「大人の男はゲームで人生を無駄にすべきではない」英紙編集者の記事に批判相次ぐ(画像はイメージ)

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大人の男はゲームで人生を無駄にすべきではない――。

英高級紙「デイリー・テレグラフ」電子版に掲載された意見記事が、物議を醸している。筆者は大人をターゲットにしたニンテンドースイッチの広告について「顧客を幼稚化させることに熱心なようだ」と苦言。読者からは反論の声が寄せられている。

「顧客を幼稚化させることに熱心なようだ」

デイリー・テレグラフは1855年創業の高級紙。国内では中道右派の論調で知られる。

話題になっているのは、9月4日(現地時間)に電子版で配信された「大人の男はゲームで人生を無駄にすべきではない」(Grown men shouldn't be wasting their lives playing video games)という見出しの記事。

執筆した編集者のカミラ・トミネイ氏は記事の中で、ロンドンの地下鉄に掲出された広告について、こんなことを言及した。

「地下鉄の広告主でさえ、顧客を幼稚化させることに熱心なようだ。私の8歳の娘が大好きな『Switch』を大人の男女がプレイしている任天堂の広告が、しばらくの間、ネットワーク上に貼り出されています」(編集部訳、以下同)

カミラ氏は「#SetPlaytimeFree」(遊びの時間を解放しよう)というハッシュタグが付けられたこの広告に対し「通勤者の多くがマリオカートやマインクラフト、ポケモンなどをプレイしながら余暇を過ごしている、という誤った推測をしているようだ」と皮肉めいた表現で持論を示す。さらに、

「任天堂は、思春期を過ぎてもなお『プレイタイム』という言葉を使う大人が、地下鉄で見かけるようなタイプではないことに気づかないのだろうか。彼らはeスクーター(電動スクーター)で外を走り回っている、成長しすぎた小学生なのだ」

との論を展開した。

記事のコメント欄にも反論相次ぐ

記事は英国内で物議を醸した。デイリー・テレグラフやカミラ氏のツイッターには批判の声が殺到。記事のコメント欄にも、多くの反論意見が書き込まれている。

「私は44歳の男ですが、余暇活動の一つとして、テレビゲームをしています。平均して週に3〜4時間程度でしょうか。これは私が自由な時間を使ってリラックスするための方法の1つに過ぎず、何ら不健康なことではありません」
「仕事が終わった夜に絵を描く人もいれば、本を読む人もいる。私はただコンピュータゲームをしているだけです」

記事の見出しが「大人の男性」を指したことに対しては、「なぜ男性?私が公共交通機関で何度も目撃しているCandy Crushをプレイする女性は、なぜ触れないのでしょうか?」「これが性差別でないのなら、一体なんなのか」といった指摘も出ている。

このほかにも「私も大人の男として、他に何をすべきで、何をすべきでないのか教えていただけませんか?宜しくお願いします」「私たちは、テレビを見るべきなのかもしれません」などのコメントが寄せられた。

そんな中、ニンテンドースイッチなど数多くのゲーム機を持っているという55歳の男性は、大人がゲームをすることのメリットを次のように語った。

「私はビデオゲームが大好きです。30年以上前からです。テレビで見下したり説教されたりするよりも、はるかに優れた娯楽を提供してくれます。あるいは、新聞のコラムを埋める必要のある見知らぬ人に人生の生き方を教えてもらうよりも、はるかに良い娯楽です。また、私は10代の娘たちと一緒に遊ぶのが大好きで、一緒に素晴らしい時間を過ごしています。そうですね。本も読みます。そして、定期的に運動もしています。スイッチを手に入れてください。ビデオゲームは、皆さんが思っているようなものではありません。誰もが楽しめるものがたくさんあります。きっと気に入ると思いますよ」