がんばってものを減らしても、いつの間にか増えてしまう…。片づかない悪循環に陥ってしまうのは、なにが原因なのでしょうか?
それはずばり、ものを持つ基準があいまいだから。整理収納アドバイザーのみくろママさんのお宅は55平米とコンパクトですが、6人家族で暮らしているとは思えないほどすっきり、ゆとりさえ感じられます。ものを増やさないルールを徹底して、狭くても広々暮らすワザを教えてもらいました。

狭い家の方が必要なものだけに絞れる




ものが少なく、すっきり整ったリビング

「『広い家に暮らせば快適になる』と思うのは間違い」と語るのはみくろママさん。55平米・3DKの賃貸アパートに、共働きの夫婦と育ち盛りの子ども4人の6人暮らし。なのに、すべてのものがきちんと収まって、ゆとりさえ感じられます。いったいどんな工夫が?

「以前、家族3人で80平米以上の家に住んでいたときは、あふれるものをたっぷりの収納に収めていました。でも結局、管理するのが大変。どこになにがあるかもわからず、暮らしづらかったんです」

その後家族が増えたことで、あえて選んだのが、55平米というこのコンパクトな家。

<間取り図>


「家が狭いと、本当に必要なものだけに絞れます。ポイントは、仕組みやルールをつくることです」
ものがあふれず、すぐ片づく、収納のコツを紹介します。

●定数管理で増やさない!



アイテムごとに個数を決め、「それ以上持たない」というルールを徹底しています。それぞれの個数は、家族の人数やライフスタイルに合わせて割り出したものなので、家族も納得。

<洋服は1人につき各アイテム5枚まで>


家族のものを収めたファミリークローゼット。トップス、ボトムスは一人につき各5枚まで。みくろママさんと長女の服は共有も。

<洗剤・シャンプーのストックは1個まで>


日用品のストックは、使う場所の近くに、1種類1個まで。

<写真は一人年間22枚まで>

無印良品のアルバム3冊1セット(408枚)に収まる数を18歳になるまでの年数で割って算出。

●買い替え周期を決めておく




歯ブラシや消耗品は、「古くなったら取り替える」ではなく、決まった周期で買い替えることにしています。「フェイスタオルは半年に1回、歯ブラシ・食器スポンジは月1回のペースで更新。使用ずみのものはリサイクルするか、潔く処分しています」

●スペースを決めておく



「すべてのものを『定数管理』にすると、心のゆとりがなくなって暮らしが楽しめない」ため、趣味のものなどは数ではなくスペースで管理。決めた場所からはみださなければOK。

<オモチャ>


三男のオモチャは棚に入る分だけ。誕生日やクリスマスの前には、場所をあけておくのがお約束。

<思い出ボックス>


図工作品や作文、賞状などは、1人1箱ずつまで。残すものは自分で決めてもらいます。

●1軍だけしか持たない




使用頻度でものを「1軍」「2軍」と分けると、2軍が増えすぎてしまうことも。「わが家はシンプルに、家の中のものは1軍だけにしています。食器も毎日使うもののみとし、キッチン収納もコンパクトに」


キッチンの引き出しのいちばん上。箸やカトラリーやマグカップ、箸置きも最小限に。


茶碗などは、子どもの手の届く3段目の引き出しに。1軍だけなのでお手伝いも簡単。

片づかなくて困っているアイテムこそ、持ちすぎが原因かもしれません。それでなくても、暮らしていくうちにものは増えていく傾向に。ものを増やさないためのルールを徹底して、すっきり暮らしを手に入れましょう。

<撮影/山川修一 間取り図/片山智恵 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【みくろママさん】



整理収納アドバイザー。夫と長男(17歳)、長女(16歳)、二男(14歳)、三男(8歳)との6人暮らし。初著書『狭い家でも「ゆとりある暮らし」は仕組みが9割
』(三笠書房刊)が話題に。インスタグラムは@micro4mama