タクシー運転手から侮辱を受けたと憤慨する女性(画像は『Metro 2021年4月19日付「Taxi passenger ‘fat-shamed by driver who said she needed a bigger cab’」(Picture: Kennedy News and Media)』のスクリーンショット)

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イギリスで大柄の女性がタクシーを利用しようとしたところ、運転手から大型のタクシーを勧められた。女性はあまりの屈辱に市議会に苦情を申し立てたようだが、一方でタクシー運転手を擁護する声もあがっている。『Metro』『Mirror』などが伝えた。

英ケンブリッジ在住のカイヤ・ホスキンさん(Kyer Hoskin、29)が、3月15日にFacebookに投稿した内容が注目を集めている。カイヤさんはタクシーの運転手から侮辱を受けたと綴っており、これに注目したいくつかの英メディアが報じてさらに多くの関心を集めた。

カイヤさんの投稿によると、銀行で用事を済ませてから自宅に戻ろうとケンブリッジ市内のタクシー乗り場で1台のタクシーに乗車しようとしたそうだ。カイヤさんが乗ろうとしていたタクシーの運転手は、ネット環境の弱い地域に行くと時々カード決済システムが使えないため、カイヤさんに現金で支払いができるか尋ねたという。

そして運転手は、カイヤさんの体型を上から下まで見回した後に「あそこにあるようなもっと大きいタクシーに乗った方がいいと思わないかい?」と別のタクシーを指差して言ってきた。運転手の発言に憤慨したカイヤさんは「そんなこと言うんなら、もういいわ」とそのタクシーを後にしたとのことだ。

実はカイヤさんは過食症で苦しんでおり、英サイズ28号(日本サイズ29号)の服を着用しなければならないほどの大柄だった。またカイヤさんが乗ろうとしたタクシーはハッチバックのコンパクトカーだったが、それでも彼女は「十分に乗れるはずだった」と主張している。

運転手の言葉に憤慨したカイヤさんは、自宅に戻ってからすぐに市議会に苦情の申し立てをしたそうだ。そしてFacebookに一連の出来事を綴ったところ、カイヤさんを擁護する声が次のように寄せられた。

「こんなの間違っている。絶対にこんなことが起こるべきではない。」
「私も大柄な体型なので自信をなくしてしまう気持ちが良くわかるわ! 私にいつでも相談して。」
「あなたのために私も激怒しているわ。私は自分が太ってることを恥じていて、その心の痛みや罪の意識を痛いほど知っているの。」

しかし一部のユーザーからは、タクシー運転手に同情する声があがった。

「過食症って? 私だってチョコやナチョスをガンガン食べるけどその代わりサイクリングやハイキングで体を動かすようにしているわ。それにタクシー運転手はあなたの安全を念頭に置いていたんじゃないの。」
「太っている人を辱めるのは間違っているけど、運転手は単に安全面の懸念をうまく伝えられなかっただけで、彼女がそれを悪く受け止めてしまっただけだと思う。」

またカイヤさんの投稿にはタクシー運転手の同僚と思われる人からコメントが届いており、お詫びの言葉とともにカイヤさんとやりとりしたタクシー運転手当人から聞いた事情を次のように伝えていた。

「ハッチバックのタクシーは普通のマルチシートに比べて足元が狭いため、彼はお客が苦痛に感じるのでないかと思ったようです。また以前別の大柄なお客様がシートベルトを装着できずに苦労したと言う経緯もあります。私は彼があなたの安全を考えてのことだったと思っています。」

しかしながらカイヤさんは「問題なのは私のサイズではなく運転手の無知だ」と非難し、「私は一般的なタクシーに乗るのに問題はありません。シートベルトのエクステンダー(延長ベルト)も必要なわけではないんですよ」と怒りが止まらない様子だ。

一方でカイヤさんが運転手について苦情を申し立てた市議会のスポークスマンは「タクシー運転手については徹底的に調査し、実施方針に基づいて適切な措置が取られる予定です」と述べている。

画像は『Metro 2021年4月19日付「Taxi passenger ‘fat-shamed by driver who said she needed a bigger cab’」(Picture: Kennedy News and Media)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)