【働きながら妊活しましょ】20代から不妊治療って、早すぎますか?
働く堅実女子のための妊活診断、今回は20代の方からの相談案件を紹介していきます。
「20代で子どもが欲しいと思っています。だから、遅くとも28歳までには結婚しようと婚活中です。もし28歳になっての結婚だったら、結婚後すぐ妊活を始めようと思っています。友人からは20代で妊活なんて早いとか、もう子どものいる友人からは1年ぐらい様子見なよ……とか言われますが、20代で妊活ってヘンですか?」(Tさん・26歳/食品メーカー勤務)
20代の妊活について、認定不妊カウンセラーの笛吹和代さんに聞きました。
欲しい子どもが1人か2人かで、スタート地点が変わります
妊活診断では、これまで30代以降の方の不妊治療についてお話することが多かったのですが、20代向けの妊活情報も発信していきたいと思っています。
相談者Tさんは26歳。婚活中で、遅くとも28歳までに第1子を出産したいと考えていらっしゃいます。とてもまっとうな感覚だと思います。
20代なら子どもがすぐ出来るという思い込みをしている方も少なくありません。世の中的にも、そういう雰囲気が漂っているような気がします。しかし、20代だからすぐ出来るとは限らないのです。
Tさんのご相談を読んで、始めに確認しなければならないのは、子どもを何人欲しいと思っているかです。1人でいいのか、2人欲しいのか。これによって妊活のスタート地点の考え方が変わってくるからです。
お子さん1人なら、30歳になってからの妊活でも間に合うと思います。一般論ですが、32歳までに妊活を始めれば、1人授かる可能性が高というデータがあります(もちろん特殊な事情があれば別です)。
けれども、2人、3人欲しいという場合、1人目は20代のうちに出産しておいたほうが無難というとなんですが、安心です。27歳までに妊活を始めるのがベストというデータもあります。ということで、26歳のTさんが妊活を考えるのは、ぜんぜん早くないのです。
早ければ早いほど、選択肢の幅が広がる
不妊治療を始めるかどうかのひとつの目安は、ふつうに夫婦生活を営んでいて1年経っても妊娠しない場合です。この目安は当然、20代にもあてはまります。
20代で、夫婦ともに健康なのに1年しても妊娠しないのであれば、やはり何か原因があるのではと考えて行動した方がいいです。極端に性交の回数が少ないとか、少なすぎて排卵日を外しているというのでなければ、夫婦どちらか、あるいは双方に、不妊症の可能性が考えられます。20代だから不妊症じゃない、なんてことはありません。不妊検査を受け、結果によっては不妊治療を開始することをおすすめします。
私は、不妊治療を始めるのに早すぎることはないと思います。それだけ治療の選択肢の幅が広がるからです。
たとえば26歳なら、まずは自己流の妊活を1年程度がんばってってみる。それで授からなければ、不妊クリニックで検査を受ける。その次は医師の指示のもとタイミング法で半年から1年がんばってみる。それでもできなければ、人工受精にステップアップし、半年くらいトライしてみる。それでも授からなければ、体外受精へステップアップすることを考える。20代であれば、体外受精で授かる可能性も高いです。
もちろん患者さんの希望や状態によって、また不妊クリニックの方針によっても、治療法は変わってきます。20代なら人工受精を1年ぐらい続けてみましょうという医師もいれば、患者さんにピックアップ障害のおそれがあるから早めに体外受精にステップアップしましょうという医師もいます。
いずれにしても20代であれば、それほど焦らず治療に望むことができます。人工受精と体外受精では費用のケタが違います。人工受精を続けるか体外受精に進むか、じっくり考える余裕もまだあります。ここが大きなアドバンデージだと思います。
将来、欲しい子どもが1人か2人かでスタート地点が変わってきます。
■プロフィール妊活の賢人 笛吹和代
働く女性の健康と妊活・不妊に関する学びの場「女性の身体塾」を主宰する「Woman Lifestage Support」代表。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラー。臨床検査技師でもある。化粧品メーカーの開発部に勤務中、29歳で結婚。30代で不妊治療を経て出産。治療のために退職した経験から、現在は不妊や妊活に悩む女性のための講座やカウンセリングを行なっている。