【価格/内装/スペックは?】GRヤリス カタログモデル発売 RZ/RS/RCを解説 GRパーツも登場
はじめに GRヤリスとはtext:Wataru Shimizudani(清水谷 渉)
9月4日、トヨタはGRヤリスの販売を開始した。
GRヤリスは今年の東京オートサロンでワールドプレミアされ、6月30日まで限定モデルが先行Web予約を受付けていたが、今回カタログモデルの発売が発表された。
GRヤリスRZ(エモーショナルレッドII)GRヤリスは、トヨタGAZOOレーシングWRT(ワールド・ラリー・チーム)に学んだ「WRCで競争力あるクルマづくり」や開発初期からの社外プロドライバーによる評価によって、世界のあらゆる道でも思いどおりに操れ、「誰もが安心して意のままに運転できる」クルマとして誕生した。
具体的には、アッパーボディにアルミ素材のエンジンフード、バックドア、ドアパネルに加え、形状自由度の高いSMC工法で成形されたCFRP素材のルーフパネルを採用。軽量化を図りながら優れた空力性能を示す強固な3ドア・ボディとした。
さらに、前後のサスペンション・セッティングの最適化を行うなど、WRCを通じてユーザーが普段走っている世界のさまざまな道を知り、人とクルマを鍛える「もっといいクルマづくり」で蓄積してきた知見やノウハウを注いだオリジナルモデルになる。
日本仕様のGRヤリスには、RZ、RS、RCの3グレードを設定している。では、それぞれのグレードの概要を紹介していこう。
GRヤリス「RZ」 特徴・価格
「RZ」は、卓越した走行安定性、圧倒的な加速と気持ちの良いエンジン回転数の伸びを体感できる高出力モデルだ。
最高出力272psと最大トルク37.7kg-mを発生する、小型軽量ハイパワーの新開発1.6L直3直噴インタークーラー・ターボエンジン、G16EーGTS型を搭載する。
GRヤリスRZハイパフォーマンス(プラチナホワイトパールマイカ)/内装組み合わされる6速マニュアル・ミッションには、シフトのアップ/ダウン時にエンジン回転を合わせてくれるiMT(インテリジェントMT)を採用。
駆動方式は、多板クラッチによる前後駆動力可変システムを採用した新開発のスポーツ4WDシステム、GR-FOUR(GRフォー)だ。
RZには、より限界性能を高めた「RZハイパフォーマンス」も設定される。こちらは、冷却スプレー機能付き空冷インタークーラー、BBS製の鍛造アルミホイール、ミシュラン製パイロットスポーツ4Sラジアルタイヤに加えて、前後のデフにトルセンLSDを標準装備する。
消費税込みの価格は、RZが396万円、RZハイパフォーマンスが456万円となっている。
GRヤリス「RS」 特徴・価格
「RS」は、誰もが気軽にGRヤリスの研ぎ澄まされた走りを楽しめるモデルだ。内外装は、基本的にはRZと大きく変わらない。
搭載されるエンジンは、TNGAの思想に基づく1.5L直3ダイナミックフォースエンジン、M15AーFKS型。
GRヤリスRS(プレシャルブラックパール)/内装最高出力は120ps、最大トルクは14.8kg-mを発生する。
駆動方式は2WD(FF)で、ミッションは発進用ギヤを追加して低速域から高速域まで力強くダイレクトな走りを実現するダイレクトシフトCVTを組み合わせる。
このミッションにはマニュアル感覚の操作が楽しめる10速シーケンシャルシフトマティックのパドルシフトも装備している。
しかも、WLTCモード燃費は18.2km/Lという低燃費を実現。
その一方でスポーツ走行はもちろん、日常生活の中でも安全な速度域でパワーを使い切れる楽しさや、意のままにクルマをコントロールする「気持ちの良さ」を提供してくれる。
消費税込みの価格は、265万円となっている。
GRヤリス「RC」 特徴・価格
「RC」は、ラリー、ジムカーナ、ダートトライアルといったモータースポーツへの参戦など、競技用のベース車両としてのカスタマイズに最適なモデルだ。
RZをベースに、ディスプレイ・オーディオなど走りに必要な装備以外を極力排除している。
GRヤリスRC(プラチナホワイトパールマイカ)/内装だが、1.6Lの直3インタークーラー・ターボエンジンのG16EーGTS型、スポーツ4WDシステムのGRフォー、iMTを採用した6速マニュアルミッションなどは、RZから継承されている。
もちろん、272ps/37.7kg-mのパワースペックも変わりない。車重はRZよりも30kg軽い1250kgだ。
また、ラリー用の小径タイヤの装着を考慮して、16インチのベンチレーテッドディスクブレーキを装備。
タイヤサイズも、RZやRSの225/40R18に対し205/45R17とされている。
消費税込みの価格は、330万円となっている。
GRパーツとは
今回のGRヤリスの発表に合わせて、トヨタGAZOOレーシングがGRヤリスの魅力を最大限に引き出すカスタマイズパーツ「GR PARTS(GRパーツ)」を設定して発売。
GRヤリスでレースに参加したいというサンデーレーサーをはじめ、日常生活の中でも「気持ち良い」走りを楽しみたいというユーザーまで、誰にでも楽しんでもらえるように幅広く商品をラインアップする。
GRパーツ:機械式LSD、GRフロントスポイラーとGRカーボンナンバーフレーム現在分かっているGRヤリス用の品揃えとしては、GRフロントスポイラー、GRカーボン・ナンバーフレームというフロントフェイスを引き締めるパーツを用意。
さらに、GR機械式LSDという走りのカスタムアイテムもラインナップする。
GRガレージで限定販売される競技仕様のGRパーツ(RSを除く全グレード用)は、社外のプロドライバーたちと作り込みを行い、レースに勝つための技術を惜しみなく投入しているという。
GRヤリス スペック
GRヤリスのカタログモデルの発売日は9月4日。主要諸元は下記のとおりとなっている。
なお発売を記念して、9月16日 水曜の19時30分〜21時まで、GRヤリスの勇姿をファンに披露するオンラインイベント「GRヤリス・オンライン・フェス」を開催するという。
GRヤリス・シリーズの生産は、元町工場のGRファクトリーで行われる。配信はTGR公式YouTubeチャンネルで実施。イベントについては新情報が入り次第ご紹介したい。
GRヤリスRZ(カッコ内はRS)
税込み車両価格:396万円(265万円)
全長×全幅×全高:3995×1805×1455mm
ホイールベース:2560mm
重量:1280kg(1130kg)
パワーユニット種類:直3 DOHCターボ(直3 DOHC)
排気量:1618cc(1490cc)
最高出力:272ps(120ps)
最大トルク:37.7kg-m(14.8kg-m)
トランスミッション:6速マニュアル(CVT)
駆動方式:4WD(FF)
タイヤサイズ:225/40R18