300年続く「日本一短い定期航路」が存続の危機 コロナ禍で乗客減、船も老朽化...CFで支援募る
[みみよりライブ5up - 広島ホームテレビ] 2020年10月22日の放送では、広島・呉市の「音戸渡船」(おんどとせん)が存続の危機に直面しているというニュースを取り上げていました。
呉市の本土と倉橋島を結ぶ音戸渡船。大人は100円、子どもは50円で楽しめるワンコインの船旅は、時間にするとわずか1分半ほど。直線距離で約120メートルしかなく「日本一短い定期航路」といわれています。
船頭の花本智博さんは、祖父と父親がつないだ音戸渡船を2008年に受け継ぎました。
「音戸渡船みらい基金」プロジェクトのクラウドファンディングページより
利用者の減少と船の老朽化のダブルパンチ
かつて音頭渡船は学生たちの通学の足として活躍し、1日約3千人が利用した時代もあったそうです。
しかし2本の音戸大橋が開通し、2019年度の利用者は1日50人程度に落ち込みました。新型コロナウィルスの影響で、ここ最近は1日の利用者が10人を切る日も。それでもエンジン音を響かせ、今日も人々の生活を繋いでいます。
「音戸渡船みらい基金」プロジェクトのクラウドファンディングページより
建造68年の木造船「かもめ号」は今年に入りエンジンが故障。地元の造船会社の支援を受けて再開できましたが、利用者の減少と船の老朽化はダブルパンチとなって厳しい経営が続いています。
江戸時代に始まり、300年の歴史があるといわれる音戸渡船の存続危機に、利用者は、
「乗る人が少ないというので久しぶりに自転車で乗ってみようかなと思って。日本一短い渡船で有名でしょ。どうにかして存続してほしい」
「やっぱりここの名所で昔からあるものだし続けてほしい」
と話していました。
渡し船存続へクラウドファンディングも
渡船を救おうと地元住民らによる協議会は、「『音戸渡船みらい基金』プロジェクト」と題したクラウドファンディングを立ち上げました。目標は船の修理代350万円です。10月27日夕現在、270万円を超える支援が集まっています。
こうした動きに、船頭の花本さんは、
「みなさんが支えてあげようと言ってくれるのは本当にありがたい限り。やっぱり残していかないといけないという気になる」
と話していました。
風情ある景色で町の人々の文化でもあるので応援したいですね。
(ライター:momiji)