新築時&家具選びで「開き戸vs引き出し」収納、どっちが正解?2年暮らした感想
家づくりで収納をつくる際、開き戸収納と引き出し収納のどっちを選ぶか、なかなか判断が難しいもの。「中に入れるものに合わせて開き戸収納と引き出し収納を使い分けると、家事がとってもラクになります」。そう話すのは整理収納アドバイザーのFujinao(フジナオ)さん。注文住宅を建てる際、具体的にどのように使い分けたのか、詳しく語ります。合わせて、2年弱過ごした感想も。
開き扉収納のメリット&デメリット
開き扉と引き出し収納、どっちが使いやすいのか。家を建てるときや、収納家具を購入するとき、迷うのではないでしょうか。
写真のような開き扉収納は、開口部が広いので、大きいものや長いものの収納に向いています。さらに、可動棚をつければ、中に入れるものによりフィットした収納システムをつくることも可能です。
ちなにみ、引き出し収納は目線より下の高さにつくるのが一般的ですが、開き扉収納は高い場所でも低い場所でも関係なくつくることができます。造作する場合、引き出し式収納より比較的低コストですむのも魅力的。
一方で、「地震のときに中のものが飛び出してくる可能性がある」「奥のものに手が届きにくい」「ものの通り道となる隙間がないと、奥のものを取り出せない」などのデメリットもあります。
引き出し式収納のメリット&デメリット
引き出し式収納は奥のものまで取り出しやすく、ものの通り道を用意しなくてもいいので、収納空間をムダなく使うことができます。また、開き扉と比べて、地震のときに中のものが飛び出しにくいのもメリット。
一方、「大きいものや長いものの収納には向かない」「引き出しの深さと中に入れるものが合っていないとデッドスペースが多くなる」「深すぎるとものが取り出しにくい」「目線より高い位置には向かない」「コストが高い」といったデメリットがあります。
ゲタ箱やリビング収納、壁面収納は開き扉に
では、筆者宅では、どのように開き扉収納と引き出し収納を取り入れたのか。具体的に紹介していきます。
まず、天井までめいっぱい使いたい収納空間は、中がひと目でパッと見渡せる開き扉にしました。具体的にはゲタ箱やリビング収納、壁面収納などが該当します。折れ戸を使うと死角がでるため、すべて両開きか片開きの扉を使用しました。
開き扉の中の収納は、どうしても奥のものが取り出しにくくなってしまいます。そこで、上にものを出し入れできるだけのスペースをあけたり、箱やカゴなどを組み合わせたりすることで使いやすくしています。
こちらは寝室にある壁面収納。たくさんの本や漫画を収納しています。出し入れがしやすいよう、奥行きを浅めにしています。
また、地震の際にものが飛び出してこないよう、開き扉には耐震ラッチを取りつけています。 扉の上方についている白いラッチがそれ。大きく揺れている間はロックがかかり、扉が開かなくなります。揺れが収まるとロックがはずれる仕組み。
こちらはアイランドキッチンのデッドスペースを生かした収納です。 収納の奥行きが浅く、引き出しにするのが難しかったため、開き扉を採用しました。ミキサーのように高さがあるものやカセットコンロ、土鍋のように平置きで場所をとるものなどを収納しています。
目線より下の収納には、引き出しを採用
キッチンのカップボードや洗面所下の収納など、目線より下の収納には引き出しを多く取り入れました。かがまずに出し入れすることができ、奥のものも取り出しやすいからです。
ただ、引き出し収納はどうしても中に入れるもののサイズが限定されます。そこで、造作家具をつくる際、中に入れるものをしっかりとシミュレーションしてからオーダーしました。
引き出しレールはソフトクローズのものを採用。食器を出し入れする際に揺れが少ないので、食器同士がぶつかって欠けるなどの心配がありません。
洗面台下の引き出しは深めの引き出しになっています。ここにはバケツや花びん、洗剤類など背の高いものを収納。深さがあるおかげで出し入れがしやすくなっています。
このように設置する場所や高さ、入れるものによって開き扉と引き出しを使い分けたことで、出し入れがしやすくなり、家事の負担が軽減されたと感じています。家づくりや家具選びの際の参考になれば幸いです。