください。

駒木 ありきたりかもしれないですけど、みなさんに信頼してもらえるキャスター、それと身近に感じてもらえるキャスターでありたいなと思います。災害が起きたときなどは、気が動転してしまう方も多いと思うんですけど、いざというときに響く言葉を届けられる、寄り添える存在が理想です。

――それがキャスターになった動機ですもんね。

駒木 そうですね。私はそういう言葉に支えられたので、今度は逆の立場で誰かを支えられるようになりたいです。

●駒木結衣(こまき・ゆい)
1996年6月9日生まれ 宮城県出身 防災士
趣味・特技=書道、映画鑑賞、ショッピング、旅行
公式Twitter【@yui_k06】

取材・文/田中 宏 撮影/荻原大志