いつもの食材を和えるだけ!春先に作りたい薬膳常備菜2レシピ【齋藤菜々子さん考案】

季節による体調の変化を整えてくれる、薬膳常備菜

寒い冬を越えて春に向かう季節の変わり目は、なんだか体がイマイチだったり、心が落ち着かなかったりといった不調が出やすくなる頃。寒さによる冷えやこわばりも、まだまだ気になります。そんなときこそ、薬膳料理で身体を整えていきましょう。

そこでおすすめしたいのが、薬膳常備菜。和えるだけで簡単に作れる常備菜のレシピを2品紹介します。教えてくれたのは、料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子さん。

1. 爽やかにエネルギーチャージ!「にんじんとしょうが・オレンジのラぺ」

「にんじんはお腹の調子を整える効果があり、薬膳において滋養に良い食材とされています。春先は情緒不安定になりやすいといわれる時季。オレンジのように香りが豊かな食材は気持ちをリラックスさせてくれます。

香りのある食べ物は、全身の気を巡りやすくしてくれるので、春に取り入れてほしいですね」

レシピに使う食材の効能

・にんじん:消化機能を整える、血を作る
・オレンジ:イライラをやわらげる
・しょうが:体を温める、免疫力を高める

材料

・にんじん……2本(約320g)
・塩……小さじ1/2杯
・しょうが……2かけ(約30g)
・オレンジ……1個
a. 酢……大さじ2杯
a. オリーブオイル……大さじ2杯
a. 砂糖……大さじ1杯
a. 塩……小さじ1/2杯

作り方

1. にんじんを千切りにして塩を振り、水気を切る

にんじんは千切りにして、塩小さじ1/2杯を振ってもんでおきます。

15分ほど置いたら、しっかり絞って水気を切りましょう。

2. しょうがは千切り、オレンジはいちょう切りにする

しょうがは千切りに、オレンジは皮をむいて5mm厚さのいちょう切りにします。

3. すべての具材を和えれば完成

ボウルににんじん、しょうが、(a)をあわせてよく混ぜます。さらにオレンジを加えて、サッと和えれば完成です。

甘くてジューシーなオレンジと、まろやかな酸味がおいしいラペ。しょうががしっかり効いて、エネルギーがみなぎってくるようです。

シャキシャキした食感や、フレッシュなオレンジの香りが気分を前向きにしてくれます。鮮やかなオレンジ色がひと品加わると、食卓が一気に華やぎますよね。

2. どんな料理にも合う!「ミニトマトとキャベツの梅みそ和え」

「秋冬は乾燥で私たちの体は体液を失いがち、というのが中医学の考えです。そのためしっかりと体液を補ってあげることが大切。トマトや梅はまさにぴったりの食材です。

さらにキャベツは『健胃の食材』といわれ、胃の調子を整えてくれる効果があります。作り置きで、常にひと品添えるといいですよ」

レシピに使う食材の効能

・トマト:イライラをやわらげる、胃の調子を整える、体液を補う
・キャベツ:胃の調子を整える
・梅:体液を補う

材料

・キャベツ……1/4個(250g)
・ミニトマト……10個
・梅干し……1個
a. みそ……大さじ1杯
a. 砂糖……小さじ1杯
a. しょうゆ……小さじ1杯
a. ごま油……小さじ2杯
※梅干しによって塩分や大きさが異なるので、お好みでしょうゆを加減してください(今回は、1個あたり18g、塩分8%の梅干しを使用)

作り方

1. キャベツをカットし、レンジで加熱する

キャベツは食べやすい大きさに切り、平らな耐熱皿に広げます。上からふんわりとラップかけ、600Wのレンジで3分加熱します。

取り出したら、ラップを外して冷ましておきましょう。

2. ミニトマトをカットする

ミニトマトは、横半分にカットします。

3. 梅干しは種をのぞいて叩き、合わせ調味料とあわせる

梅干しは種をのぞき、包丁で叩いてボウルに入れ、(a)とあわせて混ぜます。

4. すべての具材を和えれば完成

キャベツを絞って水気を切り、3のボウルに加えて和えます。

全体が馴染んだら、ミニトマトを加えてさっと和えれば完成です。

ジューシーなトマトと梅の酸味でさっぱり、加えて少し深みのあるみその味わいがおいしいひと品。キャベツの甘みもより引き立っています。

どんなジャンルの料理にも、副菜として添えられそうです。和えたてでも、しっかり味が染みてもどちらもアリ!欠かせないおかずとして、常に冷蔵庫にストックしておきたいですね。

薬膳は、家庭料理で毎日少しずつ!