年齢を重ねるたびにお金の不安はついてくるもの。かといって今までのような節約生活をするのも…。
お金にまつわる情報がたくさん溢れ、その価値観はどんどん変化している今、50代はどのように向き合えばいいのでしょうか? 50代のブロガー・中道あんさんにそのヒントを教えてもらいました。


50代、これからのお金との向き合い方って?(※写真はイメージです)

50代、お金の価値を自分の時間で測ってみると有意義に



「人前でお金の話をするな。みっともない」と父に厳しく教育されました。ですが「お金」っておもしろいとずっと前から思っていたのです。その理由はやはり、お金を介せば何にでも交換できる自由度が高いとうことからです。

父親にははしたないと叱られるでしょうが、今はお金の価値がすさまじく変化しています。お金にまつわる情報がネットにあふれ、お金について自由に発言できる今が楽しくてしかたありません。
私にとって「お金」は道具の一つ。使うことで何かしらプラスになる使い方をしたいと思います。また、お金のために自分の時間をどのくらい犠牲にしていいのかという、お金の価値を「自分の時間」で測ることもできそうなので、私の今のお金との向き合い方について紹介していきます。

●キャッシュレスで銀行に行かなくなる



きっかけはデビットカードをつくったことでお金と時間の関係性に気づいたことです。
銀行アプリをダウンロードして、通帳ロスに。キャッシュレスで支払いのほぼすべてをカード払いにしました。使いすぎないように時々は残高もアプリで確認。するとほとんど現金を使うことがなくなり銀行にいくことも滅多になくなりました。毎年面倒に感じていた税金などの支払いもペイジーならスマホ1つで完結。

かつてはATMで出金し、コンビニで支払う。この一連の作業は5分や10分では済みません。移動時間や混雑具合によっては1時間仕事。誰もが1度は聞いたことがある言葉「時は金なり」にもあるように、時間はお金と同じくらい貴重なもの。銀行に行くという習慣を手放したことで、自由に使える時間が増える結果になりました。このことは「お金」以上の価値に感じます。

●10円でも安く買うことよりも、自分の時間を大切にしたい



専業主婦時代は、何曜日は○○スーパーがお肉の特売日。1つく日は卵が安い。など新聞の折り込みチラシを比較して、その日スーパーをどう回れば効率がいいのかを考えて買い物をしていました。そして10円20円安く買えたことにすごい達成感を味わっていました。人気ドラマで映画化もされた『きのう何食べた?』の主演、西島秀俊さん演じるシロさんが、わざわざ先によったスーパーの特売で買った牛乳が、はしごしたスーパーでさらに安売りされていたのを見て、悔しい思いをするシーンがありました。「そらりゃ悔しいだろう」と大共感しました。でもそれは、現実的には専業主婦だったからこそできた楽しさ。

今は買い物の時間すらもったいないと思います。10円20円のために自分の時間を犠牲にするなんて、自分にはもっと価値があると思います。家事の時間を減らし自分の時間をもっと増やしたい。そのために食材宅配サービスを利用することにしました。

●ス―パーに行かないことがじつは節約になるとわかった




かつては「食品は自分の目で見て手で触って購入したい」と考えていました。それは流通システムが発達していなかった時代の習慣が抜けきれなかったから。今は冷凍食材も正しく解凍すればおいしさは損なわれないとネットで肉や魚を購入してみてわかりました。多少割高になりますが、全国の契約農家から旬の野菜をパックした食材宅配を利用してみたら、すこぶるよかったのです。

理由は、それまで食べたことがないような野菜を食べられること。何が届くか分からない分、箱を開けるのが楽しみ、調理する楽しみ、食べる楽しみが味わえるというものです。週に1度の利用で野菜8種類、果物、卵10個、豆腐、納豆、鶏モモ肉のセットで4000円ほどです。これでス―パーに足を運ぶ回数が激減。

スーパーに行くと、「安かったから」とか「小腹が空いたので」や「新製品!」などの理由からついついカゴにポンポン放りこんでしまいます。このほうがよほど無駄使いでした。10円でも安く買うような財布の紐の絞め方より、そもそも財布の口を開ける動作を減らす“無買デー”をつくることの方が節約効果は大きいです。
多少割高であることは目をつぶり、手間を考えれば、送料が発生することは「生きたお金の使い方」だと思えます。

●銀行に預けてもお金は増えない。ならばポイント貯金で得を取れ



今は、銀行にお金を預けていても増えません。何も考えなくても何とかなったバブル世代の50代。お金が増えないことを諦めるのではなく「お金に働いてもらう」という投資の意識をもつことが必要です。利子がつかないのであれば、その代わりになるものを集めればいいのです。

それがポイントです。今や、商品・サービスを購入するとポイントバックは当たり前です。いかに効率良く賢くポイントを貯めるのかが重要です。
私の場合は楽天市場で食品・ペット用品・日用品などの生活必需品をまとめ買いしています。楽天マラソンなどを活用して、集中してポイントを貯めるようにして、貯まったポイントでお肉など食材を購入します。なるべくポイントを利用して購入代金¥0を目指しています。その分現金が残るわけですから、それを投資に回して増やせれば節約という労力なく資産は増えていきます。

●お金とは快適につき合っていく



キャッシュレス生活にも慣れ、今や99%クレカ払いです。そのおかげで家事時間が減り自分のために使える時間が圧倒的に増やすことに成功。ネットを大いに活用してポイントを貯めることが資産を増やす結果にもなりました。ただし、カード払いの使い過ぎには注意しなければと思っています。

【中道あん】



著述家、ブロガー。1963年、大阪府生まれ。26歳で結婚し、2男1女を授かる。家事と育児、お小遣い稼ぎの仕事とママ友ライフを幸せに送るが、やがて子どもの成長とともに自分自身の将来に目を向けるようになり、正社員として働き始める。結婚22年で夫と別居。2019年正社員から「自分らしく生きたい女性のための発信塾」を起業。4歳になるイングリッシュコッカースパニエルと日々の暮らしを楽しんでいる。ブログ「女性の生き方ブログ! 50代を丁寧に生きる、あんさん流
」主宰。著書に『50代、もう一度「ひとり時間」
』(三笠書房)がある