53歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した小1の長男・うーちゃん、里子の4歳の長女・ぽん子ちゃんという家族5人で暮らしています。今回は、ぽん子ちゃんとうーちゃんの自転車事情、そしてぽん子ちゃんと古泉さんの仲よしエピソードです。

元気なぽん子ちゃん。古泉さんのために怒ってくれました

2月に新型コロナウィルス感染症で陽性となった4歳の里子のぽん子ちゃんですが、4月、今度は濃厚接触者となり、保育園を1週間お休みとなりました。
ママはアルバイトで、うちにはおばあちゃんがいるのですが、一日じゅうまかせきりにしているわけにはいきません。ぽん子ちゃんは外出が大好きで、天気がいい日はうっかりすると一人で外を出歩いて近くの公園や神社に行ってしまいます。

うーちゃんが2歳くらいのときに、親戚からもらったストライダーがあります。ペダルのない自転車で、足で地面を蹴って進みます。もともと女の子が使っていたのでピンク色だったせいか、うーちゃんは全然乗らなかったのですが、ぽん子ちゃんは大好きで、ストライダーに乗ってどんどん進んでしまい、大人の早歩きでも追いつきません。ストライダーで公園にも神社にも行ってしまいます。

 

路地と道路の交差点があります。道路といっても裏道なので交通量は多くないのですが心配です。大人がいるときは「そこで止まって!」などと声をかけて右左を確認させますが、一人で出歩いているとなにが起こっても不思議じゃないのです。

●うーちゃんは自転車に興味なし。ぽん子ちゃんは逆に心配…?

小2のうーちゃんは、周りのお友達がどんどん自転車で出歩いているのにまったく興味を持ちません。僕自身は小1のときにスーパーの駐車場で夕方、父親に猛特訓をしてもらって何度も転んで本当にいやでしたが、それでもその日の最後にちょっと乗れるようになって、翌日はコツをつかんで乗れるようになりました。

今は猛特訓などせずとも、ストライダーで練習してスピードを出せば安定することを体感してからペダルをこぐとそれほど難なく乗れるようになると言います。

ぽん子ちゃんは今すぐにでも自転車が乗れそうです。ぽん子ちゃんが自転車を乗り始めたらどこに行ってしまうか分からないので、当分先で大丈夫です。ぽん子ちゃんは1歳のときにすでに家出をして帰れなくなって、泣いて歩いているのを近所の親切な人が見つけて、服に書いてある名前でうちに連れて来てくれました。

 

●僕のために怒ってくれている?うれしい古泉さん

ある日の午前、自動車の任意保険の契約がきれるのでお世話になっている自動車屋さんに車で一緒に行きました。バイパスに合流すると、右側の車線から黒いワンボックスカーが前にぐっと車線変更しました。すると、助手席のぽん子ちゃんが
「じゅるだぞー」
と右手の拳を振り上げて言います。

ん? と思ったのですが、どうやら前に割り込んだことを「ズルだぞ」とクレームをつけているようでした。それほど迷惑な割り込みでもなかったのですが、僕のために怒ってくれているのかなと思うとうれしくなりました。保育園ではお友達のズルをそうして怒っているのでしょうか。

自動車屋さんはたいていキッズコーナーがあってジョイントマットの上に子どもが入り込める小さな家などがあります。そこで遊んでジュースも出してもらえます。その日はとてもいい天気で、近くに大きな公園はありますかと聞いたら、ちょっと遠くにあるそうで帰りに行ってみました。

●いやがるぽん子ちゃんを車に乗せる古泉さん、どう見えるのかちょっと気になります

桜満開のシーズンが終わりかけていて花弁が舞っていました。公園はとても広くて川や橋があって散歩コースがあるのですが、ブランコやジャングルジムはなくて小さなすべり台があるだけでした。

ぽん子ちゃんは、1つ下、3歳くらいの女の子となんの言葉もかわさずにアイコンタクトで追いかけっこをし始めて、何度も何度もぐるぐるぐるぐるすべり台を上って滑り降りていました。気が合うとはこういうことなのかと思いました。写真を撮りたかったのですが、よその子の写真を撮るのも不審者みたいなので我慢しました。

暖かかったので調子に乗ってTシャツで出歩いていたところ、お昼を過ぎると風が吹いて寒くなってきて車に戻りたくなりました。お友達もとっくに帰ってしまいました。
すべり台で遊ぶぽん子ちゃんに「そろそろ帰ろう」と言ってももっと遊ぶと言って聞かず、無理やり車に連れて行くと泣いていやがって人さらいのようでした。午後はおばあちゃんにお願いして仕事に行きました。

 

●「ごめんなさい」ごっこ?今日もかわいいぽん子ちゃんでした

お兄ちゃんは毎朝普通に学校に行きます。僕は見送りついでにゴミ出しに行きますが、ぽん子ちゃんも一緒について来たがります。ゴミ捨て場の裏には公園があって、毎朝のようにブランコをします。

「おして」
背中を押してどんどん高くなります。そうすると「うふふ」と笑いながらブランコをこいで、背中を押そうとすると僕の手を足で蹴ります。なにも言わないで何度か蹴られていると
「こらって言って」
と言います。

蹴られたタイミングで
「こらー!」
と言うと
「はーい、ごめんなさーい」
と言います。自分で叱られるようなことをしていると分かっていて、こらと言わせて謝る、なにかのロールプレイのようです。