チェルシー、トゥヘル就任で「良くなった選手、悪くなった選手」8名
フランク・ランパード前監督が解任されたあと、チェルシーの指揮官に就任したトーマス・トゥヘル氏。
チームはそれから徐々に組織力を取り戻し、公式戦無敗を続けている。今回は『Squawka』から「トーマス・トゥヘル監督の下で良くなった選手、悪くなった選手」を特集する。
☆立場が良くなった選手!
マルコス・アロンソ
マルコス・アロンソのチェルシーでのキャリアは、昨年9月のWBA戦で終わったようにも見えた。彼は非常に稚拙なパフォーマンスを見せ、試合途中にスタンドへと戻ってしまった。その態度にフランク・ランパード監督は怒りを覚え、彼をチームから排除してしまった。
また4バックのシステムでは彼の守備力不足が目立ってしまい、1月のマーケットでも放出される可能性が高いと伝えられた。それほど戦力外の扱いになっていたものの、トーマス・トゥヘル監督の就任で大きく状況は変わった。
3バックの導入によって彼は真の勝者になった。背後がカバーされることによって彼は前線に自由に顔を出せるようになり、バーンリー戦ではまさに素敵なボレーシュートで勝利に貢献している。
カラム・ハドソン=オドイ
もうひとりのワイドアタッカー、カラム・ハドソン=オドイもトーマス・トゥヘル監督の就任で利益を得た選手だ。ランパード監督の下でも悪くはなかったが、その良さを長時間見せることができなかった。
ハドソン=オドイは好成績を残したと思えばベンチに座ったり、奇妙なタイミングでチームから脱落したりした。ランパード監督にも様々なスターを扱わなければならない事情があったにせよ、彼にとっても難しい状況だったはず。
トゥヘル監督就任からは1試合あたり60分プレーできており、ウイングバックとして新たな道を開拓した。マウリツィオ・サッリに守備の問題を指摘されていた彼は、セサル・アスピリクエタのバックアップによってより自由な攻撃が可能になり、その才能を十分に発揮できる基盤を手に入れた。
ティモ・ヴェルナー
ランパード監督が率いていたときよりも、トゥヘル監督の就任後のほうがプレーを楽しめているだろう。以前も決して悪くはなかったが、ウイングでプレーすることは彼のスタイルに100%合致せず、長く得点から見放されることになった。
トーマス・トゥヘル監督の就任が彼の得意とする役割をすべてもたらしたかといえばそうではないが、前線におけるヴェルナーの存在感は間違いなく大きくなっている。中央と左サイドを行き来しながらスピードを生かしていくプレーだ。
メイソン・マウントやタミー・アブラハム、マルコス・アロンソらともうまく組み合わされており、決定力を除けばすでにプレミアリーグ最高クラスのユニットになっている。
マテオ・コヴァチッチ
コヴァチッチはランパードの下でレギュラーを務めた優れたミッドフィルダーだ。2019-20シーズンにはクラブのシーズン最優秀選手賞に選ばれている。しかしながら今季はなかなか活用されなくなっており、大補強の煽りを受けて存在感を失っていた。
トーマス・トゥヘル監督の下ではより自由なプレーを求められており、より多くのチャンスを生み出している。数多く放っているシュートはゴールにあまり繋がっていないものの、攻撃的な姿勢でチームに貢献している。
トゥヘル監督も「彼はいつも準備ができていて、練習ではむしろ落ち着かせなければならない選手だ。彼を愛している」と信頼を明らかにしており、今後も重要な役割を与えられるだろう。
●立場が悪くなった選手…
クルト・ズマ
フランク・ランパード監督の下ではチェルシーの中心的なセンターバックであったズマ。頻繁に先発出場を果たしていたものの、トーマス・トゥヘル監督に代わってからは急激に出番を減らしている。
チアゴ・シウヴァ、アントニオ・リューディガー、セサル・アスピリクエタ、そしてアンドレアス・クリステンセンが3バックのポジションを占めていることから、5番目の選手になってしまった。
そして、サウサンプトンと対戦した際には南野拓実の動きに翻弄されて失点の原因となり、そのパフォーマンスが強烈に批判された。トゥヘル監督ももちろんそのプレーは目の当たりにしており、今後レギュラーを奪い返すまでには時間がかかりそうだ。
ベン・チルウェル
マルコス・アロンソとは逆に、ランパード体制では左サイドの絶対的な存在であったベン・チルウェルが脱落しつつある。レスターからかなりの額で加入した彼は、サイドバックとして特に攻撃面で良さを見せていた。
ところがトーマス・トゥヘル監督が3バックを導入したことにより、ウイングバックでのプレーを余儀なくされる。ウォルヴァーハンプトン戦では76分が与えられたものの、それ以降はプレーしたりしなかったりが続いている。
ハキム・ジヤシュ
今季アヤックスからチェルシーに加入したクリエイターは、怪我とコンディションの欠如のためになかなかフランク・ランパード監督の下で力を発揮できなかった。
徐々にパフォーマンスが改善されてきたかと思えば、トーマス・トゥヘル監督が就任したことによってシステムが変更に。彼が得意としていたウイングのポジションはなくなり、より中央でプレーするしかない立場となった。
いまのところ攻撃的MFの役割でプレーするチャンスを与えられているため、彼にとってはこのシーズンの残り数試合が来季の運命を変えるものになりそうだ。
クリスティアン・プリシッチ
ジヤシュよりも厳しい立場になっているのがプリシッチだ。ドルトムントからハッとさせられるような移籍金で獲得されたアメリカ代表FWも、よりサイドでのプレーを得意とする選手だ。
しかしトーマス・トゥヘル監督の就任によって彼が得意とするポジションがなくなってしまったうえ、スタメンで起用されるチャンスが失われている。
【写真】「チェルシー、第2期モウリーニョの獲得選手ランキング」
噂ではこの状態が続けば今季限りでチェルシーを離れるという意向を持っていると伝えられているが、代理人がそのような情報を流してオファーを待ちたいと考えるのもわかる状況ではある。