頭痛、不眠、不安感…。気になるその不調、じつは自律神経の乱れが原因かもしれません。通勤・休憩時間を意識的に過ごして、改善を促しましょう。医師の久手堅司さんに聞いた自律神経のバランスを整える昼のおすすめルーティンを紹介します。

自律神経を整える昼のルーティン

日中はどんどん交感神経が優位になりアクティブに動く分、体が緊張しがちに。ときどき休憩をとることを心がけてリラックス状態をつくりましょう。

●8:00 通勤時

運動をする時間がとれない人は、通勤時に歩いて移動することを心がけて。

「とくに階段の上り下りは体の血流をよくし、自律神経の乱れ防止に。万歩計などで歩数を意識すると続けやすくなります」

●10:00 勤務中

デスクワークの場合、長時間座りっぱなしの姿勢は骨格のゆがみにつながり、自律神経が乱れる原因に。

「最低でも1時間に1分は席を立つクセをつけましょう。立ち仕事の場合も同様に骨格に負担がかかるため、こまめに体をほぐすなどリフレッシュを!」

●12:00 昼食

ご飯やパン、麺など糖質のとりすぎは血糖値の急上昇を招き、それを抑えようとする副交感神経に負担が。

「血糖値の上昇がゆるやかになるように満腹は避け、野菜→タンパク質→糖質の順に食べて」

●13:30 休憩中

デスクワークや立ちっぱなしによる骨格のゆがみ、浅くなりがちな呼吸をリセット。

「正しい姿勢とは骨盤を『立たせる』ことで、前にも後ろにも傾いていない状態です。姿勢や呼吸を日々意識して」

 

1:イスに浅く座る

イスに浅く座ったら、首の幅程度に足を開き、足首とひざの角度がそれぞれ90度になるように調整します。

2:骨盤を立てる

骨盤の左右の端に両手を添え、床と垂直になるように骨盤を立て、その姿勢を30秒キープします。

●胸郭リセット呼吸

1:3秒かけて鼻から息を吸う

肋骨の下に手を添えて準備。息を吸いながら肋骨が上がっていくのを意識します。

2:3秒呼吸を止める

そのまましっかりキープ。

3:6秒かけて口から息を吐ききる

吐く息とともに肋骨が下がっていくのを意識しながらゆっくり口から吐ききってください。

久手堅さんがズバリ!これって自律神経にいいの?

ほかにどんなことが自律神経にいいのでしょうか? 久手堅さんに教えてもらいました。

●Q:昼寝をする A:15分の仮眠程度ならOK

昼寝には副交感神経が優位になり心身をリラックス状態に導く効果が。ただし30分以上寝ると完全な「睡眠モード」になり、夜の寝つきが悪くなることがあるので注意。

●Q:コーヒーを飲む A:1日3〜5杯までに

コーヒーに含まれるカフェインによって交感神経のスイッチが入りやすくなるので、適正摂取量(1日コーヒーカップ3〜5杯程度)を守って。

空腹時や夜遅い時間は避けましょう。

●Q:更年期の不調と自律神経の乱れは関係ありますか?

A:女性ホルモンと自律神経は互いに影響し合っているため、更年期に見られる女性ホルモン量の低下は、自律神経のバランスを乱す原因にも。婦人科で治療を受けることで、自律神経の乱れが改善するケースもあります。