残り距離は短いですが、2本の鉄道と交差する必要があります。

市街地の渋滞を緩和へ


先行開通した「富士改良」の富士山夢の大橋(画像:国土交通省)。

 静岡県で浜松・静岡両市に次ぐ人口規模の富士市。その市街地の渋滞を緩和するため、国道139号を南北に国道1号へ直結するバイパス事業「富士改良」が進行中です。

 国道139号は富士市を起点に大月市を経由し、奥多摩湖までを結ぶ路線です。沿線では北側に隣接する人口13万人の富士宮市のほか、観光地の富士五湖などを抱えるため、富士市内の交通量は多くなっています。

 しかし中心市街を貫く区間は昔ながらの2車線道路で信号も多く、さらに国道1号富士由比バイパスに直結せず富士東ICまで右左折が続く冗長な線形から、慢性的な渋滞が発生しています。

 そのため、富士ICから道なりにまっすぐ南下し、富士市街地をショートカットして国道1号へ直結する「富士改良」が1993(平成5)年度に事業化。潤井川をまたぐ「富士山夢の大橋」が2016年に開通しています。また、国道1号から北へ、わずかな区間が暫定開通しています。

 残るは、東海道線および東海道新幹線と交差し、国道1号北側の暫定開通部まで到達する区間。2022年10月現在では、東海道線を跨線橋で越える部分の橋脚工事が進んでいます。北側は橋脚がほぼ完成済みで、越えた先の南側で作業が行われています。

 すでに同じく富士ICからまっすぐ南下する県道「富士見大通り」が国道1号へ直結していますが、こちらも上下線で渋滞が激しくなっています。「富士改良」はその交通分散を図り、国道1号周辺の混雑緩和する役割としても期待されています。