報道陣の囲み取材に応じるオーリハ・クリシさん=2月25日、高雄市、中山大学提供

写真拡大

(台北中央社)ウクライナで戦死した台湾人義勇兵、曽聖光さんの遺族を支援しようと、台湾在住のウクライナ人らは自発的に寄付金を募り、集まった金額は8日午前までに約12万台湾元(約55万円)に達した。活動に参加するウクライナ人女性は、台湾に対するウクライナ人の感謝を伝えられればと願った。

曽さんは今月2日、ウクライナ東部ルハンシク州でのロシア軍との戦闘中に負傷し、出血多量で死亡した。25歳だった。

在台ウクライナ人のオーリハ・クリシさんは8日、中央社の取材に対し、曽さんの戦死の知らせに、在台ウクライナ人は衝撃を受けたと明かす。葬儀の手配などに役立ててもらおうと、寄付金を集めることにしたという。クリシさんはいかなる金銭や物も、息子を失った母親の悲しみを埋めることはできないと前置きしつつ、在台ウクライナ人は曽さんの遺族に少しでも力添えしたかったとし、「台湾人の貢献と犠牲に対し、知らないふりはしたくなかった」と話した。

クリシさんによれば、曽さんの母親と姉、妻の3人は7日、外交部(外務省)の手配の下でウクライナに向けて出発し、すでに現地入りした。戦争による死傷者の数が多く、複数の戦死者の遺体がまとめて運ばれるため、曽さんの遺族はもう一人の外国人義勇兵の遺族と共に遺体の到着を待っているという。クリシさんは、早急に確認手続きが終わり、無事に遺体が台湾に戻れることだろうと語った。

(黄雅詩/編集:名切千絵)