結婚すれば安泰?40代でその価値観を変え、50代の生き方が楽しくなった
50代で著述家、トップブロガーとして活躍し、著書『新しい幸せの始め方』(KADOKAWA)を上梓した中道あんさん。現在は愛犬と充実した日々を送っていますが、紆余曲折の過去から得たもの、「軸」を家族から自分に持ってきたことで、新しく開けた世界観について伺いました。
結婚=ゴールと思っていたあの頃…。考え方が変わったきっかけとは?
過去の自分は「結婚すれば安泰」という考え方だったという中道さん。考え方が180度変わった出来事や、現在の暮らしぶりをのぞいてみたいと思います。
●結婚して10年で見つめ直した人生
結婚はゴールだと思っていた過去の自分。中道さん自身もそうで、「子どもを産んで、育て上げて、子どもが結婚したら近所に住んでもらって…」という未来を想像していました。
「これで安泰だと思っていたんですよ。結婚して3人の子育てに忙しく過ごしてはいましたが、10年もすれば専業主婦でいることに飽きてきちゃったんです」
そこで偶然にも、過去の仕事経験が生かせるパート募集の張り紙が目に飛び込んできました。「やってみよう」と応募してみたのが、人生を見つめ直すきっかけに。
「1か月限定で働き始めたところ、延長のオファーがあって。自分は役に立っている、評価されていると自信がついて1日2時間から9〜17時の勤務になりました」
評価されたことへの喜びを感じる一方で、バリバリ働いている周りの女性を見て「私、なにか遅れている…」と感じたそう。その後、パートを辞め、正社員を目指して就職活動を始めたのが45歳のとき。ここが中道さんにとってのターニングポイントになりました。
●夫と別居を決意!自立へ
正社員として働き始めた直後、ある出来事をきっかけに、夫との信頼関係が崩壊。一種の憧れで働く女性を志していたところもありましたが、「これはヤバイ! いつなにがあるかわからないから、自立しなければ」と強く思ったそうです。家族のための自分から、自分のための自分へ。
「結婚22年目に夫との別居を決意しました。そこで、シングルの人はどのように生きていっているのかをインターネットで検索したんです。すると、貧困・病気・将来の不安で悩んでいる人のブログにヒットして…。“私はもっと楽しく生きている、それを世の中に訴えていきたい”と、ブログを始めてみることにしました」
●ブログを始めたことによる新たな気づき
「ブログを書くという作業で自分の考えをアウトプットすることにより、脳内がすごく整理されましたね。自分は何者かを、すごく考えるようになりました」
発信するということは、自分の意見を持つということ。だれのせいにもできないし、書くことで主体的に生きられるようになっていったといいます。自分の意見を持てるようになったのは、家族優先だった自分との決別でもありました。
ブログを通じて、さまざまな人の考え方にも触れることができ、「普通」という価値観は「とらわれている枠の中のことだけでは?」と思うようになりました。中道さんにとって発信は、「新しいことを知って学び、自分のことがよくわかる」という場に。
「もともと意見は持っていたのかもしれないですが“母親として”“妻として”といった自分自身がつくった枠組みや思い込みの中で生きていました。それが発信するようになって、賛否両論、意見をもらうことによって、自分というものがわかってきたんです。すごく成長できましたし、書き出して変われたと思いますね」
「自分はなにを大切にして生きていくのか?」を考え、後悔しないで生きるために。好きなことをやらずに「あのときやっておけばよかったな」と思う人生は40代まで。それと同じことをするのはやめようと決意したそうです。
●キーワードは能動的。今の暮らしは?
過去、これが私の一生だと半分諦めの境地だったところから、今では起業し、本を出版するなど夢をどんどん現実にしていく中道さん。すべては「人生は自分で変えられる」という思いからです。
「今は自分でライフスタイルを構築しています。犬と暮らし、自分の好きなように生きられる。受け身ではなく、能動的になんでも決められるようになりました。全部自分の責任だから、人のせいにもできない。だからこそ、自分のダメなところを認められるし、弱いところは助けてもらう、という人にもなれた気がします」
●「今までと同じ生活」の抜け方
もし、今「変えたいけど変わらない生活」に悩んでいる人がいるとしたら、まずは中道さんのように「書き出す」「アウトプットする」ということから始めてみてはいかがでしょうか。
「不満があれば、我慢せずにまずは言ってみてください。言える人と言えない人がいると思うのですが、そこを超えるのは勇気しかありません! 言ったら、良きにつけ悪しきにつけ、なにか変わります! 言わなかったら、不満はいつまでも消えず、今までと同じ生活ですよね」
「家族のための自分」から、ほんの少し踏み出して、自分自身と向き合ってみる。夢を見ることを諦めてしまいがちな50代でも、中道さんの生き方を参考にしてみると、なにか変えられそうな気がしてきます。まずは小さな勇気から、日々を変えてみませんか?