「新型!?」開発中の自衛隊向け国産8輪装甲車 16式機動戦闘車と高い互換性も
「機動装甲車」という仮の名前も付けられています。
北欧製「AMV XP」とトライアル中の国産装甲車
2022年8月某日、陸上自衛隊が導入を検討中の新型装輪装甲車「MAV」が九州北部の演習場で確認されました。
三菱重工が開発した新型の装輪装甲車「MAV」(紀藤 論撮影)。
「MAV」とは「Mitsubishi Armored Vehicle」の略で、その名の通り三菱重工が開発を進めているものです。「機動装甲車(仮)」とも呼ばれる本車のベースになっているのは、陸上自衛隊が導入を進めている16式機動戦闘車で、三菱重工は同車の開発・生産を請け負っているため、その技術を応用して開発したといわれています。
なお、3年前の2019年11月下旬には、千葉市の幕張メッセで開催された防衛総合イベント「DSEI JAPAN 2019」に、「MAV」の試作車が展示されていました。試作車は全長8m、全幅2.98m、全高2.2m、重量18tというスペックで、16式機動戦闘車と80%以上、部品の共通性が確保されているとのこと。これにより、運用コストの低減と後方支援体制の効率化を図ることが可能になると説明していました。
2022年9月現在、防衛省/陸上自衛隊は既存の96式装輪装甲車の後継として、この「MAV」とフィンランド・パトリア社製の「AMV XP」の両者を比較試験中です。近い将来、いずれかの装輪装甲車が採用され、部隊配備が始まる予定です。