現地時間10月31日(月)に俳優のティム・ロスと家族は声明を発表、ティムの息子で作曲家、ギタリストとして活躍していたコーマック・ロスが10月16日(日)に亡くなったことを明らかにした。「私たちの美しいコーマックはガンと果敢に闘った末、この世を去った」とコメントしている。コーマックは昨年11月にステージ3の胚細胞腫瘍であることをSNSで公表していた。

「コーマックは彼を愛する人と家族の腕の中で安らかに息を引き取った。彼はこの1年信じられないほどの勇気をもって病気と闘い、最後までシニカルなウィットとユーモアを忘れなかった」と約1年の闘病生活について綴っている。さらに「彼はワイルドで刺激的なエネルギーの塊であり、その精神は光と善意で満たされていた」「ワイルドであると同時に優しさを体現していた。彼と過ごした25年と10か月を思うとき、涙や笑い、そして悲しみが波打つようにやってくる。私たちは彼を愛していた。これからも彼は私たちと共にいる」とも。

コーマックはティムと妻でデザイナーのニッキー・バトラーの次男。パフォーミングアーツの研究と教育で有名なベニントンカレッジを卒業後、ミュージシャンとしてキャリアを築いていた。2019年にはアルバム『Python』をリリース、ミシェル・フランコ監督が2020年にベネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞した映画『ニューオーダー』の音楽も手がけている。家族は「音楽制作へのコーマックの愛情と情熱は、彼よりギターの方が大きかった頃まで遡る。並外れた才能を持った並外れた音楽家だった」とコメント、幼少時代から音楽を愛していたと振り返っている。

今年8月、最後のインスタグラムの投稿で「自分の運命を自分で決められるとは限らない。いつも自分の未来を選べるとは限らない」と語っていたコーマック。安らかな眠りを祈りたい。