3つのポイントで簡単!格別においしくなるコーヒーの淹れ方【おうちコーヒーのいろは vol.4】

教えてくれた人

アドバンスド・コーヒーマイスター/ビバ中川さん
日本スペシャルティコーヒー協会認定アドバンスド・コーヒーマイスター。株式会社アマナのコーヒークリエイターとしても活躍中。コーヒーは“五感を刺激するメディア”と称し、バリスタにとどまらずカフェの監修や新しいコーヒーの楽しみ方を提案するなど活動の幅を広げている。自身のコーヒーネーム「VIVA(ビバ)」を冠したお店「VIVA COFFEE」が2021年4月中旬にオープン予定。

その1. 必ず鮮度の良い豆を使う

まず、おいしいコーヒーを淹れるには豆の鮮度に注目することが大切。これまでの連載でも豆について学びましたが、おいしく淹れるには素材の質がとても大事ということがわかりました。初心者でも鮮度が良いかどうか判断できるのでしょうか。

ビバ中川さん:
「簡単に鮮度の良し悪しを判断する方法があります。着目するのは焙煎日と賞味期限。コーヒーは焙煎後4~5日から2週間までがおいしさのピークなので、なるべくこの期間内に楽しむとよいでしょう。

チェーン店のコーヒーだと焙煎日が記載されていない製品も多いので、その場合は賞味期限をチェック。メーカーにより異なるものの、だいたい焙煎日から半年後か1年後が賞味期限に設定されています」

ビバ中川さん:
「大手のものはパッケージの賞味期限日から半年か1年分を逆算してみて、購入日に近い日付を焙煎日と考えてよいでしょう。先ほども申し上げた通り、コーヒーのおいしいピーク期間は10日間前後と短いので、賞味期限がかなり先でもなるべく早めに飲み切るのがおいしく楽しむコツです」

連載第2弾では「コーヒー豆の買い方」について紹介しています。こちらもあわせてチェックしてみてくださいね。

その2. 好みに合わせてコーヒーの挽き目を変える

2つ目のポイントとなるのは、コーヒーの挽き目。挽き目とはコーヒー豆の挽き具合のことで、粒度の違いで味も大きく変わるそうです。

ビバ中川さん:
「コーヒーの挽き目は大まかに粗挽き、中挽き、細挽きに分けられます。細かくなるほどお湯と接する面積が増えるため、味が出やすくなることを覚えておきましょう。

ただし粒度が小さいと豆の酸化が早くなるため、えぐみや雑味が出やすいというデメリットもあります。初心者へのおすすめはスタンダードな粗挽きです」

【中粗挽き】ハンドドリップに使用しやすいスタンダードな挽き目

ビバ中川さん:
「こちらは中挽きと粗挽きの中間くらいの中粗挽きになります。一般のドリップ用としてよく使われる挽き目で、コーヒーの旨味をバランスよく引き出してくれますよ。

まずはこのあたりからスタートして、好みに合わせてどんどん挽き目を変えていくとよいでしょう。いそいろな種類の豆を購入しなくとも、粒度を変えるだけで自分好みの味を探すことができますよ」

【超粗挽き】味が出にくい分、あっさりとした飲み口に

ビバ中川さん:
「あっさりと飲みたい人は、さらに粗挽きに。味が抽出されにくい分、えぐみも出にくくなるため飲みやすいと思います。

また、同じコーヒーの量でもより粗い挽き目のほうが味は薄くなります。物足りない場合は、量を増やして調節しながら好みの味を見つけるのがおすすめです」

【細挽き】細かく挽くと香りも立ちやすい

ビバ中川さん:
「濃い目のコーヒーが好きな人は細挽きにしましょう。味がしっかり出るので、濃厚でどっしりとした味わいを楽しめますよ。ミルクで割って飲みたい人にも細挽きはおすすめです。

細挽きは中挽きや粗挽きに比べて香りも立ちやすく、コーヒーのアロマを存分に堪能できますが、その反面お湯が落ちにくいため抽出に時間がかかり、雑味が出やすくなるので気をつけてください」

