詐欺犯「金とキャッシュカードをよこせ!」 直球すぎる啓発ポスターが話題に→警察署に作成の経緯を聞いた
息子や娘、あるいは警察官や銀行員になりすますなど、様々な手段を用いて金銭を要求してくる「特殊詐欺」。
警視庁の特殊詐欺対策特設ホームページによれば、近年は振り込ませるのではなくキャッシュカードごと盗み取っていくという手口が多発しているという。
そんな特殊詐欺に警鐘を鳴らす神奈川県高津警察署のポスターが「直球勝負すぎる」とツイッターで話題となっている。
それがこちらだ。
金とキャッシュカードをよこせ!(画像はM-Project@mprojectさん提供)
このポスターは2020年10月20日、ツイッターユーザーのM-Project(@mproject)さんが
「直球勝負すぎる」
と投稿し、話題となったもの。
Jタウンネットの取材によれば、投稿者のM-Projectさんは20日、川崎市高津区の溝の口でこのポスターを見かけたという。
「詐欺警報発令中!」と書かれたポスターでは、特殊詐欺の犯人らしき男が
「お前の金とキャッシュカードをよこせ!!」
と堂々と要求している。それに対し、おばあちゃんも
「お金もカードも渡さないわよ!!」
と強気に応戦。確かにこれは直球勝負だ......。
互いに使用しているのが黒電話というのもいい味を出している。
ポスターのイラストは漫画「北斗の拳」の作者・原哲夫さんが経営する原プロでチーフアシスタントを務めていた漫画家の松森茂嘉さんが描いている。
ユニークなポスターに、ツイッターでは
「おばあちゃん強い(確信)」
「正々堂々として好き」
「どストレートでいっそ清々しい」
「完璧に打ち返してて草」
といったコメントが寄せられている。
このツッコミどころが多すぎるポスターについて、Jタウンネットは高津警察署を取材し、28日に回答を得た。
ユニークなデザインに込めた意味
高津警察署の担当者は、ポスターの制作経緯を
「当署の協力者が松森茂嘉氏の知人であり、防犯ポスターの作成の協力を依頼した」
とする。制作依頼をしたのは19年の10月頃で、完成したのは20年6月だという。
このユニークなデザインについては
「黒電話やインパクトのあるセリフや劇画調なタッチは若者やお年寄りにも広く興味を引いてもらうためのねらい」
としており、今回話題となったことでまさにそのねらいがぴったりハマったということになる。
また、このポスターは高津警察署独自での発行。普段からこのように独自でポスターを作成しているのか聞くと
「イベントがある際には独自で作成することもあるが、今年はコロナ禍の関係で防犯ポスターとしては2つ目となる」
とのことだった。
ちなみに、このポスターは高津区内の自治会の掲示板など約100か所以上に掲示されているそうだ。