英国「ハゲはセクハラ」判決にモト冬樹が心情吐露「俺がセクハラと同義語にならないことを祈るよ」
「日本のニコラス・ケイジ」とも呼ばれるモト冬樹
英国で「男性を『ハゲ』と呼ぶのはセクハラである」という判決が下り、注目を集めている。
コンプライアンス、ハラスメントに関する話題について、さまざまな場面で議論が繰り広げられている現代社会――。
日本では認識の遅れから、加害側としてあげられがちな「おじさん」だが、英国ではそんなおじさんが「ハゲ」の言葉に傷つき、訴えたわけである。
英国ウェスト・ヨークシャー州にある会社で24年間、電気技師を務めていたトニー・フィン氏は、30歳ほど年下の上司と折り合いが悪かった。2019年7月、上司のミスを指摘したところ、「ハゲの嫌なやつ」とののしられ、「殴るぞ」と脅されたという。
ハゲ呼ばわりされて傷ついたフィン氏は、セクハラなどの被害で会社を「雇用審判所」に訴えた。
「雇用審判所の3人の裁判官は、『薄毛は女性よりも男性に多く、本質的に性別と関係している』と判断。性別に関連する身体的特徴を指摘することは尊厳を傷つけると認定し、最終的に『ハゲ呼ばわりはセクハラ』となりました。フィン氏には賠償金が払われる見込みです」(国際ジャーナリスト)
これを受けて、日本のインターネット上では
《気軽にハゲと言えない世の中なんて…》
《じゃあ「つるピカハゲ丸くん」とか放送禁止番組になってしまうのかのう…。》
《カツラの場合はどうなんだろう。》
と、戸惑いの声が上がっている。
日本では芸能人が自虐的に語ることも多く、“持ちネタ” として活躍する人もいる。そこで、“薄毛芸人” として大御所のモト冬樹さん(71)に「セクハラ認定」について意見を聞いてみると……「こじつけだよなあ。訳わかんないよね」と呆れ顔だ。
「ハゲはセクハラだけど、デブはセクハラになんないのか? とか考えてしまうよね……。まあ、そういうことじゃないと思うんだけど。
ハゲがセクハラになるとしたらさ、俺なんてハゲの象徴じゃんか(笑)。SNSなんかで『コイツはモト冬樹化している』なんて書いてること、いっぱいあるわけだ。
そうなると『モト冬樹=セクハラ』になるわけだよ、そんなバカなことないだろ(笑)」
もちろん、ハゲと罵ることはよくない。しかし、この判決がどうもしっくりこないとモトさんは言う。
「できないことを、ハゲのせいにする人っているじゃん。たとえば、『俺がモテないのはハゲだからだ』って思ってるから、ハゲって言われるとすごく頭にくるわけだ。
本当はハゲは関係ないんだけど、本人はハゲのせいだって言い張るんだよ。人間は、自分自身が至らないって思いたくないから。ハゲのせいにして、被害者になるみたいなことやってたらさ、世の中はどんどんつまんなくなるよな」
疾患などのやむを得ない脱毛は別として、ハゲは個性であるとモトさんは信じている。
「日本ではこんな騒動、起こんないでほしいけどねえ。人間関係を構築できないから訴えちゃえっていうのは違うよな。ハゲは個性でいいんじゃないか。ハゲてても魅力的な人はいっぱいいる。そいつの人間性の問題だよ。
『モト冬樹じゃん』ってことが、セクハラと同義語にならないように祈るしかないよな。そうなったら俺が訴えるよ、裁判所に。バカの循環だよな。結論としては……どうでもいいよ(笑)」
実際に面と向かって「ハゲ」と言われれば、人は傷つく。それがセクハラかどうかはともかく、他人が嫌がる言葉を使うのは避けるべきだ。かといって、言われたから何でもかんでも訴えるのも違うとモトさんは言う。
「モヒカンの人が、このモヒカン野郎! って言われたって訴えないだろ。ハゲも髪型なんだから同じだよ。まあ……モヒカンと違って、好きでやってるわけじゃないけどね、自然現象だから。とにかく、そんなことでいちいち訴えずに、自分たちの間で解決してほしいよ」
昭和、平成、令和とどんどん変わっていくコンプライアンス。ハゲしい議論が必要になりそうだ。