その3. お湯の温度に注意する

最後のポイントはお湯の温度です。コーヒーの挽き目だけでなく、ちょっとした温度の違いでも味わいに変化が生まれます。初心者が目安とすべきお湯の温度や、淹れる際の注意点を教えていただきました。

ビバ中川さん:
「おすすめの温度は、88度です。初心者でもテクニックいらずでしっかりと豆のよさを引き出せます。ご自宅に温度計がない場合は、沸騰させたお湯を冷えたポットに移し替えるとちょうどいい温度になりますよ。

ただしコーヒーの旨味が出やすい分、えぐみの出る速度も早まります。お湯を注ぎ始めてから4分以内には抽出しきるようにしましょう」

番外編!今すぐできるペーパーリンスのすすめ

最後に今すぐできるちょっとしたテクニックも教えていただきました。

ビバ中川さん:
「お金をかけずに誰でもできるテクニックとして、ペーパーリンスがあります。コーヒーフィルター特有の匂いを軽減させる方法で、お湯を注ぐだけなので簡単です。

この紙の匂いをそのままにしておくと、冷めたときにコーヒーに余計な酸っぱさが出てしまいます。とくに無漂白の茶色いフィルターを使っている人は、このひと手間を加えるだけで味が劇的に変わるはずです」

ビバ中川さん:
「コツはフィルターをセットしたら、お湯をたっぷり注ぐこと。ペーパーリンスはよく“フィルターを湿らせるように”と表現されることが多いのですが、洗い流すイメージで多めに湯通ししたほうがよいです。

受け止めるサーバーやカップも温められるので、コーヒーが冷めにくくなり一石二鳥ですよ!」

ビバ中川さんが監修する「VIVA COFFEE」が東京都板橋区にオープン!

ビバ中川さんが監修を務める、自家焙煎コーヒー角打ち「VIVA COFFEE(ビバ コーヒー)」が2021年4月22日(木)より、東京都板橋区にオープンします!

ビバ中川さん:
「ビバ コーヒーは『コーヒーを楽しく!をテーマにした旅するコーヒー屋』として各地で活動して来ましたが、ついに基地を構えることになりました! 『自家焙煎コーヒー角打ち』とは、コーヒー豆を買いにきたついでにサクッとコーヒーやお酒も楽しめちゃう気軽なスタンドで、街のちょっとした止まり木のようになれたらと思っています。

コーヒーの相談なんでも聞きます!コーヒー教室も開催予定です。みなさんのお越しをお待ちしております」

メニューは、自家焙煎コーヒー豆各種、コーヒー、カフェオレ、燗コーヒー(カクテル)、煎茶、ホットドッグなどの販売を予定しているそうです。

コーヒーの相談をすれば、的確なアドバイスをもらえるのはもちろん、知らなかったコーヒーの世界がどんどん広がるはず。アドバンスド・コーヒーマイスターのおいしいコーヒーを求めに、ぜひ足を運んでみてくださいね。(何よりビバ中川さんはとても気さくでお話しやすい方なので、初心者の方でも気軽に相談できますよ♪)

店舗情報

店舗名:自家焙煎コーヒー角打ち「VIVA COFFEE(ビバ コーヒー)」
最寄駅:都営三田線「西台駅」「高島平駅」各より徒歩9分東武東上線「東武練馬駅」よりバス(東練01「高島六の橋」)と徒歩で13分
郵便番号:175-0082
住所:東京都板橋区高島平1-38-11 103
市区町村:板橋区
町域:高島平1-38-11 103
営業時間:11:00~20:00
定休日:火、水曜日

おいしいコーヒーのある新生活を

コーヒーの淹れ方はテクニックが必要そうでむずかしく見えますが、解説いただいたポイントはとっても簡単! ちょっとしたコツで味わいが格段に良くなります。

また、3月の4週に渡ってご紹介した「コーヒーのいろは」は、今回が最終回です。ビバ中川さんに学んだノウハウを活用して、おいしいコーヒーを新生活に取り入れてくださいね。

取材・文/大瀧亜友美(macaroniライター)
写真/實重かおり(macaroni編集部)