カラフルで楽しいファッションが注目を集めている『魔女の宅急便』の著者・角野栄子さん(86歳)。じつは、そのコーディネートを担当しているのが娘である作家・翻訳家のくぼしまりおさんです。
「カラフルな洋服は、着ている人を楽しい気持ちにしてくれます」と語るくぼしまさんに、色使いの秘訣を教えていただきました。


奇跡の86歳・角野栄子さん

カラフルはおトク!シニア世代にこそおすすめしたい色彩豊かなコーディネート術



年を重ねると地味な色の服ばかりを選びがち。そこをあえてカラフルな色をまとうことを推奨しているワケとは?

●明るい色で顔周りの印象を引き立てる




余計な色を使うより、ずっとオシャレに見える! 全身白色コーデ。

「服の色はとても大切です。なかでも白は着たときに顔のまわりをふわっと明るくするレフ板のような効果を発揮します。顔写りをよくしてくれるので、コロナ禍のリモート会議が増えている働き世代の人たちもおすすめなんですよ」とくぼしまさん。

「テレビや映画などに出てくるおばあちゃんが着ているファッションといえば、茶色やエンジ色の服が多いですよね。でも、明るい色を選んだほうがこなれた感じも演出できるし、実年齢より若く見えるんです」

●靴下はくるぶしから15cm上の色や柄で選ぼう




提供:角野栄子オフィス

お母様である角野さんから「いちばん助かった!」と喜ばれているのが靴下の使い方です。

「シニア世代のおでかけ着といえば、足元はストッキングやタイツが定番。しかしずれ落ちやすいし動きにくい。その上、足首は冷えやすい。でも靴下なら機動性に影響がでないだけでなく、足首を温かくカバーしてくれます」


シニアこそモードな着こなしを楽しもう!

「母に選んでいるのは、靴を履いたときにもちゃんと見える足首上のところに、明るい色やかわいい絵柄が入っているもの。お店に並んでいる靴下は、つま先のデザインが強調されていることが多いのですが、そこは靴を履いてしまうと見えません」

じつは、靴下のデザイン選びで大事なのは、くるぶしから15cm上の部分。
「わずかな面積ですが、足元に目が行ったときにパッと際立った個性を演出してくれるお得なアイテムなんです!」

●喪服も上手にアレンジしておでかけ着に



シニア世代になると、喪服にはけっこうお金をかけている人も多いのではないでしょうか。

「それをタンスの肥やしにしてしまうのはもったいないと思って考えたコーディネートがこのベストとの組み合わせ」とくぼしまさん。


喪服だとバレなければいい!

「喪服自体の生地がけっこうしっかりしているので、カシミア素材のベストと合わせると上品なよそゆき着に活用できます。喪服であることが世間にバレないようにカムフラージュしてくれるショールやスカーフには、キレイな色が入っているものをチョイス。母のコーディネートならば、ここでもカラフルな靴下がいい仕事をしてくれます」

おでかけ着を新調する手間やお金をかけずとも、今クローゼットにあるものでおしゃれを楽しめるんですね!

●コロナ禍は、ネットショッピングでお得にお買い物



コロナ禍でのおしゃれについても伺いました。

「洋服に使う生地は、本当は手で触ってみて選びたいけれど、コロナ禍ではそれもなかなか叶いませんでした。そんなときに活躍したのがネットショッピングです。どのくらいの長さがあれば自分のワンピースがつくれるのか? サイズ感さえ覚えてしまえば、意外とラクなんですよ」と教えてくれました。


くぼしまりおさん(提供:著者)

「おうち時間に洋裁をする人が増えたので、ショップに並ぶ生地のラインナップはここ最近すごく充実しました。楽天とかはお買い物マラソンなどのセールを狙えば、とてもお得に買えることもあります。最近ハマっているのがメルカリめぐり。失敗するときもあれば掘り出し物のようなとてもいいものが手に入ることもある。少し賭けみたいなところもあるけれど、それも楽しみになっています」


くぼしまさんの著書『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)には、さらに詳しいシニアファッションのコツと、角野さんのコーディネート写真が満載! ぜひチェックしてみてくださいね。

<撮影/馬場わかな(『魔法のクローゼット』より) 取材・文/朝岡真梨>

●教えてくれた人
【くぼしまりおさん】



1966年、東京都生まれ。子どもの本の創作や翻訳に意欲的に取り組み、イラストレーターとしても活躍。著作に「ブンダバー」シリーズ、「ブンダバーとなかまたち」シリーズ。訳書に『チビねずくんのながーいよる』『チビねずくんのあつーいいちにち』『チビねずくんのクリスマス』『サリー、山へいく』『サリー、海へいく』など。最新の著作に『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)