交際前のデートで、女性を旅行に誘ったら「YES」！でも直前でドタキャンされた理由
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-あの時、彼（彼女）は何を思っていたの…？
誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。
さて、今週の質問【Q】は？
▶前回：3年も付き合って結婚願望がなかった彼が、半年で結婚…。32歳女が驚いた男の豹変ぶりとは
絵麻と旅行をする予定の1週間前。僕は彼女から来たLINEを見て、呆然としていた。目の前に座る男友達の亘が何か話しかけてきているし、店内もうるさいが、まったく耳に入らない。
― Ema：潤くんごめん。ちょっと急用ができて、来週の北海道行けなくなっちゃって…。
「…どういうこと？」
僕の反応に、ようやく目の前に座る亘が何かに気がついたらしい。
「潤、どうした？」
「いや、来週絵麻と旅行しようって約束していたんだけど…。急にドタキャン食らった」
「え？なんで？」
その理由は僕が知りたい。絵麻に連絡をしても“ごめんね”としか言わない。
この晩、僕と亘は男2人でいろいろと理由を考えてみた。けれどもなぜ急に旅行を断られたのか、理由がわからずにいた。
Q1：女は男のことをどう思っていた？
絵麻とは、もともと古い付き合いの友達だった。新卒時代に開催された食事会で出会ったので、かれこれ5年くらい前の話になる。
その間にお互い他に彼氏と彼女がいたことも知っている。ついでに言うと、その間に絵麻は一度婚約していた。
けれどもコロナの自粛期間中にお互い出会いがなかったからなのか、1年くらい前からなんとなく連絡を取り合うようになり、またみんなで遊ぶようになった。
そして半年ほど前から、2人でも会うようになっていた。
「絵麻とこうして2人で会うことになるなんて、当時は想像していなかったな〜」
「同じく。潤くんは良い友達だったしね」
麻布十番駅から少し離れたお洒落な『ROMANO麻布十番』で食事をしながら、僕たちは笑い合う。
友達から恋人には発展しにくいものだけれど、絵麻は可愛いし優しいし、僕からすると“全然アリ”だった。
「そういえば、絵麻は前の婚約者と連絡取ったりしてないの？」
「どうしたの？突然」
「いや、なんとなく…」
絵麻と2人で食事へ行くようになって3ヶ月。嫌われていないことはわかっているけれど、絵麻が僕のことをどう思っているのか、いまいちわからずにいた。
「まったくだよ。もう3年くらい前に終わった話だし。それを言うと、なんで潤くんは彼女作らないの？」
「作らないというか…。ビビっとくる子がいないんだよね」
「ふーん。そうなんだ」
絵麻がクルクルと「トリュフクリームパスタ」をフォークに巻きつけると、トリュフの良い香りが僕のほうにまで流れてきた。
「う〜ん。美味しい！ここのパスタ絶品だね」
満足げに微笑みながら、頬を手で押さえる絵麻。僕は絵麻が美味しそうに食事をしているところを見るのが好きだった。
「絵麻は？誰かいい人いないの？」
「う〜ん。そうだね。東京っていい人がいっぱいいるから逆に難しいよね」
この日僕たちは、キッチンが目の前にあるカウンター席に並んで座っていた。
絵麻は距離感が近く、カウンター席だとかなり椅子を寄せて座ってくる。
「絵麻って、毎回そんな人と距離近いの？」
「ん？何が？」
無意識ならば、ある意味罪な女である。
「いや…。他の男にこんな距離感だと、誤解されちゃうよ？」
「大丈夫。潤くんだけだもん」
そう言って微笑む絵麻を見て、僕は思わず動きが止まる。冷静を装っていたけれど、これはかなり嬉しい言葉だった。
絵麻は昔から小悪魔的な要素があって、それがモテる所以なんだけれど、僕もしっかり引っ掛かりそうだ。
例えば帰り際など、いつも心を揺さぶられてしまう。
「潤くん、ご馳走さまでした！」
「ほら、もう帰るよ」
「え〜まだ帰りたくない♡」
絵麻の小悪魔っぷりに、僕はわかりやすく踊らされている気がする。なぜなら「帰りたくない」とか言うくせに、絶対に、さっさとひとりでタクシーに乗り込むから。
― そろそろ次に進めたいんだけどな…。
そう思い、僕は絵麻を乗せたタクシーを見送りながら、次のデートで絵麻を旅行に誘ってみることにした。
Q2：快諾したものの、女が旅行をキャンセルした理由は？
そして迎えた次のデート。食事をしながら、僕はいつ本題に入ろうかソワソワしていた。
「…でね、沙織が最近彼氏にフラれちゃったらしくて。って、潤くん聞いてる？」
「うん、聞いてるよ。ごめんごめん」
「何かあった？」
「何でもないよ」
旅行へ誘うのを緊張しているなんてダサくて言えない。話題を逸らすために、最近あった自分的“ホットトピック”を思い出す。
「そういえば、この前元カノに会ってさ」
「元カノって、直近の？」
「そうそう。半年前くらいの」
「半年前に付き合ってた人なんていたっけ？」
「1ヶ月くらいで別れた人がいたんだよ（笑）」
短期間過ぎて絵麻には言っていなかったけれど、少しだけ交際した人がいた。しかし問題はそこではなく、その元カノのことだった。
「なんか噂で、俳優と付き合っているって聞いてさ」
「へ〜。すごいね」
「誰なんだろう？って気になって」
「若手俳優とかかな？どうやって知り合ったんだろうね」
そんな話をしているうちに、コース料理は終盤に差し掛かり、いつの間にかデザートが運ばれてきている。
「そういえば…。絵麻、最近忙しいの？」
「うーん。忙しいと言えば忙しいけど。何で？」
「あのさ、どこか行かない？2人で」
「え？旅行ってこと？」
一瞬キョトンとした絵麻。でもすぐに僕の言いたかったことを理解してくれたようで、満面の笑顔でうなずいてくれた。
「うん、いいよ。いいね、旅行！」
「どこ行きたい？海外でもいいけど」
「とりあえず国内にする？北海道とか？もう寒いかな…」
「北海道いいね。美味しいもの食べに行こうよ」
こうしてトントン拍子に旅行の話は進み、僕たちは2人きりで2泊3日、札幌へ旅行することになった。
大人の男女が泊まりで旅行をする意味を、絵麻もわかっているはずだ。
まだ正式な交際にはいたっていないけれど、絵麻も旅行にYESと言った段階で何かしら考えているのだろう。
「じゃあ僕、ホテル探しておくから絵麻はエアーお願いできる？」
「わかった」
「あとお店も探さないとだね。折半となるとそこまで高いところは微妙かな…」
「地元の美味しい所に行きたいから、調べてみる！出発までにやることがたくさんあるね〜」
そんな旅行の計画を立てながら、確実に僕たちは盛り上がっていた。
しかしこの1週間後。突然の絵麻からのキャンセルの連絡が来たのだ。
― なんで？あんな旅行にノリノリだったじゃん…。
果たして、この1週間の間に何があったのだろうか？
▶前回：3年も付き合って結婚願望がなかった彼が、半年で結婚…。32歳女が驚いた男の豹変ぶりとは
▶1話目はこちら：「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由
▶NEXT：10月30日 日曜更新予定
女が急に予定を変更した理由は？
